参加順に投句者の俳句一覧でござぃまぁ〜〜す!

17年


4.大輪の花火が響きおどろきぬ
7.朝夕に身のちじこまる里の秋
10.眠る山足音だけがせまりくる

2.切ざみ葱色どりよろし冷や奴
5.小さき手つぶて握りて胡桃割り
8.日の暮れて焚き火に映るあから顔
11.めぐりくるひと日かわらじ大晦日

3.涼もとめ地に打ち水顔に汗
6.はらすかしつぁいにもならず鰯くも
9.寝ころびて鳥のかげのみ日向ぼこ

18年

12.さて一句天井みあげ三ケ日
15.ささやきにほどとうきかな猫の恋
18.風幽かあらいがいもせず柳かな
21.なめくじや蛇蝎ほどではないものの
24.雷鳴や諸手を耳に臍あらは
27.産声のちから強きや終戦記念日
30.長き夜や母を想いしつづる文
33.ゆるゆると踊りながらの落葉かな

13.寒燈や歩をとめさせてものいわず
16.ぶらんこや風まとう児の帆のごとし
19.屈むれば鼻先かすめ去りし蝶
22.更衣えボタン弾ける昼餉哉
25.ふわふわとおくれ毛遊ぶ扇子風
28.運動会てるてる坊主軒に揺れ
31.天高く豆粒の吾笑いけり
34.腰おろし焼き鳥二本酒一本

14.春近し浮きたつ心誰もかな
17.思わずや鳥とハミング春の空
20.皐月晴れ風に染めなすその身置く
23.蔵のなか冷酒利きてよき心地
26.道化師の背をむけたりて水羊羹
29.満月や気付かぬ人のありにけり
32.厳しかろ立つことなきや冬の海
35.冬日向犬寝る猫寝る我も寝る

19年

36.父逝きて隣家に見ゆる注連飾
39.意を異に足早まりぬ春一番
42.木のもとの落下小雀あわれ哉
45.紫陽花や色窺いて吐息哉
48.夕焼けや母にあずけしたなごころ
51.向日葵や吾もゴッホとなりにけり
54.四畳半レモンの香り満つるかな
57.白菊やぬくもりもなき手より白く

37.早朝の冷気切り裂く寒鴉
40.初音かや朝まだき谷功徳あり
43.庭先で削る茶杓みどりの日
46.会釈せば鏡の裸応えけり
49.梅干しの自慢を聞きてもらいけり
52.晴れの日も合羽のままの案山子かな
55.新蕎麦やたぐりたぐりてながらえぬ
58.よくきたと母喜びて蒲団敷く

38.赤子の歯思わせらるるふくら梅
41.幼き日母とつなぐ手春の夢
44.強爪やひとつ頬射て夏めきぬ
47.泣き虫が母の背求む青田哉
50.西瓜割り球児は睨む白球を
53.村の衆旅人招き芋煮会
56.団栗のすべってころび空青し
59.特売のチキンに手のびクリスマス

20年

60.見たことのありそうな顔福笑い
63.雪解けの川面まばゆき浴びる哉
66.春愁や盃重ね泣き笑い
69.窓開けて初夏のにほひ肌で嗅ぐ
72.靜かにて星生まるごと蛍かな
75.秋暑し八百屋のまえで立ちばなし
78.新米やなにもいらぬよ塩むすび
81.山の村灯の点点と虎落笛

61.手を離れ遊ぶは独楽か我も哉
64.本を閉じ慌て米研ぐ日永かな
67.囀りを日がな一日聞きおりて
70.辣韮をひと籠もらい四苦八苦7
3.トマトもぐふし太き母背のまろし
76.雨あがり穂先重たげ猫じゃらし
79.銀杏のはぜる音きき酒を飲む
82.嚔して緊張ほぐれ笑みこぼる

62.老いた母部屋でごそごそ冬ごもり
65.春愁や盃重ね泣き笑い
68.新茶詰め壺を枕に冬を待つ
71.夏木立二人靜かに小休止
74.炎天や軒で留守居ののらの猫
77.めどつきて畦で一服林檎食む
80.七五三ぐずる子を神ももてあまし
82.ものぐさの一月のまま古暦

21年

84.迷いなく右の足から初湯かな
87.のどかさに是好日となにもせず
90.風吹かば雀隠れの蠢けり
93.支度せし筍飯の届きたり
96.噴水や声かき消して天を突く
99.ひぐらしの止む盃のしじま哉
102.赤とんぼ黄金の穂先かすめ飛ぶ
105凩や土鍋囲みて箸行き来

85.俯けば面あげよと寒椿
88.春の雪箋に墨置き余白あり
91.朝がすみ天に居るごと野良のひと
94.硝子戸に守宮の腹の白きこと
97.楽しみの後悔となり登山かな
100.村人は芝居に見入る秋祭り
103.秋うらら屋根の野良猫あくびかな
106.湯豆腐や不器用の箸遊びおり

86.懐手遠く見据える龍馬かな
89.三月や胃の腑喜ぶ苦みかな
92.小走りの藤の棚にて雨やどり
95.かけだしの歳時記で識る業平忌
98.もの言わずゆく沢道の涼しかな
101.白き服ほんのり染めし紅葉かな
104.踏まぬ人踏む人もあり柿落葉
107.山茶花の垣根見ゆれば口ずさむ

22年

108.初御空きりりと背筋伸ばしたり
111.薄氷松葉とじこめ日差し待つ
114.西行に覚えなきかな花疲れ
117.滝行の肌にはりつく白衣かな
120.孑孑の茶柱のごとふらふらと
123.大都会台風一過澄みわたる
126.高だかと土間に積まれし南瓜かな
129.忽然と十一月は仕舞けり

109.鮟鱇の罰を受くるごと曝されき
112.しゃぼんだまコンクリートの森に消ゆ
115.春燈や団欒の声こぼれくる
118.ひこばえにからむ昼顔楚楚として
121.マネキンも慣れぬ浴衣を着ておりぬ
124.休暇明けぎっくり越で休暇乞う
127.鰯雲禁煙ならず意志弱し
130.本を閉ず身震いのして湯ざめかな

110.冬木立疎らの家の灯の見ゆる
113.一呼吸生を感じて青を踏む
116.合掌し頭をがぶり鮎食らふ
119.風遊ぶばかりの夏野まぶしけり
122.二寸ほど購ふ太き蛸の足
125.十六夜のやわらかに差し庭の隅
128.ひとつめをいつも迷いておでんかな
131.行く年や生のあかしぞ爪のびる

23年

132.ちちははもこぞりて児らと絵双六
135.春の風邪屋根うつ雨の音聞こゆ
138.漱石のなりたき菫密やかに
141.郭公や麓の畑にひと居りて
144.畳目の西日たまりて憎きかな
147.アリゾナの銀河にまぎれ地球(ほし)見ゆる
150.童らの声のみ聞こゆ芒原
153.手袋のいくたび踏まれ哀れなり

133.雪の嵩膝のかくるる朝かな
136.ためらわぬ瞬間みたり落椿
139.蘖や切り株に座す母米寿
142.フラヌイのラベンダーの丘空広し
145.犬猫も我も草木も夕涼み
148.一大事駈ける鼻緒にへヒリ虫
151.呼び鈴に秋思たたれて現かな
154.凍蝶の標本のごと身じろがぬ

134.寒明けや光をわけし太き幹
137.かげろうや被災地は白湯さえ馳走
140.縁に居り卯の花腐し煙草のむ
143.ひとり居り索麺啜る姦しき
146.強面の見え隠れたるサングラス
149.唐辛子萎えた心にヒリヒリと
152.立冬や茶漬けすすりて朝餉とす
155.煤掃きやわれ待たずして逝きし父

24年

156.初夢や未明の電話訃もたらす
159.春暁や北の地はまだ眠りおり
162.
165.にくきごと若葉打ちつけ雨あがる
168.パリ祭や田沼の恋し江戸市井
171.送り火や幽けしほのほ燠(おき)に見ゆ
174.窓ガラスいねむり映す夜学かな
177.神の留守禰宜境内を掃き清め

157.日脚伸ぶパリポリパリと花林糖
160.刻まれていとど香放つ独活かな
163.
166.似合うねのひとこと言えず夏帽子
169.蝉の声浄土めざして狂おしき
172.秋の空澄んだ心がよく似合う
175.そぞろ寒む堅く足組煙草吸う
178.闇汁やいち二度跳ねて成仏す

158.二月去るひと日多けど瞬く間
161.水温む鼻唄ふふん菜を洗う
164.行く春や原発なき世是とせねば
167.梅雨ごもり無沙汰の人に長き文
170.風死してダリの時計は歪なり
173.紅カンナ拳りて起立炎上す
176.オリオンの三つ目で何を見やるのか
179.炬燵寝の良き夢見しか笑う母

25年

180.嫁が君そなえのありて躊躇せず
183.白魚の衣纏いて冥土かな
186.目借時各駅停車ガタンゴトン
189.彼の小説繭の糸では成り立たず
192.分岐点斑猫は右吾ひだり
195.夕立に修験者のごと打たれ居る
198.鉦叩音を聞きおればはたと止む
201.鮭の何食わぬ顔我喰らう
204.去年今年果ては知らねど生きんとぞ

181.大寒や桃源郷に御産す母
184.淡雪の一句詠む間に雨となり
187.一人静指し示されて観ておりぬ
190.釣堀のみな太公望きめおり
193.声あまた空蝉ひとつふたつ見ゆ
196.青空に押されてふわり桐一葉
199.水澄て顔透かし見ゆ底の石
202.猫抱いて悴かむ指を咬まれけり
205.産みたての温もりありき寒卵

182.めらめらと恵みの炎野焼かな
185.蜃気楼心の海に浮かびおり
188.雨蛙発情条(ばね)のごろ頬掠め
191.母のごとどかりと座する夏の山
194.昼寝覚め夫の顔にぎょっとす
197.木犀の香に責められし夕べなり
200.冬天や唯昼の月有頂天
203.興醒めの機械搗き餅喰らいおり
206.利休忌や縫い針さして指

26年

207.凍返る理髪店を出首竦む
210.花衣映す水面の華やぎて
213.一坪の畑の一隅苺かな
216.朝焼や不動明王感じおり
219.走馬燈胸中の父母笑顔かな
222.敗荷や見えぬ礫に坑がわず
225.打つ気せぬ憎きものとて冬の蠅

208.下萌えの天目指さんと密やかに
211.朝の庭珈琲二杯目を春惜しむ
214.祭りとてこの声もなき過疎の村
217.端居して浮き世逃るる心地かな
220.外灯の照らす葉ひかる雨月かな
223.律儀者頃を違えぬ曼珠沙華
226.舌鼓字面の哀れ海鼠かな

209.恐竜も蜂一匹に驚かん
212.開かんと力緩める白牡丹
215.熱帯夜水槽住居羨望視
218.氷菓舐め色とりどりに染まる舌
221.底なしの胃袋哀し子規忌かな
224.捌かれし鴨の腹から黒き弾
227.冬眠の獣ら風を子守唄

27年

228.初空は清濁呑みてさえも澄む
231.菜種梅雨心に綴る長き文
234.春塵を纏う万物我も塵
237.
240.風知草所在なげに風待ちぬ
243.稲妻の宇宙を画布に造形美
246.鯊釣りの魚籠いっぱいの土産かな
249.蝸牛ごと時雨れて急ぐ杖の人

229.雨粒を湛え蝋梅傘のごと
232.春眠や夢か現か鏡みゆ
235.地を蹴る落花空しく這うばかり
238.大口の鯰饒舌やもしれぬ
241.花と言い撫子摘む児名は知らで
244.待ち惚けありやなしかと無月かな
247.ハロウィーン感謝置き去り馬鹿はしゃぎ
250.白き葱秋田美人に負けぬかな

230.風花や数多の命消えゆきし
233.鳥帰る現世浄土行き来かな
236.
.母の日や茶碗を洗う母似の手
239.空豆や荒天さなかとて毅然
242.原爆忌焦土慟哭忘るまじ
245.梨ひとつ二度に食いたる老夫婦
248.茶の花やしじみまに茶筅の音のみ
251.焚火背に不動明王なりたるや

28年

252.のら猫と小鳥の年賀うやうやし
255.卒業や泥濘あゆみ目真っ直ぐ
258.四月馬鹿我存在はそのものか
261.薔薇よ薔薇文字顔見ても薔薇のごと
264.洗濯物干す手を襲う蚊の憎し
267.花木槿天に喇叭を鳴らすごと
270.東洋の魔女体育の日古びし
273.凩や一目散の消防車

253.都鳥我も翼のあればやと
256.入学の児らの弾みて毬のごと
259.うららなり心の湿り密やかに
262.走り梅雨雨の名多き大和かな
265.心太喉滑りゆき胃の腑かな
268.宵待や黒き電話はなるを待つ
271.色づいてみたい気がする青みかん
274.緋のコート白きうなじのなまめかし

254.うるう年如月逝きし西行や
257.我無慈悲阿鼻叫喚の目刺し哉
260.短夜の夢見る間も無く現かな
263.夏大根噛み砕く音小気味よし
266.解夏の僧真白き顔の仏かな
269.肌寒や十年一日朝仕事
272.新海苔や口中満たす磯の味
275.水鳥や眼の静か何想う

29年

276.初笑ピカソの描きし泣く女
279.南無妙の法蓮草や子の無邪気
282.勿忘草我が心にも繁茂せり
285.夏場所や悲喜交々の白と黒
288.半夏生小首傾げて鏡見ゆ

277.放ちたきこと多かりし破魔矢かな
280.曖昧の結界跨ぐ春の闇
283.
*************
286.青嵐草木も花も饒舌に
289.

278.節分や力士撒く豆雨のごと
281.訪うはのら猫と風春炬燵
284.菖蒲咲き心臓手術大勝負
287.忌も忌まし黴を毟って喰らうパン
230.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

9.寝ころびて鳥のかげのみ日向ぼこ
16.ぶらんこや風まとう児の帆のごとし
91.朝がすみ天に居るごと野良のひと
106.湯豆腐や不器用な箸遊びおり
114.西行に覚えなきかな花疲れ
236.
.母の日や茶碗を洗う母似の手

64.本を閉じ慌て米研ぐ日永かな
222.敗荷や見えぬ礫に坑がわず

11.めぐりくるひと日かわらじ大晦日
19.屈むれば鼻先かすめ去りし蝶
73.トマトもぐふし太き母背のまろし
214.祭りとてこの声もなき過疎の村


17年


4.耳ふさぎ目と口あけて見る花火
7.里の秋夕餉の支度煙り立つ
10.眠る山音もせぬのが兆しかな

2.冷ややっこ茗荷のせて乙にゃる
5.栗鼠落とす根付けにするか鬼胡桃
8.酒すすみ焚き火を見つめ言葉なし
11.待つ思い流連(居つづけ)きめた大晦日

3.打ち水や二の腕あらわ浴衣の娘
6.七輪の煙の先に鰯雲
9.日向ぼこ野に吹く風の音もなし

18年

12.月昇る日も又昇る三ケ日
15.駆け登る夜の米蔵猫の恋
18.柳影ゆらぎし水面風遊ぶ
21.なめくじら輝く跡の裏長屋
24.遠雷や今日をかぎりに空ひらく
27.朝顔やみわたす程に咲きほこり
30.武相荘主に似たり木守柿
33.酉の市値切ってはずむ祝儀哉

13.寒燈の瞳に映る大宇宙
16.ぶらんこやゆらり夢みし鳥となり
19.山の蝶峯より高く舞い昇る
22.更衣たまさかに見る伊達女
25.白扇に涼の一文字大書する
28.ほくそえむあふれし網の秋刀魚哉
31.荒城の主はちちろ北高尾
34.藁苞や偲翁ぞ梅里納豆汁

14.無尽蔵ポコリで気づく春隣
17.ほろほろと笑う娘(こ)ゆかし名はお春
20.里山の貴公子歩む五月哉
23.喜多方で旧交あたためひやし酒
26.禅写経点茶無心水羊羹
29.残月や漲る霊気裏高尾
32.象潟や岩に花咲く冬の海
35.峠道むすびと冨士の冬日向

19年

36.若菜野やかがむ老婆の長き影
39.北帰行順風満帆春一番
42.段葛いざ鎌倉に桜舞う
45.想うまま恋したまえよ濃紫陽花
48.野山越えどこまで続く蟻の道
51.天下一陽と向日葵のにらめっこ
54.抜ける空身心癒す檸檬かな
57.背丈より高く薪積み冬支度

37..凪の海恵方詣の人の波
40.鶯や瞑りておれば颯と過ぐ
43.ミシュラン選大人の遠足みどりの日
46.ソーダ水若き日偲び泡弾けり
49.ガラス玉ダイヤとみまがう夜店の灯
52.影長し肩にカラスの案山子かな
55.新蕎麦や手繰りて遊ぶ齢かな
58.ひとり寝や固い蒲団の百年目

38.白梅や奇しき枝と我かさね
41.一睡の泡と消えゆく春の夢
44.品川や旅立つ朝の穴子飯
47.白鷺やどじょうひとのみ青田かな
50.西瓜割り欲と迷いで大笑い
53.芋焼きてただそれだけで天下一
56.団栗の火に爆ぜる音肝潰す
59.子どし待ち爪とぎ済ますかまど猫

20年

60.ほっこりとただほっこりと福寿草
63.落第や試練醍醐味習い居り
66.春愁や花咲みだれ杯かさね
69.けだるさや初恋の味桜桃忌
72.佃島長い影絵の金魚売り
75.万惣の山如八百屋残暑かな
78.新米の炊く香肴にもう一杯
81.虎落笛総持寺祖院只寛太座管打坐

61.苦しめど愛でたく一句ひねり独楽
64.緑にも色々ありて山笑う
67.白らむ空増すさえずりの山路かな
70.辣韮やどこまでが皮どれ身ハ素
73.夜の海月見て笑う海月かな
76.蝶の舞い高きに登るグラバー邸
79.銀杏の降る音に猫すくみけり
82.阿仁まだぎ血迷い惚れし雪女郎

62.隙間風練炭火鉢事も無げ
65.春愁や花咲みだれ杯かさね
68.春昼や憂きことうすれ夢の中
71.屋上に富士借景の夏木立
74.炎天や白衣観音輝けり
77.おさな子のほっぺの如き林檎成る
80.飴袋引き擦りはしゃぐ七五三
83.日めくりて古暦のみダイエット

21年

84.手鞠の子そして蹴鞠のリフティング
87.のどかさや大欠伸する子猫かな
90.捨得碑開眼法要風光る
93.手拭いを被り精出す薄暑かな
96.噴水の飛沫七色橋架かる
99.蜩や一日の憂さ晴らしけり
102.霧島や身の丈越ゆる草の花
105.凩や唐変木に枝はなし

85.寒椿頬笑みかえす野辺地蔵
88.鳴かずばと譜面におどる蛙の子
91.由比ヶ浜光りも風も夏近し
94.吹き溜り夜毎の酒宴どくだみ荘
97.修道女白百日紅見つめけり
100.小石川後楽園に月冴える
103.秋霖の中杉通り焼たてパン
106.湯豆腐や気の和むなり南禅寺

86.懐手香合あそぶたなごころ
89.三月は風に吹かれて雲に乗り
92.クラブ持つ武者絵ハニカム幟旗
95.光琳と仁清出逢う業平忌
98.灼くる日の逃げ水追うが如き恋
101.陽に透かしみる紅葉哉
104.埋火に秘めたる思い重ねおり
107.童らの尻餅笑顔だいこひき

22年

108.獅子舞にこうべ噛まれて泣く童
111.目の覚める茶漬の海苔の青さかな
114.俗世に夢をさ迷い花疲れ
117.滝拝みチャリで登りし那智大社
120.孑孑ごとき候補者差参院選
123.台風の中継の声必死なり
126.深まりつ食欲も増す南瓜の黄
129.舞う色の赤あり黄あり十一月

109.着たくない赤い祝いのちゃんちゃんこ
112.つくしんぼ嫋やかなれど灰汁強し
115.春ともし夕餉の香り開けた窓
118.昼顔の影はやすやす基地の中
121.浴衣の娘カラコロと路地駆け抜けり
124.温暖化暑気果てぬまま休暇果つ
127.掻き鳴らすウォッシュボード鰯雲
130.連れ銭湯女房待ちて湯ざめ哉

110.春近し陶淵明の田園に
113.禅堂を出でて俗世に青を踏む
116.焼鮎の尾ひれの塩で盃重ね
119.背のびして夢さがしおりその夏野
122.干し蛸の日にすけ明石浜の朝
125十六夜の雲わけ出づる有り難し
128.ひとつめに人柄の出るおでん哉
131.行く年のあり手耀く明日も来る

23年

132.還暦と双六上がり嵩ね居り
135.春の風邪熱のあるよでなさそうで 
138.大地震ゆりかごにして咲く桜
141.郭公の竹割るごとし朝の森
144.焼け跡やあかざの先に昼の月
147.銀河輝る浅き夢見し恐山
150.帰り路薄かんざし童歌
153.手袋や片手ばかりのコレクション

133.出迎えの小犬一匹雪の道
136.大地震呆然自失春の塵
139.立ちつくす荒野の果て夏近し
142.弾む息ラベンダーの丘駆けのぼる
145.朝の茶事明珍の音に涼み居り
148.へこきむし素知らぬ顔の放屁かな
151.京の街秋思の間なく駈け抜けり
154.凍蝶や低き陽差しに輝けり

134.寒明ける偕楽園で転寝す
137.被災跡陽炎の燃ゆ御霊寺
140.磨崖仏臼杵卯の花腐しかな
143.神田川関口芭蕉庵半夏雨
146.サングラスはずせば目もと逆パンダ
149.泡盛に島とうがらし漬けり込み
152.屋形船夜景の澄て冬に入る
155.煤掃きて次なる月の日の出待つ

24年

156.初夢のみるいとまなし送り人
159.春暁の庵凛然松の風
162.
165.若葉萌ゆ緑の数の多さかな
168.巴里祭フレンチポテト安ワイン.
171.門火見て付け人見紛う都会人
174.盆栽の図録片手に夜学哉
177.神の留守日溜まりの増す杜の中

157..放下著菜も無き畑に日脚伸ぶ
160.独活食らう手前味噌つけ独り酒
163.
166.夏帽の鍔ひるがえり武者震い
169.油蝉只聞き流し只菅打座
172.変わり目の永田町にも秋の空
176.雪遠し花月の宴そぞろ寒
178.闇汁の絶妙なるは汁のみぞ

158.鳥鳴きて蕾はじめる二月かな
161.中央フリーウェイ飛ばし相模湖水温む
164.ゆく春や旧人ばかりはびこりて
167.梅雨ごもり額縁ショーの窓辺かな
170.風死して五体投地ぞ浄土旅
173.鉋引く棟梁の脇カンナ燃ゆ
177.オリオンに視点を定め深呼吸
179.炬燵寝の夢か現か子守歌

25年

180.三宝に鎮座うとうと嫁が君
183.白魚の黒点睨み躍り喰い
186.本ひらき鼻ちょうちんの目借時
189.藪こぎて薄繭ひとつ露の中
192.斑猫に滝の脇道教えられ
195.夕立の去りて幽かに風流る
198.耳凝らし聞けば打ち止む鉦叩
201.塩鮭の焼鰭しゃぶり升を曳く
204.去年今年一歩近付く窓の際

181.大寒のつき刺す朝の光かな
184.夢おぼろ初恋のごと淡き雪
187.峠路一人静に迎えられ
190.釣堀やビルの谷間の青天井
193.嵐にも空蝉ガツリしがみつき
196.縁台の端にかさりと桐一葉
199.水澄みて普く慈悲の光差す
202.悴める秘密保護法曇り空
205.日の出で来ポンと生れし寒卵

182.渡良瀬に焔の舐め渡る野焼かな
185.魚津にて待てど浮かばぬ蜃気楼
188.葉に乗りて目線そらさぬ雨蛙
191.夏の山瀬音に和む重き足
194.昼寝覚め壺屋での日々顧みる
197.振り向けど歩みの先の金木犀
200.雨なれど杞憂晴れし黄石路の花
203.路地の奥餅搗歌と杵の音
206.利休忌や写しの楽でもてなす茶

26年

207.凍て返る一番風呂は大賑わい
210.花衣まとひ野点の花となり
213.苺狩り満足顔の吸血鬼
216.朝焼けに首を揃えて東向き
219.カラカラと我人生のごと走馬灯
222.破れ蓮の隙間小鷺の舞いおりる
225.空晴れてお前居たのか冬の蠅

208.凝視せば既に荒野も下萌える
211.緑増す山路歩みて春惜しむ
214.遠く聞く祭ばやしに気もそぞろ
217.端居して懐(おも)う人生草のごとし
220.情け無しお題のごとし雨月哉
223.木漏れ日の其処に群がる曼珠沙華
226.こと言えど今が旬なり海鼠かな

209.空中に動かぬ蜂とにらめっこ
212.禅寺の中庭華やぐ牡丹哉
215.朝焼けに首を揃えて東向き
218.自転車で鐘振り鳴らし氷菓売り
221.今日も又阿佐ヶ谷って来る獺祭忌
224.肥え鴨や重たそうに飛びたてり
227.巷説をどこ吹く風で冬眠す

27年

228.初空や雲も芽出度く薄笑い
231.風吹けど沈思黙考菜種梅雨
234.一夜明け春塵洗う小糠雨
237.
240.来ぬ風に風知草只茂りおり
243.稲妻に遠くの山が近く見ゆ
246.羽田沖鯊釣る小舟群れをなす
249.猫の瞳の微動だにせず小夜時雨

229.蝋梅の朝日に透けて馨おる
232.朝ぼらけ見ることもなし春眠す
235.とめどなき落花に霞む姥桜
238.大鯰地震頻発おおわらわ
241.撫子の一服せよと岬道
244.無月とて心静かに酒を汲む
247.ハロウィーンの謂れも知らず空騒ぎ
250.頬肉と中落ち剥り葱鮪鍋

230.風花や風神銀箔撒き居るぞ
233.鳥帰るどぜうのびのび蘇る
236.母の日に直ぐに参ると告げ祈る
239.そら豆の弾けてお亀顔覗き
242.原爆忌熱戦始まる甲子園
245.便り無き友の礫か梨届く
248.茶の花や活けて織部の気分とな
251.皆無口焚火囲んで唯見つめ

28年

252.年賀客盃重ね腰抜かす
255.卒業し羽ばたく先やそれぞれに
258.年甲斐も無く我忘れ四月馬鹿
261.そこここの生け垣の薔薇咲き誇る
264.蚊に刺され爪で×点効目なし
267.南国の花にも似たり木槿咲く
270.呑みすぎて体育の日も朝寝坊
273.凩やくるりと輪を描き吹き抜けり

253.都鳥羽ばたかずとも風に乗り
256.自慢気な入学式の保護者達
259.ことも無きうららうららに何故愁う
262.半袖じゃ鳥肌の立つ走り梅雨
265.心太噎せて咳き込み冷や汗す
268.
薄雲に顔を見せたる宵待ちぬ
271.青みかん有難き哉木箱入り
274.コート着ず粋がるどころか背を丸るめ

254.如月の空晴れわたり寿ぎし
257.頭からガブリと食らう目刺し哉
260.短夜の明けて甍の輝けり
263.夏だいこステーキに添え盃すすむ
266.解夏ゲのゲ目玉親父も禅を解く
269.肌寒に床出る決心薄れおり
272.
*************
275.水鳥の日々交々に渡り来る

29年

276.蹴躓き抱き留められて初笑
279.日蓮とポパイの好物法蓮草
282.転た寝の深く落ち行く春炬燵
285.
*************
288.

277.小鈴ゆれ背にさしたる破魔矢かな
280.花の香の微かに聴こゆ春の闇
283.
*************
286.汽車の窓開けるや否や青嵐
289.

278.節分の豆に群がる鳩かわい
281.西行の日も去り次はフォゲットミー
284.菖蒲咲き心臓手術大勝負
287.
季節とて頭の黴は年のせい
230.

優勝
殊勲賞
敢闘賞
技能賞

33.酉の市値切ってはずむ祝儀哉
57.背丈より高く薪積み冬支度
122.干し蛸の日にすけ明石浜の朝
245.便り無き友の礫か梨届く
260.短夜の明けて甍の輝けり

72.佃島長い影絵の金魚売り
73.夜の海月見て笑う海月かな
85.寒椿頬笑みかえす野辺地蔵
100.小石川後楽園に月冴える

6.七輪の煙の先に鰯雲
32.象潟や岩に花咲く冬の海

37..凪の海恵方詣の人の波
249.猫の瞳の微動だにせず小夜時雨


17年


4.船宿の障子に滲む花火かな
7.歌舞伎町区役所通り里の秋
10.山眠る獣の息吹き糧として


5.蔓籠の胡桃交はる鬼と姫
8.流木や焚火に宿る鎮魂歌 
11.銭湯の太き煙や大晦日

3.打水の消えゆくまでの逢瀬かな
6.ちゃんこ番小鰯捌く太き指
9.日向ぼこ活字大きな季語辞典

18年

12.綾取りの糸に絡まる三ヶ日 
15.恋猫の混迷の恋此処彼処
18. 芽柳や銀座に残りし通学路 
21.露地物の穴の勲章なめくぢら
24. 遠雷やジントニックをもう一杯
27.還暦やなほ巡りゆく敗戦忌
30.独り言独り按摩の夜長かな
33.日溜まりのジグソーパズルの落葉かな

13.冬灯(ふゆともし)国民年金催促状 
16.ぶらんこの舟あの空へあの月へ
19.藍染めの暖簾を抜けし紋白蝶
22.ポケットの底の記憶や更衣
25.白扇や惑う潮の香昼の宿
28.空耳のオクラハマミキサ−運動会
31.天高し横断歩道に雲止まる
34.納豆の糸に絡まる妻の愚痴 

14.ぬけぬけと朝帰りして春隣
17.春光を束ねて覗く万華鏡
20.万物の一端光りし五月かな
23.爪を研ぐ影を映すや冷の酒
26.ギヤマンに水羊羹の肩揺れし
29.盃の月飲み干せぬ腑甲斐な
32.犬もまた遠き眼をして冬の海
35.静かなる古き団地や冬日向

19年

36.若菜摘ひと葉ひと根の願ひあり
39.春一番グーグルアースで探しをり
42.散り急ぐ桜並木に風起ちぬ
45.新緑を両の手に抱く朝湯かな
48.夕焼けや夕暮れまでの大欠伸
51.風鈴の秘めごとひとつふたつみつ
54.泣き濡れてレモンスライスの月かな
57.歳時記を並び替へたる冬支度

37.昼の月見上げて嗤ふ寒鴉
40.鶯や鎌倉五山風渡る
43.亀鳴くは無声映画の濡れ場かな
46.裸子に羽根などつけて遊びけり
49.夜店からおかめひよつとこ連れ帰り
52.校章を胸に案山子の青ジャージ
55.月光にゆだねて海の鼓動かな
58.蒲団打つ音に流儀らしきもの 

38.薄闇の紅梅白梅あるがまま
41.春の夢およびでないと高笑ひ
44.坪庭の影膨らむや夏兆す
47.Y字路や右も左も梅雨の街
50.水浴びや盥(たらい)の中の小宇宙
53.秋場所や隅田の風に触太鼓
56.団栗や一人遊びの帰り道
59.聖戦の無き世この夜聖誕祭

20年

60.整形を見破る妻の福笑ひ
63.水音のまだ深くして雪解沢
66.酔眼の黒目重なる蜆汁
69.初夏や影に確かなにほひあり
72.夏ひとつ越えし金魚の吐息かな
75.地団駄を踏み違えたり秋暑く
78.新米のいの一番の塩むすび
81.儘ならぬ見過世過や虎落笛

61.独楽のごと回る地球の朝ぼらけ
64.大仏の軽き衣や山笑ふ
67.キユーピーの人形囀り聴いてをり
70.島らつきよう噛みて潮騒聴いてをり
73.青空の子等の笑顔やトマト食む
76.下駄鳴らし高きに登る音羽富士
79.秋深し鬼を忘れてかくれんぼ
82.太郎冠者気取ってひとつ大嚔

62.摩り寄れど素肌に痛し隙間風
65.春愁や黄身のくずれし目玉焼き
68.沈みゆくダリの時計や春の昼
71.残像の古き校舎に夏木立
74.炎天の伸びゆく影や托鉢僧
77.籾殻に潜む林檎や玉手箱
80.玉砂利に弾けし笑顔七五三
83.揺れなずむ紙飛行機や古暦

21年

84.静かなる宇宙遊泳初湯かな
87.長閑なる気配濃くあり今朝の夢
90.少年の軽き翼や風光る
93.指で読む等高線の薄暑かな
96.噴水を遮る雲のひとつあり
99.踊りの輪解けて淋しき音頭かな
102.赤蜻蛉夕陽の中へ帰りけり
105.小糠雨今宵湯豆腐小鍋立て

85.獅子舞や金歯の奥の笑ひ顔
88.世の憂さを集めて黒き春の雪
91.下駄箱の下駄微笑みて夏近し
94.十薬や花の水脈探しをり
97.掠れゆく飛行機雲や百日紅
100.鯛焼の尻尾残して秋暑し
103.宵待の大徳利の軽さかな
106.小糠雨今宵湯豆腐小鍋立て

86.思案尽き思案弄る懐手
89.三月やさらり流れぬ砂時計
92.借景は雲の流れや鯉幟
95.骨盤を揺らす女やさくらんぼ
98.涼しさを水琴窟の音に拾ひ
101.ペラペラの紅葉へらへら笑ふ街
104.洋館の影の長さや冬薔薇
107.イマジンの空広げゆく師走かな

22年

108.メビウスの輪のうらおもて去年今年
111.薄氷を踏む子踏まぬ子通学路
114.写メールの届き届きて花疲れ
117.青空に舞い戻りたる滝の音
120.孑孑や浮世の旅路さまよひて
123.晴天や台風一過深呼吸
126.煮南瓜や女系家族の西日窓
129.瑠璃色の十一月を抱きけり

109.子守唄聞いて聞かせてちゃんちゃんこ
122.飛びいでし光の息吹シャボン玉
115.春燈や白い鯛焼買ひませう
118.昼顔の濡れてはかなき薄化粧
121.大輪の花笑ひたる浴衣かな
124.大人びた友の眼差し休暇明け
127.鰯雲記憶の海へ続きをり
130.野良猫と遊ぶ悪女の湯ざめかな

110.紅梅の空に笑ふや鬼瓦
113.武蔵野や風しなやかに青き踏む 
116.命日の鮎の甘露煮父の膳
119.少年の蒸気機関車夏野かな
122.宿酔や前頭葉に蛸遊ぶ
125.十六夜の闇に横たふ青テント
128.はんぺんで揉める男のおでんかな
131.逝く年の逆引き辞典手繰りけり

23年

132.父ポツリ人生なんて双六さ
135.良薬は口には甘き春の風邪
138.春愁や妻スキップを踏んでをり
141.郭公の風軽やかな目覚めかな
144.廃線に潜むD51草いきれ
147.天井の闇に銀河と風の音
150.野良帰り背負子に溢る花薄
153.手袋の編目の数の温さかな

133.初雪の便りは母の誕生日
136.トランプのひとり占ひ春炬燵
139.黙祷の海眠るまま山笑ふ
142.あの空とラベンダー畑鉢植えに
145.納涼の遠き太鼓の音消えし
148.移ろひを追ひて季語帳屁ひり虫
151.ZIPPOの音に敢へ無き秋思かな
154.てふてふのての字に凍蝶止まりをり

134.おみやげはバウムクーヘン寒明くる
137.春愁や妻スキップを踏んでをり
140.卯の花腐し神田古書街神保町
143.釣堀や小さき雲を持ち帰り
146.撫肩を少し怒らせサングラス
149.嘘つきの舌の根赤き唐辛子
152.江戸古地図失せし地名や冬に入る
155.煤掃の済みて青空仕舞ひけり  

24年

156.初夢や江戸切絵図に迷い込み
159.春暁や金平糖の丸き角
162.
165.ダルビッシュ若葉青葉の100勝目
168.三色旗葡萄酒美人尊巴里祭
171.送り火や抜けられますかこの道は
174.盆栽の図録片手に夜学哉
177.玉砂利に遊ぶ子供や神の留守

157.日脚伸ぶ散歩の犬と長話
160.雁首と独活を揃へて酢味噌和へ
163.
166.アルバムの明治男の夏帽子
169.初蝉や定期預金を解約に
172.秋天やキグレサーカステント小屋
175.ライターの音に遊ぶやそぞろ寒 
178.闇汁や小沢昭一的こころ

158.なんのその二月の風を掬ひ投げ
161.水温む明るき朝や黄身ふたつ
164.行く春を見送る先の故郷かな
167.三色旗葡萄酒美人尊巴里祭
170風の死やダリの時計が動き出す
173.孤独ナル有閑マダムカンナ燃ユ
176.オリオンを想えば聞こゆ北帰行
179.好日や炬燵で捻る遺言書

25年

180.居酒屋の客と遊ぶや嫁が君
183.*************
186.相槌を打てど響かぬ目借時
189.出立は叶わず繭を棺とす
192.斑猫や玉虫色の世に迷ひ
195.広重の夕立のなかを逃げ惑ひ 
198. 鉦叩鳴ひている夜のケセラセラ
201.新巻の届きて祖父の顔貌
204.エッシャーの階段くだり去年今年

181.大寒や蒼き轍の月の色
184.淡雪や夏目雅子の句を拾ふ
187.暮れなずむ一人静の野草園
190.影のなき釣り堀に雲遊びをり
193.空蝉やスケルトン仕様非売品
196.桐一葉やや難ありの着地点
199.*************
202.悴みし心の襞に酒を注ぐ
205.微笑みの光透かすや寒卵

182.縄文の息吹宿りし野焼きかな
185.人の世の有情無情や蜃気楼
188.快晴の夜雨蛙に成り済ます
191.少年の青きやまびこ夏の山
194.掃除機に午睡の夢を吸われけり
197.雨の夜半あの木犀に会ひたくて
200.桐一葉二合徳利三本目
203.餅搗の阿吽の息や夫婦仲(めおとなか)
206.利休忌や上司の小言聞き流す

26年

207.さよならの含み笑ひや凍て返る
210.子を抱く母のマニキュア花衣
213.あの日から木苺の道見失ひ
216.朝焼けの刷毛跡薄きままに消ゆ 
219.母の声父の歌声走馬燈
222.敗荷や立往生の弁慶が
225.置き去りの月日を問ふや冬の蠅

208.下萌や水路の音を聞きながら
211.惜春の残り香写す墨絵かな
214.駄駄捏ねる子に逆らへぬ祭かな
217. 端居して探しあぐねる居場所かな
220.*************
223.断捨離とのたまふ妻や曼珠沙華
226.
曖昧と模糊を飲み込む海鼠かな

209.花園に見え隠れして蜂の尻
212.帯留めの白き牡丹や鄙の宿 
215.熱帯夜極彩色の闇に死す
218.童顔に戻り咥える氷菓かな
221.白球とひとり遊ぶや獺祭忌
224.鴨発つや光の水を駆け
227.冬眠の獣ら風を子守唄

27年

228.初空や地球の息吹青くあり
231.*************
234.断捨離を誓ふ心に春の塵
237. 
240.ベランダに里山ひとつ風知草
243.稲妻に青春らしき忘れ物
246.鯊釣りの糸遊ばせて隅田川
249.ガン検診終へし家路の時雨かな

229.臘梅に無言のままに話しかけ 
232.春眠や羊の群れに温々と
235.始まりも終わりも見せぬ落花かな
238.誰やらに似ている鯰笑ひをり
241.押し花となりて撫子日記帳
244.無月とて月呼び寄せる酒場かな
247.おつぼねさまゾンビのままのハロウイン
250.小鍋立て葱は深谷か下仁田か

230.あっ風花なにかいいことありそうな
233.
鳥帰る男黒田の晴れ姿
236.母の日に母思ひ出すこともあり
239.そら豆のにこにこ顔に酒二合
242.
*************
245.*************
248.*************
251.囲む手に笑顔弾ける焚火かな

28年

252.大空に浮かびし顔へ年賀かな
255.黒板の卒業祝ふ師の言葉
258.嘘つかぬ約束記念日四月馬鹿
261.
*************
264.*************
267.垣越しの笑ふ声あり花木槿
270.ニッポンを背負ふ旗日や体育の日
273.木枯しを弾き飛ばすや通学路

253.都鳥水面の光纏ひけり
256.入学の朝Vサイン駈けて行き
259.肉球を晒す寝姿猫うらら
262.
*************
265.*************
268.待宵の角打そつと覗きをり
271.古傷の笑ひ話や青蜜柑
274.遠き日やコート売り場のかくれんぼ

254.如月や酒場の隅の影法師
257.縄暖簾目刺御新香酒二合
260.短夜や思考回路は短絡す
263.*************
266.年寄りの遅き手習ひ解夏の夕
269.肌寒や悪しき夢見の朝ぼらけ
272.新海苔を炙る親爺の笑顔かな
275.逆さまの水鳥空を漕ぎにけり

29年

276.宿六の寝惚眼や初笑
279.吉相の法蓮草と緑一色
282.ぬけぬけと勿忘草の置手紙
285.悲しみの鎖断ち切れ青嵐
288.半夏生畑に老犬老夫婦

277.逆光の破魔矢掲げる肩車
280.万歩計捨ててゆるりと春の闇
283.
.酔眼を底に沈めて蜆汁
286.悲しみの鎖断ち切れ青嵐
289.

278.節分の夜空さ迷ふ鬼の群れ
281.
天井の睡魔が嗤ふ春炬燵
284.菖蒲湯に潜る親子の節句かな
287.黴洗ふレコード盤に宿る音
230.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

3.打水の消えゆくまでの逢瀬かな
11.銭湯の太き煙や大晦日
17.春光を束ねて覗く万華鏡
19.藍染めの暖簾を抜けし紋白蝶
22.ポケットの底の記憶や更衣
32.犬もまた遠き眼をして冬の海
36.若菜摘ひと葉ひと根の願ひあり
45.新緑を両の手に抱く朝湯かな
55.月光にゆだねて海の鼓動かな
58.蒲団打つ音に流儀らしきもの
64.大仏の軽き衣や山笑ふ
65.春愁や黄身のくずれし目玉焼き
76.下駄鳴らし高きに登る音羽富士
85.獅子舞や金歯の奥の笑ひ顔
89.三月やさらり流れぬ砂時計
153.手袋の編目の数の温さかな
161.水温む明るき朝や黄身ふたつ
194.掃除機に午睡の夢を吸われけり
226.
曖昧と模糊を飲み込む海鼠かな
259.肉球を晒す寝姿猫うらら
278.
節分の夜空さ迷ふ鬼の群れ
283..酔眼を底に沈めて蜆汁
287.黴洗ふレコード盤に宿る音

20.万物の一端光りし五月かな
28.空耳のオクラハマミキサ−運動会
37.昼の月見上げて嗤ふ寒鴉
47.Y字路や右も左も梅雨の街
63.水音のまだ深くして雪解沢
70.島らつきよう噛みて潮騒聴いてをり
143.釣堀や小さき雲を持ち帰り
156.初夢や江戸切絵図に迷い込み
157..日脚伸ぶ散歩の犬と長話
178.闇汁や小沢昭一的こころ
182.縄文の息吹宿りし野焼きかな
186.相槌を打てど響かぬ目借時
224.鴨発つや光の水を駆け昇る
227.冬眠の獣ら風を子守唄
275.逆さまの水鳥空を漕ぎにけり
277.逆光の破魔矢掲げる肩車

8.流木や焚火に宿る鎮魂歌
34.納豆の糸に絡まる妻の愚痴
41.春の夢およびでないと高笑ひ
72.夏ひとつ越えし金魚の吐息かな
91.下駄箱の下駄微笑みて夏近し
97.掠れゆく飛行機雲や百日紅
122.宿酔や前頭葉に蛸遊ぶ
150.野良帰り背負子に溢る花薄
171.送り火や抜けられますかこの道は
181.大寒や蒼き轍の月の色
196.桐一葉やや難ありの着地点
204.エッシャーの階段くだり去年今年
225.置き去りの月日を問ふや冬の蠅
240.ベランダに里山ひとつ風知草
250.小鍋立て葱は深谷か下仁田か
253.都鳥水面の光纏ひけり
282.ぬけぬけと勿忘草の置手紙 


17年


4.歓声に打ち上げ花火色を変え
7.雨の度色を失う里の秋
10.彩りも綿を羽織り山眠る


5.鎧着た胡桃の中は酒の友
8.*************
11.乳くれと鳴き声止まぬ大晦日

3.空泳ぐ鰯雲さえ腹肥ゆる
9.鳴き声もひなたぼっこに寝息へと

18年

12.親と子のあくび合唱三が日
15.路地裏で愛を叫ぶか猫の恋
18.風に酔い柳は枝で千鳥足
21.蛞蝓も歩めばそこに虹の道
24.ジャズ聴き静かに眠れ雷よ
27.絵日記に朝顔描いてひとしずく
30.柿盗み罰があたって渋り顔
33.よちよちが落ち葉踏みしめ楽しそう

13.夜空の矢家路教える冬灯り
16.童待ち花びら乗せるブランコよ
19.昼寝の子起こさぬように蝶が舞う
22.衣更小さな服に子が笑う
25.風を見て一句ひねるも扇子なし
28.煙り吐く此処もあそこも秋刀魚かも
31.縁の下下宿人は蟋蟀か
34.焼き鳥の串の数だけため息か

14.枯れ枝も色気戻して春近し
17.見知らぬも盃回し春たのし
20.五月晴れひごい元気に泳ぎ出す
23.冷酒よ妻の冷や水割れもせず
26.みそっ歯が水羊羹に跡残し
29.線路脇秋桜揺らす風通過
32.*************
35.振りむけば除夜の鐘も闇に消え

19年

36.注連飾り電飾にはすくい投げ
39.子の病抱きしめる空朧月
42.桜散る子は花びらと鬼ごっこ
45.脳トレや酸味は赤か紫陽花よ
48.公園の遊び忘れて蟻見つめ
51.向日葵や我を見下ろし誇らしげ
54.居酒屋にさわやかな風生檸檬
57.押し入れの宝見つかる冬支度

37. 寒鴉どんより空の黒子なり
40.なき比べ赤子に勝てぬ鶯や
43.みどりの日色づく里に水鏡
46.ソーダ水風呂の泡さえ喜ぶ子
49.縁側に梅干し並びバリケード
52.マネキンの隠居先は案山子かな
55.飲み過ぎの月光仮面月影に
58.強者も蒲団の中であと五分

38.梅の花紅白戦に待ったなし
41.ほろ苦い恋の行くへは春の夢
44.夏めきて木陰を探す散歩道
47.梅雨空に散歩できぬ子嵐なり
50.水浴びのしぶきを飛ばせ小さな手
53.芋の葉の上で転がる露キラリ
56.団栗がコロコロコロと子を囲み
59.仕事前我を誘うか竈猫

20年

60.心待ち福寿草の咲くを聞く
63.雪解けて泥靴並ぶ軒の下
66.蜆汁湯気の向こうに老婆の手
69.胸元のつばさ広がる初夏かな
72.浮かんでは何おか言わん金魚かな
75.居酒屋で過ぎ行く残暑飲みほささ
78.箸すすむ新米の湯気妻隠し
81.いたずらっ子空を駆け抜け虎落笛

61.独楽まわす術を知らぬ子八つ当たり
64.彩りを裾に広げて山笑う
67.*************
70.人馬とも必死にかける競馬かな
73.食べ頃のトマトの皮をそっと剥き
76.少年の秘密基地にもねこじゃらし
79.銀杏の殻割り楽し酒の友
82.アメ横の賑わい抜けて嚔かな

62.台所妻の背見えて隙間風
65.風車早く回れと子も回り
68.新茶の薫り漂う母の居間
71.道程を銀で一筆蝸牛
74.炎天下ホームベースへダイビング
77.リンゴ持つ幼き手にも力あり
80.晴れ着着て困惑顔の七五三
83.古暦財布の中と似たりかな

21年

84.手鞠持ち遊びせがむも投げられず
87.土手の風眠り誘いて長閑なり
90.ランドセルお守り揺れて風光る
93.公園の水辺賑わう薄暑かな
96.噴水や高く低くとくぐり抜け
99.蜩とただいまの声競い合い
102.赤蜻蛉子の歌声に空見上げ
105.湯豆腐の煙り上りて歳をとり

85.獅子舞を真似てカチカチ小さき歯
88.悲しみを大地に散らし春の雪
91.朝霞三途の川も近くなり
94.切り花にされぬ哀しきどくだみよ
97.百日紅ワンパク大将花見上げ
100.台風の目の数聞かれ化け物に
103.鰯雲山を枕に一休み
106.湯豆腐の煙り上りて歳をとり

86.飲み明かし一人家路の懐手
89.蓬採り休耕田に老婆有り
92.木陰有り見上げる天に藤の花
95.黄色なりサクランボ狩り罪作り
98.涼風が暖簾揺らして我誘い
101.技見せて谷底深く紅葉散る
104.渋柿の食べ頃まだかと鳥に聞き
107.奇声あげ一人遊ぶ子師走かな

22年

108.凧揚げの風よ吹け吹け天目指し
111.冷戦も水に流せと薄氷
114.昨日今日名所訪ねて花疲れ
117.白糸が大岩滑り滝壷へ
120.孑孑や音もなき池母の知恵
123.目をクルリ宇宙を覗く台風よ
126.少女の手馬車に乗るのと南瓜抱き
129.目標も十一月に言い訳に

109.神田川銭湯出てちゃんちゃんこ
112.石鹸玉空に飲まれて露となり
115.春燈の街を眺める車窓かな
118.辻に咲く世間話と昼顔と
121.浴衣着のうなじに熱き視線かな
124.休暇明け妻子の欠伸背で聞かん
127.鰯雲風に追われて何処へ行く
130.星眺め空にくしゃみの湯冷めかな

110.豆まきのお面の下は笑顔なり
113.*************
116.鮎釣りの名人待ちて火をおこし
119.草の罠遊び覚えし夏野かな
122.茹で蛸を睨みつけても四十肩
125.十六夜に揺れる暖簾をかき分けん
128.おでんの具取り合う家族笑顔かな
131.忘れ物思い出せずに行く年や

23年

132.双六に声を張り上げ賽を投げ
135.ズル休み遊びせがむ子春の風邪
138.杯に桜映して呑み干さん
141.山麓に郭公こだまし昼寝かな
144.七夕に願い果てなしみちのく
147.夢の中銀河鉄道いづこへと
150.風を聞きヘッドバンキング薄かな
153.手袋の繋いだ手には汗をかき

133.雪積もり足跡残り遠回り
136.*************
139.小女子や故郷の海に何を見ん
142.ラベンダー香り漂う写真かな
145.納涼の夜空光りて太鼓の音
148.姿なし濡れ衣着せしへこき虫
151.茜空鍬を洗いて秋思かな
154.凍蝶や爺婆踊る白昼夢

134.布団出る文句も減りて寒明ける
137.杯に桜映して呑み干さん
140.ヒルズ族卯の花腐し傘の花
143.父の日の似顔絵貰い笑い泣き
146.ど根性ぴょん吉いらぬサングラス
149.唐辛子今日は口内明日お尻
152.鼻息に硝子くもりて立冬かな
155.色褪せし記念写真も煤払い

24年

156.初夢や川の字書いて後何年
159.春暁や吐く息薄く君の声
162.
165.教室の机に慣れぬ若葉かな
168.石畳時を刻んで巴里祭
171.送り火や千の風吹く恐山
174.汽笛鳴く故郷遠く夜学かな
177.神の留守ウルトラマンよ何処なり

157.人も無き砂場のシャベル日脚伸ぶ
160.独活伸びて優しき光り茎に成り
163.
166.夏帽子ファッション誌めくる目の行方
169.オリンピック声援競う蝉の声
172.秋の空雲の細工は真白なり
175.窓明かり想い届かずそぞろ寒
178.闇汁や吉凶占う箸の先

158.目標を忘れ始めし二月かな
161.水面挿す釣り糸増えて水温む
164.行く春や耕耘機の音慌ただし
167.明日の空何処にあるのか梅雨籠り
170.風死すも波は尽きせず文字を消し
173.羊どもカンナの柵に寄り添わん
176.オリオンが高く登りて家路かな
179.足癖の悪行隠す炬燵かな

25年

180.嫁が君巳年の飾り居間に居り
183.白魚や今は昔と手を繋ぎ
186.目借時贋ウインクも狂おしく
189.繭玉に遊ぶ笑顔は二度童
192.斑猫の衣羽織りて夜の街
195.夕立を逃れて暖簾くぐりけり
198.静寂にスクラッチノイズ鉦叩
201.塩鮭にご飯一膳それで良し
204.百八つを数えて多し去年今年

181.大寒や路面の空も割れにけり
184.淡雪や肩にとまりて消え行かん
187.山道の一人静に一休み
190.釣り堀や釈迦の意図とは成れぬ糸
193.空蝉の仮の姿に酔いつぶれ
196.風に舞う順番待ちて桐一葉
199.水澄みて童の声も遠くなり
202.かじかんだ指のリングも回りけり
205.炊きたてにぶっかけて嬉し寒卵

182.灰が舞う舞えぬ虫ども野焼かな
185.蜃気楼登れぬ山も日本なり
188.低き空跳べば届くか雨蛙
191.青に白緑加えし夏の山
194.日陰濃く我を隠して昼寝かな
197.木犀や想い出薫る角の家
200.木枯や熱き露天を吹き冷まし
203.餅搗の響き軽やか孫来る
206.利休忌や珈琲片手に呟けり

26年

207.昨日今日箪笥開け閉め凍返る
210.緊張と希望の顔に花衣
213.
口づけを真似る少女に苺かな
216.朝焼けや湯船に浮かぶ宇宙あり
219.思い出が増えるばかりぞ走馬灯
222.敗荷に亀は万年釈迦を待ち
225.処世術我も耐えるぞ冬の蠅

208.靴底の汚れ楽しや下萌ゆる
211.マドンナの転勤決まり春惜しむ
214.騒がしき屋台と童祭かな
217.ネコあくび我もつられて端居する
220.*************
223.曼珠沙華カール競うは付けまつ毛
226.ゲテモノも酒の友なる海鼠かな

209.蜂の音騒ぐ童の口に飴*
212.牡丹咲き五重塔もかすみ居り
215.熱帯夜床に寝そべり空白む
218.氷菓子屋台の灯煌煌と
221.月並みな言葉も出ずに子規忌かな
224.空を駈け水面乱して鴨集う
227.休日の短期冬眠妻に告げ

27年

228.初空や四十六億更新す
231.菜種梅雨濡れて行くほど若くなし
234.春塵や引っ越し荷物に便乗し
237.
240.風知草昭和の風を伝えけり
243.稲妻にオヘソ隠した遠き夜
246.江戸前を御馳走すると鯊釣へ
249.時雨空コーヒードリップ落ちる音

229.蝋梅に老婆の笑顔ほころびる
232.春眠や羊の群れに温々と
235.落花や水面に舟の跡を知り
238.要石鯰逃げたか大震災
241.異国でも撫子強くピッチに揺れ
244.提灯の灯に一杯無月かな
247.ハロウィーンゲゲゲの鬼太郎あきれ顔
250.トントンと白き細腕葱を切り

230.風花や白髪頭に消えにけり
233.*************
236.母の日や寅さん習う俺元気
239.蚕豆や小さき尻の皮つるり
242.
黙祷を尋ねる子らの原爆忌
245.梨の数一つ多いと子の叫び
248.茶の花や饅頭こわい午後三時
251.多忙でも焚火に集う小さな輪

28年

252.年賀状嬉しき事の始めかな
255.卒業の軋みし廊下耳に在り
258.木の下に飲めや歌えの四月馬鹿
261.黒塀に赤薔薇咲かす青き空
264.見えぬ蚊の聴力検査寝入り前
267.宵待のハチ公前や人の渦
270.リ傷の言い訳多く体育の日
273.凩や温もり薄る左頬

253.都無くきょうを飛び交う都鳥
256.入学の学ラン長く裾を折り
259.麗らかな阿蘇の草原身震いか
262.奇声あげゲーム三昧走り梅雨
265.心太引いちゃ駄目よと彼女の手
268.宵待のハチ公前や人の渦
271.ちゃぶ台に小さき山の青みか
274.一升瓶コートに隠し友の家

254.如月や今年の誓い薄れ行く
257.店先の目刺し一串酒一升
260.赤提灯灯るを待てぬ短夜か
263.菜園の土の匂いと夏大根
266.解夏なりて古道の草木開かれん
269.珈琲のグラスもカップに肌寒し
272.新海苔や朝飯前に母千切り
275.善福寺水鳥集うパンのミミ

29年

276.飲み過ぎの転失気ありて初笑
279.法蓮草ポパイなりたしアク退治
282.片想い言えずあの子へ勿忘草
285.夏場所や公園砂場子供達
288.

277.破魔矢持つ幼子歩き邪気払う
280.新人と肩たたかれて春の闇
283.飲み明かし説教代わりに蜆汁
286.青嵐野良仕事止め茶をすすり
289.

278.節分や隣りと挨拶お面付け
281.春炬燵行き場失う四畳半
284.嫁入りや菖蒲祭りの潮来舟
287.ドット模様風呂場の壁の黴どもめ
230.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

63.雪解けて泥靴並ぶ軒の下
77.リンゴ持つ幼き手にも力あり
90.ランドセルお守り揺れて風光る
167.石畳時を刻んで巴里祭
241.
黙祷を尋ねる子らの原爆忌

103.鰯雲山を枕に一休み
188.低き空跳べば届くか雨蛙
255.卒業の軋みし廊下耳に在り

69.胸元のつばさ広がる初夏かな
71.道程を銀で一筆蝸牛
213.
口づけを真似る少女に苺かな
266.解夏なりて古道の草木開かれん


17年

4.いたいぞ落ちて廻るぞねの花火
7.里の秋土手で一服コーヒールンバ
10.山眠りしゃくり小僧が神を吐く

5.*************
8.ごんぎつね焚き火ドロンで火事たぬき
11.煩悩がまた一つ増え大晦日

6.鰯の目炙りもだえる烏合たち
9.日向ぼこ白河の舟昼行灯

18年

12.屋根の下駄晴れだったはず三が日
15.別れ際二度鈴鳴らす猫の恋
18.面影と髪断ち裂きてなほ柳
21.相合と傘ひかる路なめくじら
24.落雷と拳固と背中遠くなり
27.終戦日ラムネの中の日本人
30.縁談の父の苦虫柿の顔
33.酉の市待ち人いづころくろ首

13.寒燈に白熊が泣くヨイトマケ
16.ぶらんこの三千回の生死かな
19.のざらしや戦場の首蝶の宿
22.いろはままだるま手のでるころもがへ
25.間男の影が扇子に畳の目
28.にらみ合い秋刀魚一匹はぐれ猫
31.死刑台こほろぎが鳴く靴の中
34.妻が逃げ納豆が床にぽた落ちた

14.西を向くユーラシアの果て春隣
17.あたま山春や賑わう水の音
20.蒼ざめし五月の天馬群れを抜く
23.冷し酒冗句は御法度糸の滝
26.水ようかん星の子散らす豆みっつ
29.月を乗せふたりで歩く銀の道
32.帰り花青い鳥には見へぬ花
35.胸の傷冬日に透かし一度泣く

19年

36.ものぐさも腹の内かな初若菜
39.沈黙の身体うらはら朧月
42.雀の子ジェンカ踊りて飛び去れり
45.紫陽花や天安門に散った花
48.蟻殺し少年の目の瞬かぬ
51.向日葵の囁き逃れ耳落とす
54.流れ星昨夜最期についた嘘
57.全裸なるオマエの心冬支度

37.寒鴉眼の中阿呆の首縊り
40.人妻に口吸いの水鶯や
43.象あくび地球ころげて亀が鳴く
46.丸裸素っ裸より恥ずかしい
49.魚の骨梅干を添へ湯を落とす
52.ゴルゴタの丘に佇む案山子かな
55.*************
58.短日やトロッコ帰りのべそ小僧

38.早春の己を知らぬへその下
41.東風に乗り太平洋とフラダンス
44.厳島往きもかへりも穴子飯
47.青田中モノクロばばぁに色を見る
50.水浴びし隻脚の象はぐれけり
53.しげしげと芋の面見る検死官
56.団栗のポケット一杯家路かな
59.竈猫べろ出て手が出てお足出す

20年

60.丹下左膳高笑いする福笑う
63.受験生敷居を跨ぐ左足
66.真犯人無口にすする蜆汁
69.借りた傘返しにゆくよ桜桃忌
72.父の靴戻りぬ朝の金魚かな
75.むしゃぶりて無花果の毒舌を射る
78.新米や土塊の手にあふれけり
81.虎落笛背中丸めたギター弾き

61.軸のぶれ初恋落とし独楽名人
64.白山の天狗と舞いて笑ひけり
67.*************
70.辣韮に存在理由を問うてみる
73.トマト畑手渡し火照る白い姉
76.登高や甲羅干しする亀井さん
79.秋深しフンをころがす偉い人
82.行き倒れ踏まれ謗られ半嚔

62.仁王門西から東へ隙間風
65.春愁やでんぐり返る欲と肉
68.春昼や円空座して臍を掻く
71.あの子らがみな消へてつた夏木立
74.炎天や原爆投下五分前
77.秋雨やさらば愛しき北の岳
80.七五三しらぬ女と手をつなぐ
83.古暦アナタハココニずっといる

21年

84.坂の下鞠のない子の手鞠唄
87.長閑さやあかい遊女がべろを出す
90.*************
93.*************
96.*************
99.蜩やあんちくしょうをぶん殴る
102.思春期がまた来たみたい草の花
105.凩や唐変木に枝はなし

85.忌の女笑み押殺す寒椿
88.蝌蚪おもふ山椒魚になりけり
91.夏近し最終バスの窓を閉め
94.山小屋に守宮とふたり空に星
97.*************
100.しかられて転んじゃったよ天高し
10.サイレンに振り向けず釣瓶落しかな
106.*************

86.隻眼の鮫にぶち込め父の銛
89.土の中三月の死を踏みしめる
92.半月は鯨の骨の幟かな
95.*************
98.*************
101.たましひの消へてゆく日の紅葉かな
104.鴨たちは考えてない浮かんでる
107.*************

22年

108.初場所や辰巳芸者の揃い踏み
111.薄氷を踏むガリバーの変声期
114.花疲あなたの嘘をまた聞いた
117.黒柳徹子の黙る滝の前
120.無思想の民の血を吸え孑孑や
123.台風来檻のペリカン羽ばたけり
126.貞淑と堅い南瓜は煮崩れる
129.思惟思索十一月に穴を掘る

109.バケツのせたどんにほうきちゃんちゃんこ
112.シャボン玉マルコポーロとジパングへ
115.春燈や空気の底に我しずむ
118.昼顔のまたはじめから石ヲ積む
121.浴衣着のおんなに土下座熱海の夜
124.休暇明けほなサイナラと机文字
127.始発にて長いお別れ鰯雲
130.ユリイカと叫ぶ男の湯ざめかな

110.マスクして愚図の尻蹴る女の目
113.青を踏む赤いパンプスほぼスッピン
116.囮鮎光る女を求めけり
119.天の下牛糞まみれし夏野かな
122.たこ八郎ゴールデン街より海に消ゆ
125.十六夜やジミヘンドリクス轟けり
128.花嫁の父ひとりきりおでん酒
131.行く年や転がる石の音を聞く

23年

132.双六を上がってしまい待ちぼうけ
135.人格と輪郭ゆるむ春の風邪
138.行く春やフラメンコギター掻き鳴らす
141.郭公や母さんはもう戻らない
144.炎天のラヂオ人の名読み上げる
147.ふるさとは銀河の地球の端の方
150.月と雁坊主の山の薄かな
153.*************

133.電車とか止まってしまえ窓の雪
136.生傷のをんな横たふ春の昼
139.春惜しむ上野のカバのさつきちゃん
142.空までも刹那を染めしラベンダー
145.チャオプラヤ影絵となりて夕涼み
148.さっきから見ていたんだね屁ひり虫
151.秋思ふ奇妙な果実ゆらゆらり
154.*************

134.寒の明け河馬10リットルの水を飲む
137.陽炎や埠頭にキリンらしきもの
140.卯の花腐し隣の女にひげのある
143.犬黙る牛黙る村風死せり
146.サングラスのまま他人のままグッバイ
149.一粒で300メートル唐辛子
152.立冬の光の中に猫の山
155.煤掃きてがんこ爺いはちん念に

24年

156.悪夢より覚めし初夢また悪夢
159.春暁の空を連れ出す下弦かな
162.
165.十四座見渡す下界若葉なり
168.豊満の胸に踊るや巴里祭
171.*************
174.*************
177.神の留守蒲団の猫が王となる

157.ペンを置き風呂入ってビール日脚伸ぶ
160.猫小判馬に念仏ウド鈴木
163.
166.うたかたの夏帽子の間にハゲちゃびん
169.*************
172.秋の空吾をみている吾がいる
175.古参兵大脱走のそぞろ寒
178.この国は何守るのだ闇の汁

158.まだ二月首の短きキリンかな
161.水温むホッキョクグマのふて寝かな
164.行く春や基地にとどまる爆撃機
167.豊満の胸に踊るや巴里祭
170.ニッポンのココロ風死ヌマエニ死ス
173.未亡人嘘と微笑み花カンナ
176.オリオンや尖閣竹島ひとまたぎ
179.*************

25年

180.************
183. 白魚や抗う無垢を噛みしめる
186.コビトカバママに寄り添う目借時
189.食べて寝て働いて寝て繭の中
192.斑猫や石は何処まで転がるの
195.夕立を端から端に見下ろせり
198.***********
201.塩鮭や田舎の便り地方版
204..***********

181.大寒や美輪明宏のヨイトマケ
184.************
187.神代のあたたかき骨一人静
190.釣堀や魚眼の空に中央線
193.空蝉やをとこ心の未練かな
196.桐一葉誰がみているもうひとり
199.水澄みて人のこころを受け入れる
202.転居の届けを投函する悴めり
205.引き籠もり腹に抱える寒卵

182.こころざしなんてない吾野が焼ける
185.崩壊の序曲のごとし蜃気楼
188.父ちゃんの帰りはまだか雨蛙
191.夏の山恐るべき父の影を踏む
194.昼寝覚め見下ろす猫の眼(まなこ)かな
197.堕天使のすってんころりん金木犀
200.冬初め始まる人と終わる人
203.餅搗きてヒトに上下餅ヲ伸す
206.利休忌や片手立て膝茶をすする

26年

207.でろでろのバターがトラに凍返る
210.*************
213.*************
216.朝焼けて孤高屹立槍ヶ岳
219.*************
222..*************
225.惑星の自転眺める冬の蝿

208.下萌えて長く途方もない道さ
211
.*************
214.山里のバス停に立つ名は祭り
217.*************
220.*************
223.御嶽の噴煙のもと曼珠沙華
226.未亡人海鼠噛みしめジュッと泣く

209.蜂を捕り針抜き放つ叔父の顔
212.*************
215.熱帯夜四畳半襖のしずる肌
218.*************
221.*************
224.************
227.イママデもさてコレカラも冬眠ス

27年

228.無人機飛ぶ初空の下ヒト生きる
231.菜種梅雨動物園の休園日
234.春塵やジュゴンの海の翁さん
237.
240.風知草旅人くんの風便り
243.稲妻や雲の大地へごあいさつ
246.
*************
249.*************

229.************
232.*************
235.キリンから河馬のまぶたに散るさくら
238.要石鯰逃げたか大震災
241.なでしこやスカートパンツのよしこちゃん
244.生活者西へ東へ無月かな
247.*************
250.*************

230.風花や昔の少女今の君
233.集団的な自衛する空鳥帰る
236.************
239.蚕豆やどうにもならん莢の山
242.*************
245.*************
248.茶の花を知らぬ夕暮れ治子死す
251.明けの星焚火の終まいひとりきり

28年

252.年賀やめ導火線にまた火を放つ
255.悪童のオマエが叫ぶ卒業歌
258.*************
261.愛は花キミはその種子バラの歌
264.朗らかに眠る美人の眉間に蚊
267.解体の進むアパート木槿咲く
267.解体の進むアパート木槿咲く
270.体育の日オリンピックが好きだった

253.白星の関取の髷都鳥
256.入学は闇と絶望男子校
259.うららかや構造線上の地神の火
262..*************
265.恋文の切手に迷ふ心太
268.待宵や書を捨てた君を駅で待つ
271.青蜜柑いつの間にやらあの子がね
274.コートだけ広間の隅に立っている

254.如月や黄身ぷるりりん目玉焼き
257.野の火にて目ん刺しを焼く天を見る
260.短夜や今朝は他人となりにけり
263.懐かしき人を卸すや夏大根
266.モノクロに雲立ちのぼる果ての解夏
269.肌寒やトーテムポールが立っている
272.新海苔や闇を探して6丁目
275.水鳥はいまワーグナーを聴いていた

29年

276.ケンカして転んで泣いて初笑い
279.*************
282.フクシマのその地に咲いた勿忘草
285.夏場所や路地の小僧が待ちぼうけ
288.猫水に氷ひと粒半夏生

277.遺骨手にすれ違ふひと手に破魔矢
280.春の闇ピンクの象がそこにいた
283.嘘をつき蜆の汁の砂を飲む
286.約束を守れず青嵐の中に立つ
289.

278.節分やわたしの内の鬼が泣く
281.ダーウィンやガラパゴスして春炬燵
284.菖蒲の葉ゆがむ病の避雷針
287.永田町赤黴青黴黒い黴
230.

優勝
殊勲賞
敢闘賞
技能賞

69.借りた傘返しにゆくよ桜桃忌
130.ユリイカと叫ぶ男の湯ざめかな
137.陽炎や埠頭にキリンらしきもの
216.朝焼けて孤高屹立槍ヶ岳

43.象あくび地球ころげて亀が鳴く
48.蟻殺し少年の目の瞬かぬ
83.古暦アナタハココニずっといる
91.夏近し最終バスの窓を閉め
152.立冬の光の中に猫の山
161.水温むホッキョクグマのふて寝かな
189.食べて寝て働いて寝て繭の中
288.猫水に氷ひと粒半夏生

27.終戦日ラムネの中の日本人
54.流星に昨夜最後のついた嘘
68.春昼や円空座して臍を掻く
117.黒柳徹子の黙る滝の前
123.台風来檻のペリカン羽ばたけり
128.花嫁の父ひとりきりおでん酒
131.行く年や転がる石の音を聞く
134.寒の明け河馬10リットルの水を飲む
158.まだ二月首の短きキリンかな
190.釣堀や魚眼の空に中央線
278.節分やわたしの内の鬼が泣く

14.西を向くユーラシアの果て春隣
22.いろはままだるま手のでるころもがへ
231.菜種梅雨動物園の休園日
267.解体の進むアパート木槿咲く
278.節分やわたしの内の鬼が泣く


17年


7.漲りてベコが放り出す里の秋
10.諏訪病棟看護婦の背に山眠る


8.藪に溶け焚き火掻き消すブロンソン
11.大年や羊羹の端というところ

6.溜息と共に焼かれるる鰯かな
9.あれやこれ足らぬ世なれど日向ぼこ

18年

12.底辺×高さ÷三が日
15.少年に秘密基地あり猫の恋
18.マドンナの枝垂れ柳か寅次郎
21.小津の無の墓に泪の蛞蝓
24.いかづちや天空の使徒テロリスト
27.無為を為し無事を事して終戦日
30.長き夜や時の過客は冥王星
33.鼻ピアス長き願いの酉の市

13.デカダンへ誘う寒燈地下に地下に
16.ふらここやふぉあぐらきゃびああとなんだ
19.人の世は教わるばかり蝶の旅
22.団欒の止まった時計ころもがえ
25.果報とは千夜一夜の絹扇
28.心地よい風が吹く日に秋刀魚焼く
31.万策も尽きて大の字秋高し
34.老女あり焼鳥焼酎軽き嘘

14.豆腐屋の湯気薄らぎて春隣
17.行く春や飛行機雲のいさぎよく
20.うたたねて空に吸われる五月の子
23.冷酒や枯れ木に花が咲く不思議
26.ムフムフフ主も悪よの水羊羹
29.昼の月若き巡査の大あくび
32.朝も夜もこの世もなごり帰り花
35.冬日向幼く母子の影法師

19年

36.潔癖なほどに独り身若菜買う
39.春一番都大路の放屁かな
42.電線の五線譜小雀四分休符
45.新緑といえば阿佐ヶ谷並木道
48.迷へども蟻の処世を見倣わず
51.向日葵や少年の肌変わりゆく
54.古書店に黄ばむ檸檬のあるは常
57.東京は鉄骨の町窓の菊

37.己が身も閉店セール寒鴉
40.行く先はうぐひすの音を踏むところ
43.煙草吸喫う喪服女に亀鳴けり
46.憮然たる店主しり目のソーダ水
49.肩口に龍睨みおる夜店かな
52.田の案山子名月を見る術もなし
55.月在りて父の口癖ぬしゃ鼈
58.短日のお尻こきこき一輪車

38.一輪の押し花の梅季語辞典
41.真実は腐臭を放つ春の夢
44憚るを知らぬ君等に夏兆す
47.生産を為さぬ男と青田往く
50.巡礼の水浴びる河屍あり
53.思想家や芋の煮っ転がし塗りの箸
56.団栗や本郷菊坂下駄の音
59.参道の灯明聖夜を迎え討つ

20年

60.福笑い目から鱗の落ちるごと
63.母はいま昼寝の盛り受験の子
66.春愁や遮二無二咀嚼す癪の種
69.深呼吸初夏の空気を濾過して屁
72.目眩する時の早さや舞う蛍
75.万歩計机の上の残暑かな
78.新米やいま故郷に在るこころ
81.父さんを見送る傘や寒稽古

61.ふと開く虚子の季寄せや女正月
64.啼いて鴉飛んで鴉の日永かな
67.饒舌な大人の遠足艶話
70.シャケ弁のラッキョ温まる不興かな
73.野のトマトほふばる先の夕陽かな
76.猫じゃらし家でした娘の帰るころ
79.銀杏やびょくびんぼう泣き処
82.仰ぎ見ればダビデのフグリくっさめくっさめ

62.密告の首尾におののけ隙間風
65.春愁や遮二無二咀嚼す癪の種
68.心音に触れて春昼指の反り
71.変化する花の恋草かたつむり
74.炎天に焼きつけられて逆さ富士
77.林檎剥き母の気をひく子でありし
80.ジャパーンいい國だったねたぬき汁
83.イヴ前夜破り捨てます古暦

21年

84.介護士の鈍り懐かし手鞠唄
87.お若いと言われ長閑な日となれり
90.神童は雀隠れと成人す
93.弔辞読む下策役者に薄暑くる
96.石鹸の縮む早さや河童の忌
99.水底に踊り疲れて眠る村
102.赤とんぼつかれたのならやすみなさい
105.小春日や時の早さに目眩する

85.落陽や越後獅子舞う日本海
88.遺伝子は満々として蝌蚪の水
91.深淵がぬぅと顔出す春霞
94.残照や割り箸の墓どくだみ草
97.末世へと登り行く仁王の名の山
100.新蕎麦に歯の衰えを教えられ
103.長々の無所属の時秋刀魚焼く
106.ゆどうふやおいでくださいこんな夜は

86.夜の海満ちて恋鮫ッ噛み合ふや
89.三月や我が輩も今ノラやノラ
92.藤棚の下で目覚めしエロスかな
95.平安を乞ふる平成業平忌
98.ウィンドウのマネキン灼かれおり裸」
101.読点の如きおむすび紅葉狩り
104.カリオンの音で冬知る有楽町
107.喪の報せ傍(かた)へに置きて日向ぼこ

22年

108.妻の字の毒の薫りの屠蘇の酔
111.いまさらの懺悔おろおろうすごほり
114.ひとり居の具体のほどや花疲れ
117.修験僧蛇滝琵琶滝小天狗も
120.ぼうふらやひがないちにちやりすごす
123.石を持て追わるる里や颱風禍
126.唐茄子や戦争知らない子らの今
129.日を紡ぐ十一月の楽天家

109.民宿の一家総出のちゃんちゃんこ
112.石鹸玉思いを遂げて弾けおり
115.春燈や猛る黒猫睥睨す
118.興ざめしごとく昼顔萎れおり
121.ひとり湯のひとり着ている浴衣かな
124.休暇明杉並区役所大欠伸
127.片瀬海鎌倉大仏鰯雲
130.またひとつ火種かかえしゆざめかな

110.独酌や我にもひそと春来るか
113.青踏や遊びし友の死をいかり
116.年金や鮎の塩焼き徳利酒
119.ハイウェイ無惨や夏野ぶった切る
122.蛸干せばそこに風来る人の知恵
125.遠く聞く妻の繰り言十六夜
128.その生にそっと寄りそうおでん哉
131.行く年や万引き婆ぁ解き放す

23年

132.煮え切らぬ父の抽出し絵双六
135.落ちる日や畳の底から春の風邪
138.生きてきた分量分の桜散れ
141.あいさつのながきおかみや閑古鳥
144.極東のみな遠き眼や夏の蝶
147.老楽は銀河に轟沈することや
150.枯れ芒非国民とは昭和の話
153.手袋の穴年の垢零れ居り

133.しかたなかべやるしかなかべゆきおろし
136.一滴の雫に映る春の地震(ない)
139.ソニー・ロリンズ引退撤回山笑う
142.詠む人もなき歳時記やラベンダー
145.涼しさや女やもめの片えくぼ
148.にがにがし猫の手柄か屁ひり虫
151.匂い立つ太地喜和子よあゝ秋思
154.凍蝶や着ることもなし江戸小紋

134.暖々の陽はまんまろの寒のあけ
137.陽炎や古き映画に重なりて
140.明日という別の日もあり卯の花くだし
143.けったいな鼾引き連れ夏来たり
139.唐辛子赤い耳には訳がある
149.唐辛子赤い耳には訳がある
152.冬来たるそうだハムかつ買いにいこ
155.煤払い埃も我が家の歴史なり

24年

156.初夢や独り聞いてる除夜の鐘
159.疼く夜は独活の文字さえひりひりす
162.
165.新宿の路地に厳しき若葉寒
171.送り火や母の形見のフライパン
174.教壇で擦り切れてゆく夜学の師
177.盗人に三分の理とや神の留守

157.公演のクラリオネット日脚伸ぶ
160.ナベ横の八代食堂水温む
163.
166.岬より見えし城(グスク)や夏帽子
172.手品師の鳩逐電す秋の空
175.独り言独りで聞いてそぞろ寒
178.悪態も残る楽しさ闇汁会

158.隣り合う万年床の二月かな
161.ナベ横の八代食堂水温し
164.ぽん友を道連れにして春が行く
167.独り居に冷凍魚いて梅雨籠もり
173.脱藩を目論む龍馬カンナ燃ゆ
176.星好きな父の背中やオリオン座
179.和を消してやがて悲しき炬燵かな

25年

180.参道の夜店ひやかす嫁が君
183.白魚や目には目をだねあにさきす
186.拗ね者の身にも蛙の目借時
189.繭に似し腕白坊主の不貞寝かな
192.おい此奴人の道までをしへるか
195.恍惚や大夕立のまっ只中
198.病む夜は別の日に来い鉦たゝき
201.新巻は睨んで凄んで吊されて
204.生命線しかとなぞりて去年今年

181.大寒や孤独は薬じゃ治らない
184.春の雪睨んでご覧にいれましょう
187.其れ其れが一人静か澄ましおり
190.釣堀やよすがを覗く水面かな
193.かせかせとなる空蝉のかるさかな
196.桐一葉男端座し煙草吸う
199.
池之端水澄む底に昼の月
202.悴んだ児の手母の手重なりて
205.還暦の青年団員寒たまご

182.天と地が承知している野焼きかな
185.海を抱く女儚き蜃気楼
188.あまがゑる入り日染めつつ沈みつつ
191.ひと夏を山に籠もりて位牌撒く
194.泣くでなく笑うでもなく昼寝醒む
197.木犀に青春の尻尾切られおり
200.よく笑う婆姦しく日向ぼこ
203.餅搗きやガミガミ女とスーダラ男
206.利休の忌昨日は今日の昔なり

26年

207.凍て返す新宿二丁目薄化粧
210.花衣ぬいで日の出湯富士の山
213.仏檀は我が家の結界苺の香
216.朝焼けや地獄は只今無人です
219.走馬燈三度呟きと胸突く
222.敗荷の池に飛び込む唐十郎
225.仔猫いて運も尽きたる冬の蠅

208.下萌えて無精髭の友咆哮す
211.惜春やディラン・ストーンズ古来稀
214.祭ばやし背に聞く人とすれ違ふ
217.夕端居棲み分けらるる我が家かな
220.月の雨静かに眠る観覧車
223.二丁目のど真ん中で咲く曼珠沙華
226.凶凶し海の鼠を喰らうとや

209.浮島の花ほっこりとくまん蜂
212.緋牡丹や裸のメロスは赤面す
215.熱帯夜投句悶絶締切日
218.父ちゃんと半分こしたアイスクリン
221.獺祭忌物臭太郎まだ寝てる
224.尻を振り鴨の行列街に入る
227.冬眠の熊夢にまた頷いて

27年

228.初空や風船おじさん消えちゃった
231.来客の靴のでかさよ菜種梅雨
234.西行も土に帰へりし春の塵
237.
240.風知草風の噂の風来坊
243.稲妻を逃れ裏町蛇骨の湯
246鯊釣りの腰が泳いだゴカイかな
249.健さぁん大向こうの声片時雨

229.蝋梅や湯島坂町摩天楼
222.春眠や故郷に走る深夜バス
235.二の腕にお前命の落花かな
238.鯰の子湖面の月を奪いおり
241.絵手紙に前略はなくて撫子
244被災地と言うところ亦無月かな
247.夜空行く自転車を見たハローウィン
250.鴨が葱背負って宿坊善光寺

230.風花や山から機車が駈け降りる
233.鳥帰るいいことあるさきっとまた
236.母の日のへのへのもへじ白い花
239.蒼豆の三粒ほどの脳足りん
242.シャッター街消えて人影原爆忌
245.梨噛めば過ぎし来し方と胸突く
248.煎餅屋の婆さんほっこりお茶の花
251.目の玉が乾ききってる焚き火かな

28年

252.上物をさげて友来る年賀かな
255.卒業や小芋親芋みな笑顔
258.大見得を切り損なって四月馬鹿
261.白薔薇や空に吸われし象花子
264.夜の蚊の食い扶持となれ美男美女
267.戸籍課の受付嬢や白木槿
270.真っ直ぐな眼差しを見し体育の日
273.木枯らしや母の繰り言風の音

253.都鳥隅田の橋をご案内
256.不揃いの林檎畑や入学児
259.沖縄の麗らかな空戦闘機
262.移り気に途方に暮れし走り梅雨
265.来し方は過去形にあり心太
268.小望月見上ぐる龍馬の喉仏
271.青みかん一房分の羞恥かな
274.外套や露人プーチン生たまご

254.如月のわりなき想いチョコレート
257.愛猫は未だ帰らぬ目刺しかな
260.川の字や爺婆孫の短夜かな
263.夏大根独り膝抱きひとつ老ふ
266.漂泊の解夏なき涯や円空仏
269.肌寒や酒場の隅の絵空事
272.新海苔や在りし日のことまざまざと
275.羽田沖みな空を見る浮寝鳥

29年

276.横綱を倒し堪えてる初笑い
279.菠薐草読めず頼めず酒二合
282勿忘草.遠い目をして生きてます
285.懸賞の数にざわめく五月場所
288.風入れる無住の家や半夏生

277.傘立てに居残っている破魔矢かな
280.友が否消えたのは僕春の闇
283..昨日今日明日明後日蜆汁
286.枕辺のコップの中の青嵐
289

278.オソロシやもっとも爺の節分会
281.死んだ振り飽きてきました春炬燵
284.紫外線浴びて艶めく花菖蒲
287.気になりし黴が手柄のNIKON F
230.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

10.諏訪病棟看護婦の背に山眠る
14.豆腐屋の湯気薄らぎて春隣
31.万策も尽きて大の字秋高し
33.鼻ピアス長き願いの酉の市
34.老女あり焼鳥焼酎軽き嘘
43.煙草吸喫う喪服女に亀鳴けり
49.肩口に龍睨みおる夜店かな
56.団栗や本郷菊坂下駄の音
171.送り火や母の形見のフライパン
172.手品師の鳩逐電す秋の空
277.傘立てに居残っている破魔矢かな

11.大年や羊羹の端というところ
15.少年に秘密基地あり猫の恋
29.昼の月若き巡査の大あくび
61.ふと開く虚子の季寄せや女正月
107.喪の報せ傍(かた)へに置きて日向ぼこ
141.あいさつのながきおかみや閑古鳥
199.
池之端水澄む底に昼の月
263.夏大根独り膝抱きひとつ老ふ
270.真っ直ぐな眼差しを見し体育の日

23.冷酒や枯れ木に花が咲く不思議
39.春一番都大路の放屁かな
47.生産を為さぬ男と青田往く
50.巡礼の水浴びる河屍あり
51.向日葵や少年の肌変わりゆく
78.新米やいま故郷に在るこころ
130.またひとつ火種かかえしゆざめかな
145.涼しさや女やもめの片えくぼ
154.凍蝶や着ることもなし江戸小紋
166.岬より見えし城(グスク)や夏帽子
175.独り言独りで聞いてそぞろ寒
186.拗ね者の身にも蛙の目借時
195.恍惚や大夕立のまっ只中
205.還暦の青年団員寒たまご
227.冬眠の熊夢にまた頷いて
256.不揃いの林檎畑や入学児
257.愛猫は未だ帰らぬ目刺しかな
261.白薔薇や空に吸われし象花子
268.小望月見上ぐる龍馬の喉仏
270.真っ直ぐな眼差しを見し体育の日
271.青みかん一房分の羞恥かな
279.
菠薐草読めず頼めず酒二合
283..昨日今日明日明後日蜆汁
287.気になりし黴が手柄のNIKON F
288.風入れる無住の家や半夏生


17年

7.里の秋酒と写真と友ひとり
10.*************

8.保育園焚き火をぐるり重なる手
11.特急の臭いを連れて大晦日

9.河川敷謡三番日向ぼこ

18年

12.白い息丹沢出ずる三が日
15.火葬場の煙り上がるもうかれ猫
18.逢魔時柳に潜む気配かな
21.岩穿つ時の刻みよなめくぢら
24.鉢二つしまい忘れて稲光
27.宿題の朝顔一輪咲きにけり
30.青空に沁みこむ無常木守柿
33.あたたかな落葉の山に埋もれけり

13.旅立ちの車窓に浮かぶ冬灯かな
16.ブランコハギーコラユララタイムマシン
19.一頭も採らず仕舞いのしじみ蝶
22.山の色ひと雨ごとの更衣
25.延長戦骨となりける扇かな
28.スタートの影ゴールへと運動会
31.彫り深き電線の影秋高し
34.宮様も納豆まぜて朝餉かな

14.声おどる電話口から春隣
17.モトクロス黄色き風の春駆ける
20.草の原軽き五月の風に酔う
23.日の高き銭湯帰りの冷し酒
26.ちりりんと祖母の待つ家水羊羹
29.コスモスの廃線跡や人の声
32.冬海の海藻むしる婆と婆
35.冬の日やうつらうつらの風見鶏

19年

36.春秋を死期からかぞえ注連飾
39.居残りの寒さ蹴散らし春一番
42.宙を這うつっかえ棒の老桜
45.緑さす弓道場の鳥の声
48.軒下にアマゾン見えし蟻の穴
51.鉄風鈴少し離れてひざ枕
54.流星の願い聞かざる速さかな
57.シリウスや空の真中へ冬支度

37.瞑想は梢に構え寒鴉
40.橋高く沢や初音の澄みわたる
43.漆黒の亀鳴く声を疑わず
46.裸子や男披露の橋に立つ
49.めん鶏にならぬ夜店のひよこかな
52.在りし日を振り返らざる案山子かな
55.日は西に答え待ちつつ月天心
58.ひだまりのはじける声や干蒲団

38.早春の光川面を跳ねにけむ
41.アルバムを巡る旅路や春の夢
44.一歳の光る産毛に夏きざす
47.荒梅雨や笑顔みやげに客来たる
50.ただひとつ打たれる果実西瓜割り
53.山川に沁みる甚句や花相撲
56.団栗の四方にばっとなりにけり
59.炊煙や火伏の主の竈猫

20年

60.そこかしこ日向織りなす福寿草
63.雪どけのそろりそろりと通学路
66.砂抜きの無言の叫び蜆貝
69.初夏や私のペースで歩きます
72.蛍狩宙を歩いているような
75.午後三時残暑が戦車でやってくる
78.いい人も悪い奴らも今年米
81.虎落笛ちんちん電車の仁王立ち

61.つぎつぎと独楽の波紋のひろがりぬ
64.秘境駅こだまと遊ぶ日永かな
67.遠足やついてくるくる影法師
70.哀愁のなみだ姿の辣韮かな
73.湧水のたらいを泳ぐトマトかな
76.猫じゃらしポストに差して帰ります
79.青空のへそをつんつん秋深し
82.逆光のヘッドライトに雪女

62.築百年大手をふって隙間風
65.春愁や真白き空の月曜日
68.春昼や踏切り渡る親子牛
71.山頂の航跡静か夏木立
74.ビヤホールピルゼンならばオルゴール
77.はじまりは林檎の芯の彼方か
80.待ち疲れ水飴になる七五三
83.頑張ってきたじゃないか古暦

21年

84.てん手鞠一番星がもう見えて
87.長閑さや船頭一人客ひとり
90.どの子らもはだしの雀隠れかな
93.薄暑めくくるぶし程の川遊び
96.噴水に飛び込む子らに大志あり
99.かなかなと緩やかな坂下ろかな
102.道なりの空はまっすぐ草の花
105.白鳥の飛び立つ遊びけんけんぱ

85.寒椿今際のきわのありがとう
88.ピリオドが初めにありき蝌蚪の池
91.狩野派の霞む都の人となる
94.どくだみや黒塀越しの白十字
97.触れられて触れてぽっと百日紅
100.牛乳の二本並んで台風過
103.睨まれし仁王の口へ唐辛子
106.白鳥の飛び立つ遊びけんけんぱ

86.終わりなき身内自慢に鱶放つ
89.三月の鉄橋渡るいざ東京
92.鯉のぼり西の空には爆撃機
95.茎なくば味わい哀しさくらんぼう
98.涼しさや直角交わる黄鉄鉱
101.一枚の紅葉の語るエアメール
104.白障子静かに本音誘いけり
107.暖冬のふくらむ空や飛行船

22年

108.御降りや白きしじまとなりにける
111.薄氷や季節の終点折り返す
114.酒上々人に戯れ花疲れ
117.青空や滝を掬ってごくごくと
120.ぼうふらの天動説や手水鉢
123.田畑は台風一過の泥の舌
126.道草は南瓜のつるのあみだくじ
129.陽の注ぐ廊下の椅子や十一月

109.鮟鱇の口の彼方に大落暉
112.オーロラの静かに動く石鹸玉
115.窓越しの柔らかな影春燈
118.昼顔の開く広っぱ昼ご飯
121.糊香る四角四面の浴衣かな
124.押し花の色落ち着いて休暇果つ
127.鰯雲ドヴォルザークの流れをり
130.かたかたとマリオネットの湯ざめかな

110.かんじきや便り届けてくれる人
113.二拍子の光燦々青き踏む
116.一筋の川の記憶や鮎の地図
119.雲すすす夏野のへりをすべりけり
122.海底の千手観音蛸踊り
125.十六夜や東京湾の真上より
128.帰路急ぐおでんおでんと決めにけり
131.まな板の包丁の跡年流る

23年

132.注文の多い双六服を脱ぐ
135.春の風邪大きな嘘をついた後
138.花筏一寸法師とすれ違う
141.木道や郭公の声惜しみつつ
144.炎昼や貨物列車は長々と
147.炭酸の一杯ごとの銀河かな
150.天心の薄の影絵始まりぬ
153.バスを待つミトンの刺繍ひよこぐみ

133.一周忌空より溢る雪の花
136.単線のにぎやかな声水温む
139.胸を貸す鉄砲柱にチューリップ
142.ラベンダー妻には向かぬ色香かな
145.他愛無き一日の事縁涼み
148.最期まで泣いて笑ってへこき虫
151.終電の東京スポーツ秋愁ひ
154.凍蝶は北の星座となりにけり

134.紺碧へ伸びる鉄骨寒明くる
137.花筏一寸法師とすれ違う
140.卯の花腐し山また山の棚田かな
143.てんと虫バックネットの夕日かな
146.潮騒の香り久しきサングラス
149.道ならぬ激情たわわ鷹の爪
152.人待ちの回転木馬冬に入る
155.全開の青空深し煤払

24年

156.頬つたう涙はうつつ初枕
159.春暁の行商の声響きをり
162.
165.舟を漕ぐ午後の授業や若葉風
168.巴里祭トリコロールの歓喜かな
171.川沿いの回す送り火幾重にも
174.口ごもる過去もありけり夜学生
177.大部屋の雑魚寝となりし神の旅

157.北窓の活版工場日脚伸ぶ
160.山独活や母のハガキを読み返す
163.
166.スケッチは透明水彩夏帽子
169.蝉時雨つもる話の七日間
172.道草の花占いや秋の空
175.そぞろ寒酒の銘柄変えにけり
178.闇鍋や見合い写真を開く時

158.気研ぐ二月の夜の青さかな
161.水温むごはん粒は池の中
164.行く春の段々畑の海臨む
167.車両庫の機関車まるく梅雨籠
170.物音や丑三つ時の風死せり
173.退院はいつの日の事カンナ咲く
176.オリオンの光を注ぎウォッカかな
179.ほろ酔いの小さな炬燵薄化粧

25年

180.嫁が君トムという猫私にも
183.川を汲み白魚呑んで酒を飲む
186.古文読む教師の声や目借時
189.ビッグバン青き繭の生まれけり
192.背の星はどこへ導く道をしえ
195.階段を怒濤のごとく大夕立
198.鉦叩天井裏の子守唄
201.塩鮭やニュース相手に啖呵きる
204.去年今年三角四角丸くなる

181.大寒の牛舎の白き息息息
184.雪やうっすら見える悪だくみ
187.Y字路や一人静の道案内
190.釣堀や後ろめたさが腰おろす
193.御神木空蝉の爪のむず痒し
196.リヤカーはいまだ現役桐一葉
199.真つ青な空落ちてきた水澄めり
202.托鉢のただじっとして悴めり
205.橙の朝日いただく寒卵

182.富士山のお灸のごとき野焼きかな
185.満帆の北前船や蜃気楼
188.アカペラの続く家路や雨蛙
191.砂金採り鉄橋越しの夏の山
194.長唄の稽古聞きつつ午睡かな
197.嫁ぐ日やいつもの路地の金木犀
199.座敷へと連なる影や干大根
203.餅搗の日向のままごと遊びかな
206.利休忌の紺毛氈の長さかな

26年

207.日直の朝の教室凍返る
210.おくれ毛をかき上げる指花衣

210.
.歴代の応援団長いちご好き
216.朝焼けの風のぬるさや跨線橋
219.うつし世に姿見せてよ走馬灯
222.こきこきと音重なりし破れ蓮
225.冬の蠅じっと見ているテレビ欄

208.草青む紙飛行機の白さかな
211.
惜春や三輪車から二輪車に
214.酒臭き暴れ太鼓や夏祭
217.石段に己が下駄のみ夕端居
220.落語背に雨月の窓を眺めけり
223.最後まで手を振る人や曼珠沙華
226.転生の行き着く先や黒海鼠

209.こより追う消防団や雀蜂
212.散るまでのどこをとっても牡丹かな
215.熱帯夜河童の淵の波紋かな
218.黒々とうねるいらかやかき氷
221.獺祭忌昔のままのおもちゃ箱
224.
鴨一羽逆さ富士を泳ぎをり
227.冬眠の洞は宇宙となりにけり

27年

228.初御空ゆっくり分け入る観覧車
231.名画座の若きタフガイ菜種梅雨
234.馬喰の頬被りや春埃
237.
240.駅長の花あしらひや風知草
243.包丁に映る稲妻鬼婆
246.突堤や目盛りのごとき鯊の竿
249.遮断機はいまだ上がらず片時雨

229.蝋梅の花一輪や黒織部
232.春眠し優先席の狸かな
235.盃に落花の遊ぶ夜宴かな
238.悩み事笑顔でさとす大鯰
241.闇夜から白撫子に呼ばれけり
244.触れる指無月の道を遠回り
247.ハロウインのゾンビの群れや月眠る
250.黒焦げの葱の甘さや高清水

230.風花や空の鱗の日の光
233.古墳より臨む寺町鳥帰る
236.母の日の三面鏡を磨きをり
239.
蚕豆のおかめひよつとこうりふたつ
242.水平の無音の市街原爆忌
245.梨むしやり赤いルージュの濡れにけり
248.茶の花や饅頭こわい午後三時
251.断捨離の手紙重たき焚火かな

28年

252.真っすぐに上がる煙や賀詞交わす
255.卒業やたった一人の送辞聞く
258.狙われた蛭子能収四月馬鹿
261.先生の机にいつも薔薇一輪
264.血吸い蚊のワイングラスに止まりける
267.子らの待つケンタツキーや小望月
270.つま先に届かぬネイル体育の日
273.じよんがらは凩の中ギリヤーク

253.大漁の旗のにぎわい都鳥
256.きらきらの声のスキツプ入学児
259.うららかや谷津田の空のにぎり飯
262.見つからぬ万年筆や走り梅雨
265.ところてん真白き雲とすすりけり
268.子らの待つケンタツキーや小望月
271.鈍行やひざ付き合わせ青みかん
274.競馬場彷徨う風や古コート

254.快晴のハローワークや雪解月
257.鯛ひらめ負けぬ目刺の矜持かな
260.短夜のただただ写真眺めをり
263.久々の友の一言夏大根
266.人混みのほどけゆくてふ解夏の浜
269.肌寒し宅配便は実家から
272.
新海苔のぱりぱりぱりぱりぱり
275.原っぱは水底深く浮寝鳥

29年

276.フランス語津軽訛りの初笑
279.菠薐草食わずば食えぬ夕餉かな
282.もの言わぬ雄弁もあり勿忘草
285.夏場所やまわしの音の力こぶ
288.せせらぎの光の乱舞半夏生

277.破魔矢置く居間の気配の鎮まりぬ
280.ラビリンスジヤングルジムは春の闇
283.塀の中しみじみ啜る蜆汁
286.手招きの樹海の木々や青嵐
289.

278.境内の重なる声や福は内
281.抜けられぬたばこと本と春炬燵
284.雨上がる陽のひとしずく花菖蒲
287.黴臭きランボオ現る星一つ
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

73.湧水のたらいを泳ぐトマトかな
87.長閑さや船頭一人客ひとり
99.かなかなと緩やかな坂下ろかな
109.鮟鱇の口の彼方に大落暉
116.一筋の川の記憶や鮎の地図
119.雲すすす夏野のへりをすべりけり
129.陽の注ぐ廊下の椅子や十一月
138.花筏一寸法師とすれ違う
147.炭酸の一杯ごとの銀河かな
158.気研ぐ二月の夜の青さかな
160.山独活や母のハガキを読み返す
181.大寒の牛舎の白き息息息
185.満帆の北前船や蜃気楼
199.座敷へと連なる影や干大根
225.冬の蠅じっと見ているテレビ欄
227.冬眠の洞は宇宙となりにけり

18.逢魔時柳に潜む気配かな
23.日の高き銭湯帰りの冷し酒
24.鉢二つしまい忘れて稲光
32.冬海の海藻むしる婆と婆
49.めん鶏にならぬ夜店のひよこかな
53.山川に沁みる甚句や花相撲
89.三月の鉄橋渡るいざ東京
121.糊香る四角四面の浴衣かな
131.まな板の包丁の跡年流る
134.紺碧へ伸びる鉄骨寒明くる
137.花筏一寸法師とすれ違う
144.炎昼や貨物列車は長々と
145.他愛無き一日の事縁涼み
216.朝焼けの風のぬるさや跨線橋
236.母の日の三面鏡を磨きをり
249.遮断機はいまだ上がらず片時雨
253.大漁の旗のにぎわい都鳥

22.山の色ひと雨ごとの更衣
26.ちりりんと祖母の待つ家水羊羹
38.早春の光川面を跳ねにけむ
57.シリウスや空の真中へ冬支度
93.薄暑めくくるぶし程の川遊び
100.牛乳の二本並んで台風過
103.睨まれし仁王の口へ唐辛子
135.春の風邪大きな嘘をついた後
142.ラベンダー妻には向かぬ色香かな
167..車両庫の機関車まるく梅雨籠
197.嫁ぐ日やいつもの路地の金木犀
210.
惜春や三輪車から二輪車に
218.黒々とうねるいらかやかき氷
224.
鴨一羽逆さ富士を泳ぎをり
228.初御空ゆっくり分け入る観覧車
229.蝋梅の花一輪や黒織部
239.蚕豆のおかめひよつとこうりふたつ
241.水平の無音の市街原爆忌
262.見つからぬ万年筆や走り梅雨
263.久々の友の一言夏大根


18年


15.猫の恋ピアノの中を踊りけり
18.糸柳衣あらたに舞にけり
21.流し目を残し葉裏へなめくじり
24.這い松と添い寝し濡るる激雷雨
27. 朝顔や青春の青脆き青
30.古屋敷渋とく落ちぬ熟し柿
33.子守唄幾たび聴きて落葉かな


16.夕餉どき風ぶらんこの絵本撫で
19.逆光に舞ふや道行き蝶二匹
22.富士仰ぐ嫗の笑みや更衣
25.談志さえ扇子を前にお辞儀せり
28.しみじみと百年喰らふ秋刀魚かな
31.秋高し棒高跳びの足の裏
34.焼鳥や通り行き交ふ隠し味

14.春近し雀ら黙と採餌せり
17.小三治の口調の張りに春一つ
20.剣崎波涛の果ての五月かな
23.昼一人冷酒に映るあやにしき
26.和してなほ座敷に一つ水羊羹
29.残月や忘れし恋のあぶり出し
32.浦島の如き夢見し帰り花
35.老松の腰抱きたる冬日かな

19年

36.朝日浴び若菜色艶増しにけり
39.朧夜のジンに溶け入るコルトレーン
42.宴おほふ桜しらじら寝ひりけり
45.新緑やただ静謐の古代杉
48.蟻の列ときに見合ってレッツキス
51.風鈴の旧家更地になりにけり
54.スケッチのレモン一隅照らしたり
57.やせ枝に卵塊白く冬支度

37.恵方道探しあぐねて神頼み
40.尾根の風舞い連れ初音まず一献
43.鶴まねて首高く立て亀鳴けり
46.湯けむりのヴェールありての裸身かな
49.壺底の梅干しじわり不死孕む
52.厭離穢土酒深き身に蚯蚓鳴く
55.新蕎麦や杯干してなほ老棟梁
58.暮早し赤提灯の一つ見ゆ

38.白梅やゴッホ魅倒す誇りかな
41.ひたぶるに競ふ駿馬や春の夢
44.夏めくやうなじの白き軽やかさ
47.寅さんの雪駄去りゆく青田道
50.はやす声迷ひて一歩西瓜割り
53.芋喰えば芋喰わぬ犬笑ひ
56.団栗の軒打つ音や童唄
59.八百萬の神々起こす聖夜かな

20年

60.地の球の内より笑顔福寿草
63.雪解けて白玉一つ苔に入る
66.宍道湖の入り日一会の蜆かな
69.をみなごの笑み誘ひて初夏の風
72.嵯峨野暮れ光は見しや老ひ蛍
75.いちじくの秘めし花心や石地蔵
78.新米は斯く炊くべしと古女房
81.落武者に六甲おろしや虎落笛

61.無我なれば独楽ぞ銀河ぞ回りけり
64.永き日や妻呼ぶもなほ土遊び
67.囀りのフーガ街路樹舞台なり
70.新らっきょう桃屋の瓶は棚の奥
73.ベネチアの市場トマトの山踊る
76.サグラダの高きに登り時を観る
79.秋深し殉難の碑を老婦撫で
82.耐へに耐へ月光仮面が嚔かな

62.天と地の隙間風なりジェット気流
65.業平も独り手酌の春愁ひ
68.春昼や乳房を吸いし児となりぬ
71.横笛を習ふ児ひとり夏木立
74.蒼天の槍仰ぎ見てビールなり
77.秋雨の明くるも晴れぬ秋津島
80.永田町占拠しておる狸かな
83.昼酒の甘さ辛さや古暦

21年

84.初湯してまた盃重ね歳重ね
87.頑なにただ頑なに蕗の薹
90.風光る犬吠埼に潮香満つ
93.ほの黒き休耕田の薄暑かな
96.闇兆す噴水はたと止みにけり
99.雨上がりかなかなそっとなき始め
102. いつの日かまたにらめっこ赤とんぼ
105.白鳥よ我が人類は踊りけり

85.みなしごが背を向けている寒椿
88.球追ひし子らに舞ひ入る春の雪
91.夏近し空と海パステルで画く
94.戸袋にバッハを聴きし家守居り
97.この一歩一歩一歩の登山路
100.真っ青な空仰ぎみる秋彼岸
103.千年のときをおもひて十三夜
106.白鳥よ我が人類は踊りけり

86.深海に碧き鐘あり鮫そを打つ
89.三月の雨に移ろふ古木かな
92.暮れてなほゆれる想ひや藤あかり
95.あと二つ一つは君のさくらんぼ
98.見納めの歌舞伎座出でて灼くる街
101.富士迫る山路に座して初紅葉
104.小春日や老ひし二人の青き空
107.裏通りバンドネオンや年の暮

22年

108.初明り雀らの影飛び去りぬ
111.ひとひらのうすらい揺れし午後の湖
114.花疲れ座布団まくら暮れて雨
117.滝しぶき岩掴む我が手を打ちぬ
120.ぼうふらやスカイツリーを見上ぐ顔
123.台風に塗り込められし小屋の朝
126.大南瓜大空大地に育まれ
129.雑木林十一月の衣がえ

109.鮟鱇が形見の品ぞ鍋と肝
112.しゃぼん玉追われて追ひて青き空
115.峠越え春の灯ひとつ二つ三つ
118.昼顔や朽ちゆく塀に薄化粧
121.初浴衣馴染み暮れゆく池之端
124.休暇明け猫ゆったりと背伸びして
127.八才の初恋ありきいわし雲
130.フラメンコ止みて湯ざめに気が付けり

110.冬の梅そっと家路に灯りけり
113.青き踏む秩父連山塩むすび
116.鮎の香や巡りし時をただ惜しみ
119. 若駿馬駆け戯れり夏野原
122.浜棚に干されし蛸や波踊る
125.十六夜やダークマターに恋をして
128.山海の恵み煮えゆくおでんかな
131.年逝きて蒲田熱海の汗と夢

23年

132.双六やカサブランカに時は過ぎ
135.はしゃぐ声ガラス戸越しに春の風邪
138.春深しひとり聴く津軽じょんがら
141.郭公や八つ峰越へて越へてまた
144.初蝉や木陰に座して友と酌む
147.天の川日高の峰を舞ひ流れ
150.ゆらぐ穂の富士より高き尾花かな
153.手袋に秘めし恋あり老婦人

133.暮れて雪ひとひら君が襟に入り
136.春の雪ただまったりと海に消え
139.紺碧に舞ふや一瞬初燕
142.ラベンダー大雪山の碧き空
145.渓流を臨む秘湯の夕涼
148.じっと手を見るときありや放屁虫
151.雑踏に老爺佇む秋思かな
154.凍蝶や君ぞ小町の涙知る

134.寒明やむすめ太鼓のみだれ打ち
137.春深しひとり聴く津軽じょんがら
140.ざる蕎麦の海苔ふるへけり卯の花腐し
143.浅草の雨に蕉碑やねぶの花
146.路地裏の修司の笑みやサングラス
149.祖母の愚痴夕陽にじっと唐辛子
152.道端の石白々と冬に入る
155.煤払ふ音雪崩れたり本願寺

24年

156.初夢に富士現れず富士見坂
159.春暁やアンドロメダで恋に落ち
162.
165.万感をゆさぶる如く山若葉
168.血と汗が花売りに化け巴里祭
171.送り火や大海原を廻りなむ
174.寅さんも一度は見たか夜学の灯
177.神の留守にぎわいやまぬ天満宮

157.日脚伸ぶ家路に迷ふ足の向き
160.独活の香や老ひゆく母へ捧げたし
163.
166.相撲取り麦わら帽の軽やかさ
169.蝉一声誰に届くや月の山
172.秋天に銀翼一点光けり
175.青春をふと思い出しそぞろ寒
178.闇汁や喰道楽の友しずか

158.とき二月若きダンサー凛とたつ
161.卆寿過ぐ母が手料理水温む
164.行く春の雲乱れたり筑波山
167.梅雨籠り読むや読まずや「ユリシーズ」
170.風死すやブラックホールに座禅せむ
173.廃屋の庭に一つの紅カンナ
176.オリオンや羆は眠る奥日高
179.炬燵して小津の世界に浸りけり

25年

180.嫁が君思わず嫁が初悲鳴
183.白魚や雨たそがれて薄化粧
186.手には本座して揺られて目借時
189.繭一つ千年の夜を紡ぎけり
192.斑猫の導き深しはしご酒
195.富士が下天の恵みの白雨かな
198.庭隅の闇から天へ鉦叩
201.新巻やわが身に秘めし赤き塩
204.去年今年暁天の色移ろひて

181.大寒や紺碧の空へイマジン
184.淡雪や歩む二人の肩に溶け
187.群れてなほ一人静や秘めて揺れ
190.釣り堀やワイキキビーチの昼下がり
193.空蝉や恋と命の幕開き
196.一葉落つ本郷菊坂暮れなずみ
199.水澄むや月山に一滴の音
202.彗星の旅路の果てや悴みぬ

182. 野焼して黒野に青の光あり
185.伊賀甲賀頭を垂れし蜃気楼
188.雨の日も晴れの日もあり雨蛙
191.天青く嶺々黒し夏の山
194.ピンポーンになにいまどこと昼寝覚
197.時を超え時を留めて金木犀
200.茶の花や古道坂路旅一人
203.餅搗きの音は軽やか相撲取り
206.利休忌や限りある身の表裏

26年

207.凍て返る蒼天富士は屹立す
210.花衣存在と無の中を行く
213.プランター苺一つのご挨拶
216.朝焼けの馬場に蹄のリズム冴え
219.走馬灯一瞬の赤一瞬の青
222.噴塵を浴び浴びてなお曼珠沙華
225.冬の蠅ボケるな手をすれ足をすれ

208.草萌えにきみ袖振るやむらさき野
211.御岳山下りて駅舎に春惜しむ
214.裏小路飲み屋一人の祭笛
217.何ごとも無きこと是とし端居する
220.モナリザの微笑み淡し雨の月
223.噴塵を浴び浴びてなお曼珠沙華
226. 海鼠切るヌメリの奥の磯模様

209.雄蜂のじっとしている昼下がり
212.白壁と競ひて散りぬ牡丹かな
215.ターザンの真似して過ごす熱帯夜
218.親の目を盗み友らと氷菓喰ふ
221.糸瓜忌や青空一つ雲一つ
224. あかつきの淡き水面に鴨の影
227.冬眠の夢彷徨ひて赤提灯

27年

228.初空や無限宇宙のへその穴
231.畑土の黒さも濡らし菜種梅雨
234.オー変なシーン春塵街にやってくる
237.
240.千の風知るや知らずや風知草
243.山小屋に入るや安堵の稲光
246.鯊釣りの鯊見えぬまま暮れにけり
249. 銀座裏花売り娘の時雨かな

229.蝋梅や白寿米寿の歳の艶
232.春眠や目覚めの耳に子守唄
235.斑鳩の野路の仏の落花かな
238.池底の禅僧となれ大鯰
241.でしこややまとの恋の糸ぐるま
244.無月かな赤提灯の壁のしみ
247.ハロウイン二十面相高笑ひ
250.新葱の身から溢るるいのちかな

230.風花や北の夜空へ汽笛消ゆ
233.鳥帰る不忍の池茶屋の朝
236.母の日や何ごともなく暮れにけり
239.蚕豆の莢つみ上がる昼の酒
242.原爆忌黙祷さ中猫の声
245.梨ひとつ無口な友の顔浮かび
248.茶の花や名脇役の母の笑み
251.山降りて古家の庭の夕焚火

28年

252.真っすぐに上がる煙や賀詞交わす
255.卒業の意味問ふて今昼の酒
258.万愚節バガボンパパの弱り顔
261.薔薇園や色香に酔ひて迷い路
264.蚊のきもち斟酌せずに潰しけり
267.黒塀に紅白対の花木槿
270.快晴の体育の日や肉離れ
273.木枯しの埠頭サックス闇に吠え
273.木枯しの埠頭サックス闇に吠え

253.都鳥ゆりかもめより自由なり
256.君が影入学の朝門に立つ
259.麗らかや古き街道子らの声
262.二か月の新人の背に走り梅雨
265.アラフォーの席に清しきところてん
268.待宵の二見の浦の波の音
271.初恋の山路に沿ひて青蜜柑
274.コート着て君がシャンソン蘇え

254.如月の乙女らの声天に翔び
257.日曜の猫の昼寝や焼き目刺し
260.明易し隅田堤のそぞろびと
263.夏大根ふと思ひ出す去りし人
266.解夏の朝人波の中歩みけり
269.肌寒や千年前と千年後
272.新海苔や江戸白浪の色かほり
275.水鳥や水面の下のみだれ草

29年

276.猫添いて百寿ばあやの笑初め
279.マイウエイいつかは判るほうれん草
281.修司逝きて勿忘草の夢走路
285.天青く煌めく幟五月場所
288.小雀の一羽餌を食む半夏生

277.トランプの壁突き抜ける破魔矢かな
280.漱石とぬる燗酒や春の闇
283.しじみ汁朝ガード下壁のしみ
286.天青く煌めく幟五月場所
289..

278.節分や星を見上げて豆を喰ふ
281.百一年眠れる森の春炬燵
284. 江戸小紋そぞろに歩む菖蒲園
287.抗菌を叫ぶテレビや黴の部屋
290.

251.優勝
殊勲賞
敢闘賞

92.暮れてなほゆれる想ひや藤あかり
94.戸袋にバッハを聴きし家守居り
96.闇兆す噴水はたと止みにけり
113.青き踏む秩父連山塩むすび
118.昼顔や朽ちゆく塀に薄化粧
149.祖母の愚痴夕陽にじっと唐辛子
176.オリオンや羆は眠る奥日高

17.小三治の口調の張りに春一つ
21.流し目を残し葉裏へなめくじ
35.老松の腰抱きたる冬日かな
45.新緑やただ静謐の古代杉
76.サグラダの高きに登り時を観る
99.雨上がりかなかなそっとなき始め
150.ゆらぐ穂の富士より高き尾花かな
153.手袋に秘めし恋あり老婦人
165.万感をゆさぶる如く山若葉
166.相撲取り麦わら帽の軽やかさ
179.炬燵して小津の世界に浸りけり
206.利休忌や限りある身の表裏
207.凍て返る蒼天富士は屹立す
221.糸瓜忌や青空一つ雲一つ
262.二か月の新人の背に走り梅雨

28.しみじみと百年喰らふ秋刀魚かな
31.秋高し棒高跳びの足の裏
51.風鈴の旧家更地になりにけり
142.ラベンダー大雪山の碧き空
157.日脚伸ぶ家路に迷ふ足の向き
178.闇汁や喰道楽の友しずか
191.天青く嶺々黒し夏の山
273.木枯しの埠頭サックス闇に吠え


18年


15.猫の恋たいした話もないくせに
18.君が待つ乱れ柳の川向こう
21.諍いし友よ吾もまたなめくじり
24.雷明ける 道玄坂に虹戻る
27.元気だと返信見ている終戦日
30.あさき夢覚めて黄昏柿光る
33.つつがなし落ち葉を蹴って歩く母


16.ほろ酔いて夜のぶらんこ笑う月
19.色を捨てはしゃぐ四十路の紋白蝶
22.衣更えほくろのふたつ並ぶ腕
25.ばあちゃんの折れた扇子のセロテープ
28.歓声に振り向く母校の運動会
31.安眠は昭和の畳ちちろ虫
34.焼鳥屋連れ無き夜は煙見て

14.小走りであなたのとなり春隣
17.飛ぶ鳥の ゆくえ眩しき 春の午後
20.真っ白のスニーカーなぞ買う五月
23.冷酒や琉球硝子に滲む夜
26.黒文字の不器用笑い水羊羹
29.秋桜生きてゆけるよ紙吹雪
32.泣くまいぞ美しくもなし帰り花
35.夜に逢う悲しみ気付く冬日向

19年

36.初若菜いのち一色召し上がれ
39.一つ嘘よかれよかれと朧月
42.灯り無き外れ桜の白く散る
45.紫陽花を挿したる備前濡れ光り
48.夕焼けを浴びて悲しき人となる
51.向日葵の燃え尽きし庭父の家
54.流星を吾だけが見る向き合いて
57.野良人の手折りし菊の束抱く

37.銀の空ぼさまじょんがら寒烏
40.ひな祭り知らぬ大人になりにけり
43.古き友待ち合わせの二時みどりの日
46.巌なる裸の背中大太鼓
49.梅干の上出来友は妻となり
52.智もいらぬオズにも会わぬ案山子なり
55.祈りても月の小さき今宵なり
58.難解な芝居の帰り暮早し

38.暖放つ梅の香満ちる四畳半
41.強東風や道を聞かれて腕ほどく
44.夏兆すインド綿着て自由なり
47.梅雨の夜の微熱に溶ける肌と闇
50.水浴びて三線の音隣家より
53.初芋の竹串通りさてと言い
56.どんぐりや一匹五個と千個生る
59.教会の降誕祭の静かなり

20年

60.福寿草小さきものの確かなり
63.雪解けや餌台白くパンを盛る
66.紫木蓮老女の帯の型崩れ
69.手向け花一心不乱に初夏の雨
72.金魚鉢軽き命の花活ける
75.秋暑し果たせぬことの二つ三つ
78.新米や善なる人の腹力
81.虎落笛だれが悪いと泣く女

61.*************
64.立ち話商店街の日永かな
67.わがこひを囀りごとく聞くや君
70.辣韮や五百漬けよか一キロか7
3.正円に満ちしトマトや研ぎ包丁
76.ねこじゃらしマミちゃんどうしているだろな
79.わたくしに幸あるごとく銀杏降る
82.雪女郎最後に捨てし紅の色


62.居酒屋のあと一人待つ隙間風
65.かざぐるま壊れて紅き花となり
68.幾重なる包みや去年の新茶なり
71.脛堅きランナーの夏夏木立
74.ニッポンのビールに戻る二〇〇八
77.病室の林檎の赤のくすみゆく
80.七五三神の子供の肌白し
83.来週を来年と言い古暦

21年

84.たんたんと生きるは難し手毬唄
87.蕗の薹一番小さな鉢に盛り
90.たましひを拾いて雀隠れかな
93.夕薄暑濃く細くひくアイライン
96.噴水の今静まりて告ぐ一つ
99.蜩や鳴けば残照留まりぬ
102.短命の赤蜻蛉なり軽く飛ぶ
105.白鳥や死に落ちて羽根乱れ舞う

85.泣く時はひとりと決めて寒椿
88.俳人の指に流れて春の雪
91.殻固き身のとまどひて夏近し
94.毒だみや痩身の人凜と座す
97.その紅に血は流れまいさるすべり
100.咲き残る青き朝顔摘み取りぬ
103.吾亦紅泣きたいことなど無いごとく
106.白鳥や死に落ちて羽根乱れ舞う

86.例えれば鮫抱くような恋であり
89.三月の涙目の訳いろいろと
92.藤の枝のたうちて花慈悲の色
95.対なるはそっと洗ひてさくらんぼ
98.灼くる道罪無き人もうつむきて
101.紅葉見ゆ赤き衣を着ず半
104.一時の目利きとなりて蜜柑買う
107.底冷えや案ずることなし君逝きて

22年

108.車窓から一瞬の冨士初仕事
111.荒岩の海苔方形に静まりぬ
114.花疲れ夜半に目覚めて風を聞く
117.読経の止みて千歳の滝の音
120.ぼうふらの大志聞きおり古バケツ
123.台風の島掴む樹の太く濃く
126.豊かさや大きなえびすかぼちゃなり
129.香り冴え十一月の煙草かな

109.鮟鱇や闇喰ひてなお満たされず
112.構築の美の最小の土筆立つ
115.表札は亡き人のまま春燈し
118.褪せし紅昼顔ぽかんと泣き疲れ
121.嫁きおくれ浴衣の襟を固く着て
124.休暇明け我が仕事場の匂い知る
127.サヨナラのラの薄れゆくいわし雲
130.切る爪の弧にこだわりて湯冷めかな

110.モノクロの世界の破綻紅き梅
113.ワルツ鳴り一足一杖青き踏む
116.その川に鮎住むと言ふ君が郷
119.背徳の恋に走れば夏野なり
122.捕われし蛸や漁師の手にすがる
125.十六夜や起承転結始りぬ
128.おでん鍋また温めて猪口三つ
131.行く年や舫われし舟沖を向く

23年

132.倦怠や双六ならばこのあたり
135.小姑もやはらかき目の春の風邪
138.二年目は野生清しきシクラメン
141.立ち尽くし郭公鳴きてまた歩き
144.香水や動脈細き女あ
147.天の川神様がもしいるのなら
150.暮れゆけば金から銀へ芒原
153.道端の手袋饒舌なる形

133.仰向けば乱調の雪目を閉じる
136.万あるか沈丁の花千あるか
139.たんぽぽやじゃんけんぽんはぱあで勝つ
142.死のうかと言えば極まるラベンダー
145.風がゆく心抑えて涼みたる
148.へこき虫わたし某多少まし
151.遺されし新しき杖秋思かな
154.冬の蝶がんばれなんて言わないよ

134.痛み知る生まれ来る者寒明ける
137.陽炎や黄ばんだ写真父の恋
140.一線の滲む卯の花腐たしかな
143.白百合の蕾の抱く暗き蕊
146.サングラス外して君の夜明けかな
149.乾かされなお光持つ唐辛子
152.立冬やいつかひとりになる掟
155.煤掃きや灯ともし頃に鎮まれり

24年

156.大仰な初夢みてるらしき猫
159.春暁や表紙を照らす読書灯
162.
165.泣きやんだまゆちゃんに吹く若葉風
168.巴里祭色深まりしレールデュタン
171.送り火やいつもの煙草買いました
174.年表のひたすら長し夜学かな
177.鳴き龍の声増幅す神の留守

157.屋上の太郎が伸びして日脚伸ぶ
160.雨土の万感濾して独活となり
163.
166.二日目は鞄底から夏帽子
169.仰向いて死にゆく蝉ぞ天に鳴く
172.子のなくて使命のなくて秋の空
175.そぞろ寒背筋正しき老紳士
178.闇汁やベニヤに並ぶ改革者

158.それをまだ絆と呼ばず去年二月
161.手水舎の水温みたり礼参り
164.行く春やついに帰らぬ叔母の猫
167.*************
170.風死すや老女の細き子守唄
173.あの家のカンナひひひと笑いよる
176.オリオン座大事なことは三つある
179.嫉みしは炬燵のような女なり

25年

180.嫁が君縁あるものは一つ屋根
183.白魚や具象化にほぼ間に合ひて
186.目借時歪む貸借対照表
189.それぞれに繭に入れたる想いあり
192.斑猫や原色の夢醒めやすく
195.夕立や音量上げる三楽章
198.警告の耳をかすめて鉦叩
201.
塩鮭のほどほど焼けて佳き日なり
204.去年今年君いつまでか死にたもう

181.大寒や一つ決めては花ばさみ
184.淡雪やありがとうねと別れゆく
187.ひそやかに一人静に風の吹く
190.釣堀や魚の恨みに濁りたる
193.空蝉を取りて動けぬ小さな手
196.うつくしき人の引き際桐一葉
199.水澄めり砥石濡らして背を正す
202.悴む夜芳名帳の名も泣けり
205.寒卵短き私信を読み返す

182.代償の猛々しく燃ゆ野焼かな
185.水彩の群青滲めば蜃気楼
188.雨蛙見切り千両ぴょんと飛ぶ
191.連絡は取れぬと言ひて夏の山
194.昼寝醒め平成の世に生まれ落つ
197.ろほろと散る木犀や人許す
200.若き日の捨て句束ねて冬薔薇
203.餅搗や庭に降り立つ白き神
206.いずこかに冷めぬ釜あり利休の忌

26年

207.凍返る鍵置く音の響く夜
210.彼の人の襟の白さや花衣
213.得意げな子の手に青き苺かな
216.朝焼けやあの雲のほら龍に見ゆ
219.静かなる狂気もありて走馬灯
222.曇天の人憎む日の曼珠沙華
225.冬の蠅叩く女のつまらなさ

208.下萌えやひと刷毛ごとの絵の如く
211.ひと色に塩ひとつまみ春惜しむ
214.祭して人はしゃぎおり神の子として
217.観覧車乗りて地上に端居する
220.掛け衣香の放たれて雨月かな
223.曇天の人憎む日の曼珠沙華
226.酒飲みのかわいらしさや海鼠刺し

209.窓の蜂ここには蜜はないですよ
212.時はゆく白き牡丹の崩れゆく
215.返信の早し短かし熱帯夜
218.子の余す氷菓きらきら崩れゆく
221.獺祭忌消化試合の球高く
224.古池に鴨遊び来て水の音
227.冬眠の亀の見る夢また長し

27年

228.初空を見上げるすこし胸を張る
231.シャッターに三行残し菜種梅雨
234.ささやかに春塵起こし砂場の子
237.
242.風知草隣家の近い仮住まい
243.稲妻や畏れし人の性悪説
246.鯊釣や東京湾に紫煙ゆく
249.神楽坂路地深くして小夜時雨

229.長瀞の臘梅園の陽の豊か
232.春眠を耐えてかりかりかりんとう
235.過疎の地に落花は白く吹き溜まる
238.恐怖とは流しの下の大鯰
241.たおやかに生きる撫子母に似て
244.問ひつめず探らず泣かず無月かな
247.ハロウィンにまぎれて試すつけ睫毛
250.薬局を過ぎて買ひたる葱の束

230.風花や半分嘘の恋も恋
233.鳥帰る高倉健という美学
236.母の日の母なる海の藍深し
239.蚕豆や強きいのちのかたちして
242.青い空言葉無くして原爆忌
245.梨の実のたたへし水やいざ生きむ
248.茶の花やふくふくと抱く金の蕊
251.角瓶の静かに減りて焚火守

28年

252.通い猫にゃにゃにゃと鳴いて年賀かな
255.卒業の証書硬しや細き指
258.命日は四月馬鹿の日祖母の粋
261.夜明けには散りゆきさうな薔薇猛り
264.尖らせた5Hの芯障子の蚊
267.営むや落ちたる木槿咲く木槿
270.窓細く開ける病床体育の日
273.街の灯を磨ぐ凩も使命あり

253.散骨の海は遥けし都鳥
256.入学す私語厳禁の喫茶店
259.老鶏の羽根も光りてうららけし
262.老眼鏡かけて探して走り梅雨
265.むつかしいことは言うまい心太
268.宵待や緞帳の今あがり切る
271.ささくれに沁みる若さや青みかん
274.受け取りし君のコートの熱や熱

254.如月の飛ぶ鳥のみな勇ましき
257.目刺し焼く磯野おフネの物思い
260.短夜に生まれ来し子よ強く泣く
263.差し水の合間におろす夏大根
266.かすかなる吐息は風に解夏の寺
269.肌寒や取りいだしたる萬古鍋
272.新海苔や海蘇る椀の中
275.水鳥や魚捕らえては天仰ぐ

29年

276.老いらくの日々は新し初笑い
279.口癖は「我慢」の母や法蓮草
282.勿忘草唄ひて去りし鬼上司
285.歓声の嵐立つ夏場所の国
288.天を突くゴーヤの支柱半夏生

277.破魔矢射る尽きない愚痴と武勇伝
280.行き過ぎるこの香の記憶春の闇
283.
恋だとか語りし昨夜蜆汁
286.大泣きの怒れる子行く青嵐
289.

278.節分を行く可燃ごみ収集車
281.読み返すガラスの仮面春炬燵
284.柔らかき剣携え菖蒲立つ
287.味噌樽のゆゆしき黴を掬ひたり
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

46.巌なる裸の背中大太鼓
53.初芋の竹串通りさてと言い
60.福寿草小さきものの確かなり
86.例えれば鮫抱くような恋であり
95.対なるはそっと洗ひてさくらんぼ
108.車窓から一瞬の冨士初仕事
115.表札は亡き人のまま春燈し
131.行く年や舫われし舟沖を向く
180.嫁が君縁あるものは一つ屋根
186.目借時歪む貸借対照表
201.
塩鮭のほどほど焼けて佳き日なり
203.餅搗や庭に降り立つ白き神
207.凍返る鍵置く音の響く夜
247.ハロウィンにまぎれて試すつけ睫毛
249.神楽坂路地深くして小夜時雨
251.角瓶の静かに減りて焚火守
258.命日は四月馬鹿の日祖母の粋
263.差し水の合間におろす夏大根
270.窓細く開ける病床体育の日
276.老いらくの日々は新し初笑い
284.柔らかき剣携え菖蒲立つ

25.ばあちゃんの折れた扇子のセロテープ
34.焼鳥屋連れ無き夜は煙見て
42.灯り無き外れ桜の白く散る
66.紫木蓮老女の帯の型崩れ
76.ねこじゃらしマミちゃんどうしているだろな
84.たんたんと生きるは難し手毬唄
117.読経の止みて千歳の滝の音
130.切る爪の弧にこだわりて湯冷めかな
160.雨土の万感濾して独活となり
171.送り火やいつもの煙草買いました
183.白魚や具象化にほぼ間に合ひて
193.空蝉を取りて動けぬ小さな手
200.若き日の捨て句束ねて冬薔薇
215.返信の早し短かし熱帯夜
230.風花や半分嘘の恋も恋
259.老鶏の羽根も光りてうららけし
271.ささくに沁みる若さや青みかん
283.恋だとか語りし昨夜蜆汁

32.泣くまいぞ美しくもなし帰り花
59.教会の降誕祭の静かなり
65.かざぐるま壊れて紅き花となり
82.雪女郎最後に捨てし紅の色
94.毒だみや痩身の人凜と座す
114.花疲れ夜半に目覚めて風を聞く
120.ぼうふらの大志聞きおり古バケツ
123.台風の島掴む樹の太く濃く
172.子のなくて使命のなくて秋の空
206.いずこかに冷めぬ釜あり利休の忌
219.静かなる狂気もありて走馬灯
223.曇天の人憎む日の曼珠沙華
233.鳥帰る高倉健という美学
250.薬局を過ぎて買ひたる葱の束
265.むつかしいことは言うまい心太




18年

18.練絹に見返り柳時は逝く
21.なめくじら似合うか否か銀の道
24.雷雨抜け輝る畦道颯爽
27.団塊の終戦記念日ちぎれ雲
30.柿茜夕映え鴉又明日
33.人波を掻き寄せ囃し酉の市

19.蝶を追い 砂山くずし昆虫記
22.和更紗の三味の音絡め衣更
25.舞扇返す白腕赤く染め
28.よういドン蒼空駈ける運動会
31.天高し澄み渉るほど我は何
34.納豆を捏ね回す手に猫招き

20.江戸気質鎌輪奴紋衣五月晴れ
23夢夢し冷酒に澄みし君なれば
26.水羊羹小指も舐めてもう仕舞い
29.秋桜やあなたの山野嶺紅く
32.吾子の頬雪虫舞うや冬の海
35.裾寒し甘酒啜る除夜の鐘

19年

36.乙女薫く輪飾り燃ゆる焦がれおり
39.仕舞湯や窓に描かるる朧月
42.頬染むる桜埋みし野の地蔵
45.紫陽花や喪裾に散りぬ里帰り
48.夕焼けや戊辰の戦跡蒼し
51.蒼空に向日葵を仰ぐ童衆の瞳(わらしのめ)
54.私家版にレモンをのせて目を瞑り
57.一木にも薦巻く暖の冬支度

37.恵方巻頬張る娘嫁ぐ朝
40.背をまろく繕う雛の母は今
43.みどりの日けやき並木の朝が谷
46.迎え酒裸の街や暮れ泥む
49.太鼓橋越して向うに夜店の灯
52.蚯蚓鳴く夜深けの風の又三郎
55.月に吠え我が存在を闇に聞く
58.干蒲団乗れば大の字雲の上

38.雨風に散るや白梅溜まり
41.春の夢見るや木の下隠ん坊
44.頭垂る脱落の命夏兆す
47.ゆれるバス見渡す青田心ゆく
50.糸魚川水浴び足の五指を梳く
53.芋幹を煮付ける母の背を抱き
56.夜業して湯煙り相手に酒を酌む
59.七曲がり聖夜に浮かぶ天主堂

20年

60.福寿草神籤を結び手を合わせ
63.受験生母を添わせず一人往け
66.京の宵木蓮の背にフルムーン
69.桜桃忌紫橋にふたつ影
72.客引けて喪服の帯にひめほたる
75.子は遊ぶ父は宿題残暑かな
78.上越や松茸の湯気絹の雲
81.遠来の汽笛の鳴きと虎落笛

61.武士の維新の三傑独楽の舞
64.青空に夕陽重なる日永哉
67.遠足日得意顔の照る坊主
70.常勝を請われ叩かれ競べ馬
73.碧海に透けて漂ふ海月かな
76.猫じゃらし項に落とす背を反らす
79.秋深し落草の丘ポチ駆けり
82.雪女耳元に吹く熱吐息

62.薪割りて戸隠山に冬籠もる
65.恐山啜り泣くよな風車
68.新茶葉を摘むや乙女のお初恋
71.夏木立ミストに秘すキスの味
74.麦酒泡付けて踊るやチャップリン
77.秋雨か響き枕に荒地の恋
80.解帯の愛娘連れ往く黒門町
83.昼酒や猫紙袋年忘れ

21年

84.*************
87.のどかさや旅の日記の白ページ
90.連子窓影絵のきみの風光る
93.薄暑の日断頭看取るロンドン搭
96.河童忌や河岸見世炎上地獄変
99.ひぐらしの声眠りなむ妹を負い
102.名もしらぬこともなき世や草の花
105.白鳥やレダ交情の果てはエロス

85.寒椿三十郎が袈裟に斬る
88.春の雪童衆の頬に降りかかる
91.*************
94.一番湯守宮の影に紅い空
97.茜さす子守りの背なに百日紅
100.八重山や一筋の道花野かな
10.星月夜隧道をゆく海の音
106.白鳥やレダ交情の果てはエロス

86.懐手からころ下駄で石をけり
89.三月のお堂に衆藾残響の
92.山寺や幟の下の苔の塚
95.*************
98.コルトレン至上の愛の夜は涼
101.跳び越えし水際たまりに一紅葉
104.甲斐の峰空瀧々と秋の蝶
107.冬帝や心の水を汲んでみる

22年

108.四方拝浄瑠璃の音や北参道
111.薄氷にトンと指突く初デー
114.花疲れ浪士自刃の孤影かな
117.滝風を味方に付けし鳥が舞う
120.孑孑や殺生惑う春泥尼
123.台風の眼跨ぐおいらは大魔神
126.赤南瓜斜陽の庭に置き去りし
129.少年の十一月や変声期

109.母いずこ米粒引っ付くちゃんちゃんこ
112.しゃほん玉追う俘慮の子や紅ほっぺ
115.春燈や剃刀に映す眼球の傷
118.ひるがおやげんじをしらずちりぬるを
121.藍浴衣介護疲れて窓に雨
124休暇明け髭剃り痕を吾子撫でり
127.大仏の光背ならん鰯雲
130.切符かう湯ざめし町の木の駅舎

110.山峡の雪明かりゆく初湯治
113.三鬼忌や官能を飲み虚無を吐け
116.鮎食らう臓腑の苦さや甘き恋
119.二人乗り亡き人と廻る夏野かな
122.蛸チゴイネルワイゼンにぬめり
125.十六夜本当は怖いグリム童話
128.散りてゆく時の枕におでんの香
131.線条痕眇めつ祖父の年流る

23年

132.しっぼ立て双六の上ねこ渡る
135.落柿舎やひとりぼちにも春の風邪
138.遅き春川中に立つ一本の杭
141.父煙管ぽんとはたきゃ閑古鳥
144.青嵐ヌー一千頭の黒き丘
147.銀河やいどうだおれたちゃ海ほたる
150.カラコロリ下谷下駄履き花芒
153.桜木町逢瀬し冬子の手袋

133.黒髪に雪は一色紗英ではないか
136.木の芽風野麦峠に影を踏み
139.麦青む前髪切ると決めたから
142.ラベンダーにパラソル差して逢ひに来た
145.夕涼み水面に花影を掬う
148.雨過天晴放屁虫かや妻の尻
151.恋の文秋思と綴りペン置けり
154.凍蝶ぞ死を選ぶかや雲母坂

134.七ッ森星雲統べて寒明くる
137.遅き春川中に立つ一本の杭
140..繕ふ手休めて卯の花腐し降り
143.百足虫這ふ数へ居るかやたたみの目
146.サングラス燐寸擦ル夜ノ慟哭
149.父帰るクニ子の庭や唐辛子
152.奥穂高立冬羽織り背を丸め
155.煤掃やほこり高くえグッドラック

24年

156.初夢を語りし妻は貘が好き
159.大仏や半ば閉じた眼春あかつき
162.
165.ルノアール麗しの巴里若葉蔭
168.シャンソニエジタン喫すやパリー祭
171.霊送あの夜引き返せなかった
174.赤い爪噛みつ沈思の夜学かな
177.神の留守眠れる妻に添い臥しぬ

157.荊棘線下くぐる猫の尾日脚伸ぶ
160.独活茹でし皺刻む手や母卒寿
163.
166.風の子ら通り行くかや夏帽子
169.日照雨止む一斉射撃や蝉の声
172.友逝きて汀優りし秋の空
175.D坂や登る闇夜のそぞろ寒
178.闇夜汁一つ食べては一句詠み

158.にぐわつのうかっと眼を剥く助六や
161.水温む銃口の先のダンデライオン
164.行く春や一升瓶の中は海
167.梅雨籠り壺中の天を想いけり
170.風死して無我献身の母泣けり
173.カンナ咲くキッスをせがむ女いて
176.オリオン座見上ぐる唇に金平糖
179.*************

25年

180.我死して人を救いし嫁が君
183.白魚をごまんと掬い目は十万
186.おいそば屋今何時や目借時
189.まゆを出モスラは行くよスカイツリー
192.斑猫や一茶も連れよ母の里
195.夕立やけい子の傘の紅い花
198.鉦叩誰を呼ぶやら片心
201.金乞うも塩鮭も来るあゝ母よ
204.浅草寺仲見世人人去年今年

181.大寒ぞ微温燗二合に膝枕
184.淡雪と綴り書きたる父の卓
187.竹林の七賢愛でし一人静
190.釣り堀や雨天に魚の跳ね返る
193.零戦記空蝉二つ乗せにけり
196.桐一葉駒打つ音を潜めけり
199.澄む水や線香手向く南禅寺
202.かじかめしわが暗闇に妹抱き
205.寒卵ヘンに目礼懐中す

182.野火燃ゆるリバースリバイブ手をつなぐ
185.はぐれ犬リボルバー向ける蜃気楼
188.雨蛙おなごせんせに会わしたろ
191.夏山に凍傷の指透かしけり
194.資本論枕代わりに昼寝人
197.木犀や母の背丸く香に包み
199.奄美へと友送りきて散紅葉
203.餅つきしこねる母の手秋田かな
206.利休忌の黒楽のふち死のルージュ

26年

207.凍返る御神渡る底魚棲めり
210.花衣背の龍図が疼きます
213.数式を解ひてふふみる苺かな
216.朝焼の反戦旗抱く路上かな
219.走馬灯抜身の疵ば数へけり
222.曼珠沙華あなたに会ったことがある
225.二人してハエタタキにいる冬の蠅

208.下萌や目不酔草の煙立つ
211.ああ惜春ぐずぐずしてたら夜があける
214.姿見の崩れ化粧や宵まつり
217.夕端居幸せ小さき妻待てり
220.水嵩の増して最上や月の雨
223.曼珠沙華あなたに会ったことがある
226.漂泊の海原に在り我海鼠

209.蜜蜂や花簪に一休み
212.ひざまくら蒼穹に透く白牡丹
215.熱帯夜ゆれるうつつやマハの肌
218.愛娘崩さず舐めりソフトクリーム
221.根岸裏恩師に遇ふや獺祭忌
224.鴨鳴きて米研ぐ母や子沢山
227.冬眠すディレイト押して再起動

27年

228.初空や富士の裾野の長きこと
231.菜種梅雨黄色の長靴黄のカッパ
234.春塵の漆の卓袱台二度拭きし
237.
240.風知草出さぬまゝやラブレター
243.稲妻や顔を埋める母ちゃんのけつ
246.鯊釣の是好日や実篤翁
249.時雨けりこんな夜は殺人が多い

229.蝋梅や見上げる子らの赤い頬
232.
春眠や背中合わせの我と猫
235.陽明門家康の見た落花かな
238.濁り川小魚がばり梅雨鯰
241.婆裟羅髪撫子指して一升酒
244.無月なり印象派の絵に浸る
247.ハロウィンや仮装のままの浅草寺
250.君撃てり葱一本のライフル

230.風花やハシブトガラス跳ぶ刹那
233.*************
236.母の日や折れなん背中ちょいと上げ
239.空豆や摘まんで皮剥くおちょぼ唇
242.原爆忌ケージの鳥を空放つ
245.梨重き山門くぐる和上かな
248.茶の花や我が末娘嫁にゆき
251.落葉焚久遠の旅の火粉かな

28年

252.年始一献糺すの森の研師かな
255.卒業の洟垂れ小僧や薄ら髭
258.たこ焼きの蛸の無かりし四月馬鹿
261.薔薇一輪買うか止めよか似合わぬな
264.蚊を殺って膝に枕す深き夜
267.木槿散る風来坊という名のドンファン
270.体育の日蒼天に追ふ大飛球
273.凩が吹いておりやす西郷どん

253.都鳥業平橋のランデブウ
256.入学式キラキラネームのピッカピカ
259.麗かや小さな刺の土踏まず
262.走り梅雨トタン屋根のミュージカル
265.心太ニッカボッカと無精髭
268.宵待や井筒の水に我写し
271.青蜜柑投げつけ女の笑い泣き
274.ロンドン塔コートに霧の降りかかる

254.如月の小指で舐めるマーマレード
257.目刺し食ふ親分の背中鯨絵図
260.短夜の素肌のお龍駆抜けり
263.夏大根畝を跨ぐや君の足
266.久遠なる広島長崎の解夏にて
269.肌寒や遠方の富士近づきぬ
272.新海苔や身を切る北のごっつい手
275.水鳥や水面の下のみだれ草

29年

276.姫抱っこ重すぎ尻餅初笑
279.法蓮草利休の酒と若冲図
282.勿忘草忘れたよっと母笑ふ
285.すくひなげ巨漢の飛ぶや五月場所
288.半夏生ガテン男の玉の汗

277.破魔矢もて急峻の山在りし自我
280.春の闇言葉も要らぬ愛にゆく
283.蜆汁身をさがし聴くせせらぎや
286. 同期会笑ふ白髪や青嵐
289.

278.節分や鬼逃げ惑ふ呑んべ横丁
281.春炬燵開たる窓や津軽富
284.決めましたおさげ切る日や白菖蒲
287.抗菌を叫ぶテレビや黴の部屋
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

39.仕舞湯や窓に描かるる朧月
269.肌寒や遠方の富士近づきぬ

58.干蒲団乗れば大の字雲の上
92.山寺や幟の下の苔の塚
132.しっぼ立て双六の上ねこ渡る
139.麦青む前髪切ると決めたから
167.梅雨籠り壺中の天を想いけり
209.蜜蜂や花簪に一休み
232.
春眠や背中合わせの我と猫
247.ハロウィンや仮装のままの浅草寺
281.春炬燵開たる窓や津軽富

72.客引けて喪服の帯にひめほたる
78.上越や松茸の湯気絹の雲
90.連子窓影絵のきみの風光る
184.淡雪と綴り書きたる父の卓
216.朝焼の反戦旗抱く路上かな


18年

21.生業は一筆書き也なめくじら
24.雷になほ寄り添いて道祖神
27.朝顔の裾絵に誘う下駄の音
30.赤肌の笠にもならじ柿の蔕(へた)
33.落ち葉さえ吹き溜まりてや集いたり

22.つり革に艶袖ゆれて衣更
25.扇子風頬にソヨソヨひざ枕
28.餓鬼御嬢親も紅白運動会
31.*************
34.焼き鳥で飲む煩悩や串三本

23.ひと肌の慕情を絶ちて冷の酒
26.わが庵はバターの脇也水羊羹
29.君を乗せ秋桜の道疾走中
32.曇る窓拭いて見えし冬の海
35.背に冬日粘土と語らい轆轤引き

19年

36.我もまた御役御免をまつ飾り
39.だしぬけに胸泡立たちて春一番
42.別離なり門出なりとて桜酒
45.雨にじむ路上のオイル夜アジサイ
48.夕焼けを背負いた悪女影長し
51.軒に棲む魂魄騒ぎ闇風鈴
54.俎板の真二つ檸檬に口すぼみ
57.支えられ弄(イジ)くられして菊一生

37.本日はへそも女房も恵方向き
40.酢の香立つちらしに集う雛祭り
43.薄茶点て山の端飲む哉みどりの日
46.羨望の唇盗むソーダ水
49.焼け醤油に捕獲されたり夜店人
52.美影追う夜目衰えて蚯蚓鳴く
55.空仰ぎ今届きたる月光を飲む
58.富士も澄む浅黄の空や蒲団干し

38.禿頭に棘刺す風や春早し
41.朝東風を真二つに裂き併せ馬
44.古伊万里の皿に余りて焼き穴子
47.青田越ゆ送電線や柏崎
50.水浴びて駿馬の瞳和みたり
53.腰伸ばし老母は芋を煮しめたり
56.素手に抱くどんぐり伝ふ樹の暦
59.*************

20年

60.貧村のモノクロ割りて福寿草
63.道端に泥の地蔵や雪解道
66.花咲きて木蓮の樹の在るを知り
69.空澄みて日高の初夏に親子馬(参考句)
72.老いし目を闇に瞠りて蛍狩り
75.墓洗う水も湯になる残暑かな
78.御仏供飯新米の朝光り立つ
81.夜具のなか指絡ませし虎落笛
84.名勝のグラビア広げ初湯入る

61.エステにて独り笑いの女正月
64.ゆるゆると黄昏歩む日永人
67.遠足の背で歪みたり握り飯
70.二ハロンに陣風起こし競い馬
73.豊満に酸いも甘いも熟トマト
76.登高し樹々の履歴に合掌す
79.靴底の銀杏を擂りて人の波
82.雪降らぬ巣鴨に集う雪女郎

62.石鹸のふと香りたり隙間風
65.去り行きしヒールの響き春愁詩
68.君と汲む新茶で和む日曜日
71.訪ね来て夏木立なり手向山
74.餃子の焼けるを待ちて生ビール
77.紅玉と籾の香詰まる木箱開く
80.喜寿よりも爺笑いたり七五三
83.刻まれし悔恨の時古暦

21年

84.熱すぎるくらいがいいか初湯哉
87.ゆるゆると長閑に歩む夫婦旅
90.光風に日時計の針生き返り
93.夕空へ耳傾けし薄暑風
96.顎を上げ高さを偲ぶ枯噴水
99.下駄の緒を櫓に向けし踊唄
102.馬糞香る野に大編隊の赤とんぼ
105.湯豆腐に胃の腑を焼かる知命かな

85.見せ時に上目遣いの寒椿
88.再会の君差す傘に春の雪
91.猫の毛にそよ風あそぶ夏近し
94.硝子戸にガバと踏ん張る守宮指
97.汗もなく街に笑顔の百日紅
100.気満ち水面静かに十和田澄む
103.街灯の姿浮き立つ冬近し
106.湯豆腐に胃の腑を焼かる知命かな

86.悪しき奴死後に重宝強き鮫
89.擂り擂りて緑激しい蓬草
92.恨めしや藤が手招く化粧坂
95.桜桃を愛でる母の手皺深し
98.待ちわびてまだ暮れゆかぬ宵涼み
101.庭染めし紅葉の朝に薄茶点つ
104.焼き芋を二つに割りて共白髪
107.切抜きし残照浮かべ柚子湯哉

22年

108.四方拝浄瑠璃の音や北参道
111.うすらいや木々も力を溜めにけり
114.桜坂我が身しだれる醍醐かな
117.奥入瀬の滝に集いし山の神
120.孑孑を知らぬ奴らの血を狙え
123.青きかな台風一過の逆さ富士
126.軟き香の南瓜のスープ胃が笑う
129.薄財布十一月の行き帰り

109.居眠りの背に暖かしちゃんちゃんこ
112.誰をかも無邪気につつむ石鹸玉
115.坂昇る花見疲れの醍醐かな
118.ひるがほに傘差しかける老婆かな
121.マゲ・ユカタ姿形はコクギかな
124.休暇明け銘菓の甘味里心
127.鰯雲三時の御茶で一休み
130.社会面湯冷めの如く骨寒し

110.眼はかゆく鼻くすぐられ春隣
113.老いる気を爆砕せんと青き踏む
116.お似合いの塩衣着て鮎香る
119.とねっこの蹄を洗う夏野かな
122.知多の海蛸も阿弥陀の日間賀島
125.待つことを十六夜の下悩みたり
128.おでん皿汁を飲み干す佳い女
131.去ぬる年ゆとりの三文字顔出さず

23年

132.振り出しの駒もいななく絵双六
135.朝粥とバナナを友に春の風邪
138.行く春に音信川の鯉も去り
141.郭公もフッコウと啼く瑞巌寺
144.赤道の夢を彷徨い夏の朝
147.酒汲みて李白と謳う銀河旅
150.田舎道バスを手招く揺れ薄
153.加速する革手袋に一人風

133.胸底の夢を囁き根雪踏む
136.湯気は舞い頬も落ちたりウコギ飯
139.一人旅葉音風音夏近し
142.肩ゆるむラベンダー咲く好きな道
145.コンビニへ納涼疎開二十二時
148.先客は放屁虫なり旅の宿
151.ボンヤリと街の灯滲む愁思かな
154.凍蝶を焚きて暖とる浜通り

134.肩こりの少し緩みし寒の明け
137.行く春に音信川の鯉も去り
140.卯の花を腐たす雨色利休鼠
143.父の日にプレゼント有りエヘン也
146.暗闇のサングラスかな政り事
149.直言は唐辛子似の後の味
152.しわがれて烏啼きたり冬に入る
155.我が心拭う布なし煤払い

24年

156.幾年を重ねても今初の夢
159.春暁や少しあかりて手水かな
162.
165.*************
168.ボルドーと当り馬券のパリ祭り 
171.送り火の焚き跡愛でる老いし母
174.煮炊きする匂いを嗅ぎて夜学かな
177.我が家には常の事なり神の留守

157.日脚伸ぶ娘の腹も三カ月
160.真っ白の独活を食らいて初心問う     
163.
166.人波に浮かぶ富士の嶺夏帽子
169.蝉の音を地蔵が笑う憾満ケ淵
172.*************
175.道行の背を丸めたりそぞろ寒
178.闇汁や奥手男に早生女

158.二月にはあれやこれやと心待ち 
161.航跡の白き旅立ち水温む
164.行く春や列車の窓は嵌めころし
167.ぜーぜーと息も財布も梅雨籠り
170.風死して都会に虫のムクロ道
173.文鳥の埋め跡に濃くカンナ咲く
176.オリオンを眺むる我は俯かず
179.山形の馳走は菜漬けと堀炬燵

25年

180.逢うことのまた早くなり嫁が君
183.白魚を少し求めて飯を炊き
186.セレナーデ未の下刻目借時 
189.繭振れば渇いた音の痛さかな 
192.斑猫が奥に導く細き道
195.抱き合いて夕立笑う道祖神
198.鐘楼を見上げ見上げて鉦叩
201.塩引きと万年筆と赤電話
204.我が目には見えぬ節目哉去年ことし

181.冴え冴えと大寒に在りプロキオン
184.淡雪や頬の涙も消えかかり
187.あるがまま一人静は伝えたり
190.釣り堀に不動の姿虚心あり
193.空蝉に呆けた脳が涙する
196.舞い踊る外れ馬券と桐一葉
199.水澄みて日向を歩む散歩道 
202.悴みて洟を垂らして一反歩 
205.片口に丸丸として寒卵

182.野焼き跡大地はにびの喪に服し
185.目に涙光のどけき蜃気楼
188.波紋咲く四股を踏みたり雨蛙
191.夏の山日陰水音下り坂
194.腹八分猫を師匠に昼寝かな
197.三島社に千歳木犀艶薫る
200.遠き日の想い映して帰り花
203.餅搗や北国の土間笑顔満つ
206.利休忌や宇治の流れは密かなり

26年

207.凍返る朝調教や蹄の音
210.幼子の駆けだす肩に花衣 
213. 病室に苺を抱え思い人
216.朝焼けや地平に座る達磨かな 
219.追憶の風はとろとろ走馬灯
222.愛しくてズルい女だ彼岸花
225.何祈る地蔵の菓子に冬の蠅

208.下萌えや引力に克つ草魂
211.富士は脱ぐ白き袴や惜しむ春
214.*************
217.一服の端居の友は室外機
220.池を打つ波紋に流る雨月かな
223.愛しくてズルい女だ彼岸花
226.何と何と海を浄めし海鼠なり

209.ヘボ庭を回遊式ぞと蜂遊ぶ
212.ひざ丈に幻想招く牡丹かな
215.苦しさも夢の通い路熱帯夜
218.行儀良く氷菓ご褒美八丁目
221.子規忌と云う十七文字の生誕祭
224.富士を翔び七〇〇系の鴨走る 
227.冬眠の原発起こす時近し

27年

228.初空に鼻の奥まで青くなり
231.身支度を逡巡の空菜種梅雨
234.春塵に弁当抱き目を瞑り
237.
240.風知草一風毎に背伸びかな
243.稲妻が去りて小腹がグゥと泣く
246.憂き世をば水面に浮かべ鯊を釣り
249.電線で丸く太りて時雨落つ

229.幾星霜清貧纏う古蝋梅 
232.
春眠を噛み殺したり仁王像
235.色褪せて土へ移ろう落花暦
238.将門の輪廻転生大鯰
241.道端にふと撫子の光たる
244.君去りて無月の足下帰路一人
247.ハロウィンに仮装不要の気配在り
250.俎板が小鼓となり葱の汁

230.風花に輪郭ふわり想い人
233.空青し黒く一列鳥帰る
236.母の日に孫を囲みて三世代
239.食卓にグラス空豆揃い踏み
242.バーガーとコーラにポテト原爆忌
245.口頬がジューサーとなり梨味わう
248.山畑の登り下りやお茶の花
251.思色は瞼に残る焚火かな

28年

252.*************
255.卒業を幾度経るとて道半ば
258.来世でも君と添いたし四月馬鹿
261.薔薇を想う我が手に在るは葬礼酒
264.柔肌にふわりと憩う電車の蚊
267.阿呆だねと微笑む木槿おけら道
270.夫婦して腹鼓拍つ体育の日
273.龍の如木枯らしに翔ぶ窯煙り

253.ビル影を映す隅田に都鳥
256.入学や夢と現へ旅立てり
259.枝も葉も猫もうららか並木道
262.窓際の鉢植え青し走り梅雨
265.田園の一楽章と心太
268.待宵に雲は走りて物思う頃
271.織部より肌色深し青みかん
274.心地よし第九の余韻コート着る

254.如月や物言う花の白マスク
257.在りし日の陶工偲び目刺酒
260.短夜や氷室の神は深寝入り
263.鼻奥は楽園と化し夏大根
266.*************
269.自らの怒りに発てり肌寒の朝
272.新海苔の一椀に観る水平線
275.水鳥や星夜に添いて寄り添いて

29年

276.寝て起きて水の旨さに初笑い
279.法蓮草絵唐津に盛り松景色
282.他人の名を勿忘草や老化咲く
285.桟敷畑乙女色咲く五月場所
288.半夏生腕時計の汗午後六時

277.銃でなく破魔矢で伝ふ和の鎮守
280.春の闇路地にたゆたふ昔の香
283..箸先で出汁をくすぐり蜆汁
286.目に閃々妻と馥郁青嵐
289.

278.首筋に魔の風立ちぬ節分会
281.旅雑誌を手に取り脚は春炬燵
284..
************
287.黴臭き地下蔵笑うヴァンルージュ
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

21.生業は一筆書き也なめくじら
48.夕焼けを背負いた悪女影長し
50.水浴びて駿馬の瞳和みたり
88.再会の君差す傘に春の雪
173.文鳥の埋め跡に濃くカンナ咲く
232.
春眠を噛み殺したり仁王像
272.新海苔の一椀に観る水平線

41.朝東風を真二つに裂き併せ馬
43.薄茶点て山の端飲む哉みどりの日
148.先客は放屁虫なり旅の宿
219.追憶の風はとろとろ走馬灯
238.将門の輪廻転生大鯰
256.入学や夢と現へ旅立てり
258.来世でも君と添いたし四月馬鹿

46.羨望の唇盗むソーダ水
60.貧村のモノクロ割りて福寿草
80.喜寿よりも爺笑いたり七五三
101.庭染めし紅葉の朝に薄茶点つ
141.郭公もフッコウと啼く瑞巌寺
248.山畑の登り下りやお茶の花


18年


24.落雷の耳に残りし幼き日
27.しっかりと暮らすのがすきあさがおや
30.まだ若き甘柿の苦渋誰に似て
33.待てるもの待てぬものにも葉の落ちて


25.手に扇死にゆく雄牛をじっと見る
28.夕暮れに哀しや母は秋刀魚焼く
31.ゆうゆうとバスの遅れも天高し
34.なんとなく納豆甘き休肝日

23.野草摘む今宵の冷酒楽しみに
26.稜線の風に吹かれて水羊かん
29.迎えなきコスモスの駅鳩が鳴く
32.言い訳の奥また奥の帰り花
35.踊ろうよ通り過ぎてく除夜の鐘

19年

36.水くぐる淡きみどりの初若菜
39.春一番心惑わすぬくさかな
42.夕暮れに君がもとめし桜もち
45.老い兆す新緑の海紅い花
48.ありんこはありんこなりしグラス酒
51.風鈴や若き小屋番夢の中
54.石だたみレモンころがり落ちてゆく
57.菊匂い菊散り果てし市ヶ谷か

37.満身の低空飛行冬鴉
40.雲の間にうぐいす止みて午後のお茶
43.木登りの天まで届くみどりの日
46.ソーダ水かつての妻も少女なり
49.愚痴多き祖母の逸品梅干しや
52.車窓より群れる案山子にグッドバイ
55.むら雲の月に誘われ露天風呂
58.船宿の蒲団干されり日本海

38.朝霧に小梅一輪かすみゆく
41.今いちどこの世の契り春の夢
44.谷間の村も夏めく魚の背や
47.梅雨寒やるすばん猫に煮干買う
50.愚痴多き祖母の逸品梅干や
53.芋を食う子らの頭上にアドバルーン
56.どんぐりや右往左往のけもの道
59.褐色のマリアに祈る降誕祭

20年

60.野にありて富士を眺むる福寿草
63.雪解けを待ちて揺れるや昼の海
66.わたくしの昭和が回る風車
69.初夏の風君の鎖骨をゆるく撫で
72.佇めば寂と寄りくる金魚かな
75.身をよじりいちじくに向かえ手幼き
78.留め山に松茸匂い胸騒ぎ
81.少年のソプラノ澄みし寒稽古

61.ふるさとにまだ母のおり女正月
64.巡礼の道のまっすぐ日永し
67.さえずりや峠の茶屋の老夫婦
70.根の残る塩らっきょうや鄙の宿
73.時々はくらげに会いに水族館
76.登高の果ての空っぽ魂よ
79.秋深しハングル文字や日本海
82.くさめして真青き空をもてあます

62.冬ごもり聞くとはなしに水の音
65.わたくしの昭和が回る風車
68.水辺にて朽ちゆく骨や春の昼
71.念入りな化粧のくずれ夏木立
74.炎天や村中午睡犬の糞
77.信濃路や林檎有ります寺の門
80.コンビニの裏を曲がれば狸穴
83.四畳半書き込みもなし古暦

21年

84.同じ日に生まれた友と手鞠つく
87.婆去りてこぼれたるかな蕗のとう
90.蒙古斑縁側座布団風光る
93下界より薄暑をつれて登山客
96.ふんすいやちびた石けん宿無し人
99.川ゆたり踊り疲れて眠る町
102.母の恋見て見ぬふりや赤トンボ
105.小春日や婆総出の過疎の村

85.呆けてゆく父の窓辺や寒椿
88.雲水の素足濡らして春の雪
91.新宿は君らの墓標夏近し
94.ドクダミや老女Aには前科あり
97.*************
100.浮世去るひとつの身体秋あつし
103.犬の名をマリ・カルメンと秋の暮
106.湯豆腐や丸めた背の昔夢

86.逢瀬の日我には鮫がいると思う
89.三月の宙に浮き出す魂よ
92.藤棚や女人の顔の蒼きこと
95.海鳴りのかすかに聞こゆさくらんぼ
98.寝ころびて瀬音涼しき仏間かな
101.山紅葉最終バスの走り去る
104.阿蘇連山置かれたるごと冬の雪
107.産直の白菜丸ごと売れ残り

22年

108.初富士は天空にあり恋人よ
111.生み立ての卵ひとつや薄氷
114.きんぴらのシャキッと出来ぬ花疲れ
117.涸滝やハーケンひとつ残されて
120.ぼうふらや他人事にはかかわらず
123.台風や別宅より父戻り来る
126.今頃は南瓜の夕餉母ひとり
129.新興の墓淋しくて十一月

109.小鳥来るちゃんちゃんこの手の平に
112.生み立ての卵ひとつや薄氷
115.春燈や秘すこともなき暮らしもち
118.昼顔や真っ当に生き今日(いま)のオレ
121.浴衣着て少女無口になりにけり
124.休暇明けまず教頭の登校す
127.懐にあぶく銭あり鰯雲
130.座布団の赤子無心に湯ざめする

110.日脚伸ぶ君の故郷へまっしぐら
113.青踏や子らのしんがり猫がゆき
116.鮎釣りの故郷の川を懐かしむ
119. 父なき子産んでみるかな夏野原
122.立て膝で蛸食う人も響灘
125.十六夜の大阪で見て京で愛で
128.おでん酒おかみの愚痴もほどよくて
131.行く年や浮き世離れて水の中

23年

132.遠来の従姉妹まぶしき絵双六
135.はからずも宇宙遊泳春の風邪
138.亡き人を殺してみるか花の中
141.郭公や夏子先生バッハ弾く
144.白玉や冷ゆる間の添い寝かな
147..ままごとの宴の後や銀河澄む
150.薄野をぬけ黒髪のからまりぬ
153..手袋を二枚重ねて山仰ぐ

133.老婆らの小さくなりて雪を掻く
136.弟は三月生まれ甘納豆
139.病持て見送る春や深海魚
142.ラベンダ風力発電地中海
145.老若の比丘尼の下駄や川涼み
148.猫もまた素知らぬふりやへこき虫
151.秋さびしろどりーごて名の美容室
154.生かされて哀しくもあり冬の蝶

134.寒明けや隣に横たう女いて
137.亡き人を殺してみるか花の中
140.卯の花腐き一億色の憂いかな
143.少女らのアキレス腱よ梅雨明ける
146.太陽の国に降り立ちサングラス
149.縁切りの庭のぽつんと唐辛子
152.立冬やオぺラ微かに待合室
155.煤払ちょっとずれたる遺影かな

24年

156.初夢は次の世の夢鳥になる
159.春暁や一泊二日バスの旅
162.
165.みどり児の瞳の奥の若葉かな
168.屋根裏の他国暮らしや巴里祭
171.送り火の灰になるまで猫抱かん
174.ナナハンの校門抜けし夜学の娘
177.鼻歌は宮司の女房神の留守

157.日脚伸ぶ自転車の背にバット揺れ
160.うどの香の残る厨房深夜便
163.
166.勤務地は畑ふたりの日除帽
169.母たちのシュプレヒコール蝉時雨
172.晩婚や妻もて見上ぐ秋の空
175.羊水に戻りたき日やそぞろ寒
178.闇汁や男はみんなトムソーヤー

158.ャッターの街を濡らすや二月雨
161.水温む昨日より老い今日の母
164.私には足りない勇気春が行く
167.勤務地は畑ふたりの日除帽
170.風死すや瞬きひとつ孕み馬
173.ボタ山のカンナ燃ゆるや夢のあと
176.オリオンや終の住みかをここと決め
179.*************

25年

180.老猫の昼寝を盗み嫁が君
183.白魚や百の命を笊に受け
186.ビル街をOL走る目借り時
189.右左アルプスふたつ繭干され
192.斑猫や我が師はひとり胸に住む
195.バス亭の視野に入りて夕立かな
198.
老いぼれの闇深くして鉦叩き
201.塩鮭や五人家族の三切れかな
204.夫と酌み問わず語らず去年今

181.大寒の星降る夜に生まれけり
184.淡雪やファーストキスの校舎裏
187.小さき花一人静の名を持てり
190.釣堀や故郷失くす人もいて
193.空蝉の籠に拾われ寂しけり
196.桐一葉逢瀬の果ての軽さかな
199.水澄むや村に静寂戻りけり
202.かじかむ手母に包まれ海渡る
205.ガン告知いつもの店や寒卵

182.旅立つや野焼きの父に見送られ
185.異教徒の瞳無垢なり蜃気楼
188.青蛙洟垂れ小僧もういない
191.若き汗岩に乾くや夏の山
194.夫婦もの背中合わせに昼寝する
197.訪ねれば不在の家に金木犀
200.飼い猫の野放しとなり冬に入る
203.助っ人を待つ間に米の蒸し上がり
206.自死という選択もあり利休の忌

26年

207.凍て返るキャンセル待ちの介護便
210.姉にだけ行き先告げし花衣
213.ひざ小僧四つ並んで苺かな
216.朝焼けの首都うつくし夜勤明け
219.母娘鬼もて吊るす走馬燈
222.メールにて逢いたき候曼珠沙華
225.Uターン我が名呼ばれん冬の蠅

208.午後からは雨の予報や草萌ゆる
211.のったりと鯉の旋回春惜しむ
214.御柱天突くごとく下りけり
217.夕端居爺の擦れし炭鉱節
220.雨月夜や祖母の遺しし読書灯
223.メールにて逢いたき候曼珠沙華
226.猫膝に温めの燗や海鼠喰う

209.一生を働き蜂で猫飼わん
212.古寺に美男の僧や白牡丹
215.熱帯夜銀河鉄道乗り込まん
218.臥せし子に氷菓掬うや銀の匙
221.紅き実の小川をつたう獺祭忌
224.雨近し三々五々と鴨動き
227.冬眠の蛙慎まし命のみ

27年

228.退院の母の化粧や初の空
231.一向に切れぬ包丁菜種梅雨
234.春塵や大道芸人宙に消ゆ
237.
240.春を売る職業もあり風知草
243.稲妻や砂場の隅にウルトラマン
246.鯊釣りや離れてひとり文庫の娘
249.一輪の位置決めかねし夕時雨

229.蝋梅や三島の胸に一輪を
232.春眠や現れ消ゆる個人かな
235.無伴奏落花の中の柩かな
238.鯰池自堕落女糸垂れる
241.撫子や頬染めし癖母ゆずり
244.飼い犬の何処へもゆけぬ無月かな
247.金物屋箒売り切れハロウイン
250.葱甘く九条の空の冴え渡り

230.風花やむかしメットに落ちました
233.アムールの動く気配や鳥帰る
236.母の日や小首傾げし母が来る
239.蚕豆に温もり残る置手紙
242.碧眼に悲しみ宿る原爆忌
245.梨食えば通りてゆけり戦争法案
248.茶の花や働き詰めの叔母逝けり
251.薪継ぐや死にたる人を数えけり

28年

252.小さくなり朝餉に座る年始客
255.卒業の少女恋せよ中央線
258.キリン飛び象の跳ぬるや万愚節
261.路地の奥小さき薔薇のアーチかな
264.んなにも嫌われし蚊の一途かな
267.白木槿母の命の果つるなり
270.町内に人っ子一人体育の日
273.
木枯らしや猫になぞなぞ四畳半

253.はとバスのお国訛りや都鳥
256.入学や遺影の父母に見送られ
259.麗かや座敷童の忍び足
262.走り梅雨通勤の群れに入りゆく
265.もしかして敵は妻かも心太
268.主なきサンダル揃え小望月
271.青蜜柑奔放に生り過疎の島
274.外套や父の背中の広きこと

54.如月の夜のランナー追い抜けり
257.新聞にくるまれ目刺し海の夢
260.短夜や楽しきことを反芻す
263.幻の女相撲や夏大根
266.告知受け安堵もありぬ解夏かな
269.肌寒やポケットの中の小銭かな
272.木枯らしや猫になぞなぞ四畳半
275.水鳥に後ろ姿を見られおり

29年

276.お隣に先を越されし初笑
279.
祖母の忌や甘み増したるほうれん草
282.
************
285.夏場所やのたりの松が風を切る
288.ぬか床にきつめの塩や半夏生

277.破魔矢受く善男善女の皺深き
280.春の闇海鳴りに聞く骨の音
283..
************
286.霊園の花皆揺れぬ青嵐
289.

278.手のひらに三粒乗せたる節分や
281.
************
284.菖蒲湯や赤子の掴む若緑
287.黴臭き慰問袋や母の恋
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

25.手に扇死にゆく雄牛をじっと見る
47.梅雨寒やるすばん猫に煮干買う
61.ふるさとにまだ母のおり女正月
74.炎天や村中午睡犬の糞
81..少年のソプラノ澄みし寒稽古
121.浴衣着て少女無口になりにけり
123.台風や別宅より父戻り来る
132.遠来の従姉妹まぶしき絵双六
143.少女らのアキレス腱よ梅雨明ける
155.煤払ちょっとずれたる遺影かな
170.風死すや瞬きひとつ孕み馬
197.訪ねれば不在の家に金木犀
198.
老いぼれの闇深くして鉦叩き
210.姉にだけ行き先告げし花衣
213.ひざ小僧四つ並んで苺かな
234.春塵を払いて歩む門出かな
253.はとバスのお国訛りや都鳥
255.卒業の少女恋せよ中央線
267..白木槿母の命の果つるなり
279.祖母の忌や甘み増したるほうれん草
288.ぬか床にきつめの塩や半夏生

58.船宿の蒲団干されり日本海
69.初夏の風君の鎖骨をゆるく撫で
88.雲水の素足濡らして春の雪
90.蒙古斑縁側座布団風光る
101.山紅葉最終バスの走り去る
115.春燈や秘すこともなき暮らしもち
120.ぼうふらや他人事にはかかわらず
125.十六夜の大阪で見て京で愛で
126.今頃は南瓜の夕餉母ひとり
133.老婆らの小さくなりて雪を掻く
168.屋根裏の他国暮らしや巴里祭
175.羊水に戻りたき日やそぞろ寒
176.オリオンや終の住みかをここと決め
228.退院の母の化粧や初の空
244.稲妻や砂場の隅にウルトラマン
250.葱甘く九条の空の冴え渡り

36.水くぐる淡きみどりの初若菜
60.野にありて富士を眺むる福寿草
72.佇めば寂と寄りくる金魚かな
85.呆けてゆく父の窓辺や寒椿
119. 父なき子産んでみるかな夏野原
127.懐にあぶく銭あり鰯雲
137.亡き人を殺してみるか花の中
144.白玉や冷ゆる間の添い寝かな
149.縁切りの庭のぽつんと唐辛子
153..手袋を二枚重ねて山仰ぐ
165.みどり児の瞳の奥の若葉かな
173.ボタ山のカンナ燃ゆるや夢のあと
177.鼻歌は宮司の女房神の留守
180.老猫の昼寝を盗み嫁が君
182.旅立つや野焼きの父に見送られ
220.雨月夜や祖母の遺しし読書灯
241.撫子や頬染めし癖母ゆずり
273.
木枯らしや猫になぞなぞ四畳半
277.破魔矢受く善男善女の皺深き


19年

36.知らぬまにくちずさみつつ若菜切る
39.微笑みと同じ色なり朧月
42.葉桜にまた来年と独りごち
45.新緑や描けば描くほど嘘に見え
48.蟻の巣に水そそぎこむ無邪気な目
51.光玉と化して風鈴売り歩く
54.ながれ星終のすみかや胸の内
57.菊の花長じてみれば秋の味

37.腹くちて天空すべる寒鴉
40.雛納め焦るは古い女子ばかり
43.亀鳴きて火影色づく夕間暮れ
46.まら洗う裸の少年背丸く
49.梅干すを知らぬ友あり古里の山
52.群青を味方につけて案山子立つ
55.新そばや香りたぐりて昼の酒
58.*************

38.早春の空を見上げて背すじのび
41.春の夢続きをみんと目を瞑り
44.しゃらしゃらと葉音夏めく木陰かな
47.寄り添いて傘さす二人梅雨の花
50.渓谷に水浴びる子ら紫の口
53.芋も世もむくほどにいや手に負えず
56.ころがるを知らぬ団栗一刻者
59.灯に惑い一夜かぎりの聖夜ミサ

20年

60.十七字素数の中の福笑い
63.雷鳥と足並み揃え雪解山
66.光統べ階調深く白れんの肌
69.酒タバコ雨中に並ぶ桜桃忌
72.マッチ箱そっとすべらせ蛍見る
75.アンカーの目尻に残る暑さ哉
78.どんぶりに新米ひとつぶ残り神
81.まつりごとレゾンデートル虎落笛緑地

61.独楽もまた永遠の命を夢見るや
64.ぴかぴかとランドセルゆき山笑う
67.遠足や水の甘きを知る日なり
70.雲ふたつふとらっきょうを漬けてみる
73.満月の水面に遊ぶ海月かな
76.登高やバカと煙とスキットル
79.深秋の焚き火赤白やがて青
82.くさめして己の人望ゲタ履かす緑地

62.隙間風気にせずとよし自由人
65.春愁のざわめき抱く木立ちかな
68.春昼や求人広告無人駅
71.夏木立月光浴びてざざと啼く
74.炎天や音立てて降る光り在り
77.通学路ネットの継ぎ跡りんご園
80.面映ゆし五十路の父の七五三
83.どうでっか?あきまへんなと年忘れ

21年

84.口ずさむおはらしょうすけ初湯かな
87.蕗の薹浅間の煙りと背くらべ
90.雨上がりあっけらかんと風光る
93.水菓子をつたうシズルや薄暑かな
96.きうり持ち墓前で酩酊餓鬼忌かな
99.夏死なむ辞世の唄か蜩の声
102.*************
105.*************

85.玄関に家人座りおり寒椿
88.春の雪溶けぬ内にと味見する
91.鳥の声聞きて目覚める夏隣
94.息ひそめ窓辺の邂逅守宮影
97.頂きをめざして下向く登山口
100.永き刻想う人あり無月かな
103.阿佐ヶ谷の色なき風に吹かれをり
106.湯豆腐の正しき姿に身を正す

86.考える振りをしてみる懐手
89.よもぎ餅ほおばりて春いただきます
92.ベランダの小さき幟ふうと吹く
95.茎結ぶ口元に紅さくらんぼ
98.遺されし老婆の肩灼く終戦日
101.職人の背中(せな)を見ている竃馬かな
104.冬晴の空見て少し笑ろてみる
107.オリオンの瞬く空に線を描く

22年

108.七五三やり忘れたか成人祭
111.*************
114.天気図に一喜一憂花疲れ
117.暗闇に馬群のごとし夜滝かな
120.ぼうふらや二人区候補に同情す
123.曖昧を蹴散らし蹴散らし台風一過
126.実篤の励ます横に南瓜おり
129.光射す十一月の森の中

109.*************
112.つくしんぼ収穫忘れて駆け回る
115.*************
118.昼顔に半目隠して刑事立つ
121.************
124.かなかなと蜩鳴きて休暇果つ
127.老いらくの慕情つのらせ鰯雲
130.湯ざめした片寄せ結ぶ絆かな

110.つなぐ手の手袋うらむスケート場
113.*************
116.薪はぜて鮎の香りと山の音
119.いきもののエロスにむせぶ夏野哉
122.************
125.************
128.************
131.きしきしと参道踏みしめ歳逝かす

23年

132.シーザーのごとき双六大ばくち
135.潤む目に心配忘れて春の風邪
138.仰ぎ見る事多し今年の花見
141.渋谷路上金髪の郭公が鳴いている
144.形代に大臣と書きて御祓川
147.************
150.すすき原銀の波間に溺れてみる
153.************

133.雪がふる音なき気配に目を覚ます
136.後輩の腕くぐり抜け春の泥
139.また来ると宙返りする鳥雲に入る
142.つれしょんの白髪同窓ラベンダー
145.ひざまくらうちわの風の納涼の夢
148.************
151.************
154.三日月の刃に倒れし冬の蝶

134.ランナーの吐く息薄く寒の明
137.仰ぎ見る事多し今年の花見
140.卯の花下し予定欄を×で消す
143.打水の飛沫かかりて礼を言う
146.サングラス紅いくちびるつけぼくろ
149.************
152.立冬やベンチの脇に遺稿集
155.煤掃きの手を休めて年思う

24年

156.初夢やおのが笑いで起きる朝
159.春暁や地面斜めにせまりくる
162.
165.片思いそっと背を押す若葉風
168.************
171.************
174.************
177.神の留守マッチ片手に芋をほる

157.日本海屋根の小山に日脚伸ぶ
160.胡座かき目を閉じまして独活を食む
163.
166.遠い日の夏帽ふたつシルエット
169.縁側の冷たき床と蝉時雨
172.受験生幅三〇の秋の空
175.************
178.闇汁の湯気にむせ鳴くホトトギス

158.二月空鳶におにぎり子供泣く
161.オーラスの合格発表水温む
164.ゆく春や球音響く調整池
167.************
170.風死せりオンユアマークセットゴー
173.***********
176.ダッフルのポッケに二人オリオン座
179.父ちゃんの懐ぬくし置炬燵

25年

180.台所の食み音かすか嫁が君
183.白魚や千の目玉で春を告ぐ
186.初サラメシはるか向こうのめかり時
189.時が来て繭小屋しんと風が吹く
192.斑猫も振返らない電力大手
195.夕立やゲリラに追われ影ひそめ
198.手を合わせ音無き会話鉦叩
201.塩鮭の皮を集めてひとくさり
204.だんらんも大人ばかりの去年今年

181.大寒や座して林檎の皮をむき
184.淡雪や軽い愛撫で開花待つ
187.************
190.************
193.空蝉を胸に誇らしガキ大将
196.夕暮れて散歩の犬に一葉かな
199.************
202.かじかんだ手に青っぱな昭和の子
205.************

182.畦火にて空への旅路整えり
185.************
188.雨蛙犬と一緒に誰を待つ
191.************
194.遠い日の母の小言に昼寝覚
197.***********
199.火色みて会議始まる夕焚火
203.富士山を崩すがごとく餅を搗く
206.************

26年

207.冴え返る風に名残りを惜しむかな
210.花衣寒さに負けじと臍を出す
213.頂で富士と並べて苺食う
216朝焼けに黒さ増しゆく頂かな.
219.走馬燈ISSから見た地球
222.嵐前そっと杖さす曼珠沙華
225.************

208.遥かなる山脈の白下萌える
211.見晴るかす花影おぼろ春惜しむ
214.地の下の祭りに渇き朝ビール
217.孫たちの声聞き独り端居かな
220.雨月とは名ばかりの空スーパームーン
223.嵐前そっと杖さす曼珠沙華
226.************

209.蜜蜂の春の稼ぎをお裾分け
212.木漏れ日の光集める花王かな
215.************
218.************
221.************
224.鴨独り派手な出で立ちもてあます
227.冬眠の熊も呆れる初当選

27年

228.************
231.************
234.献杯の静かな声に春の塵
237.
240.風草や孤高の人の自尊心
243.稲妻や天地の絆切り結ぶ
246.鯊飛んで岸辺の仲間火を熾す
249.男と女一歩踏み出す片時雨

229.************
232.************
235.恬淡と次世代見つめる落花かな
238.あちこちでくさめをばする鯰かな
241.***********
244.隠れゆく重さにおののく無月かな
247.************
250.葱食べて大人になるを知る夕餉

230.************
233.************
236.母の日や丸いお山に手を添えて
239.つられ見る蚕豆の青天の青
242.***********
245.梨喰うて頬膨らませただ首肯
248.茶の花や少しかがんで空を見る
251.物語る始めにありき夕焚火

28年

252.寿ぎの電子飛び交う年賀かな
255.目を伏して母に挨拶卒業の日
258.四月馬鹿社畜となりて大仕掛け
261.枯れてなお矜持を保つ薔薇かな
264.蚊柱に無言で飛び込む独り者
267.白木槿リオにも咲いた四十一
270.
体育の日赤白黄色空は青
273.渋谷クロス魔物集まり凩

253.大橋のてっぺん何見る都鳥
256.入学をやり直す日の夢を見る
259.雲に描くあの子の寝姿うららけし
262.走梅雨 雨のすき間を走る夢
265.************
268.足るを知りほどほど幸せ待宵の月
271.色溢る山の頂青みかん
274.外套の賢治百人満員電車

254.如月や日雇人夫の首に風
257.信号待つ新人らの影目刺しかな
260.短夜や始発待つ娘の首白
263.夏大根葉っぱ皮までいただきます
266.海辺にて目細めたり解夏の僧
269.単線の果ての枯草肌寒し
272.新海苔や刻む断ち音も芳しき
275.人間(じんかん)の苛立ち嗤う浮寝鳥

29年

276.鳥の目も獲物捉えし初笑い
279.法蓮草南無阿弥陀仏 朝御飯
282.喧嘩して泣いてる子がいる勿忘草
285.夏場所の鬨聞き解散ガキ大将
288.昼下がり五体投地の半夏かな

277.青空に破魔矢の煙直ぐに立ち
280.春の闇仰げば白い爪の跡
283.ジンケンも味見してみる蜆汁
286.青嵐鎮守の森も歩き出す
289.

278.大人所帯気付かぬうちに節分会
281.近距離にのぼせる純情春炬燵
284.勝ち負けもそろそろいらぬが菖蒲湯(とう)
287.古里の人無き家の影の黴
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

156.初夢やおのが笑いで起きる朝
248.茶の花や少しかがんで空を見る

68.春昼や求人広告無人駅
87.蕗の薹浅間の煙りと背くらべ
116.薪はぜて鮎の香りと山の音
204.だんらんも大人ばかりの去年今年
208.遥かなる山脈の白下萌える

118.昼顔に半目隠して刑事立つ
194.遠い日の母の小言に昼寝覚
244.稲妻や天地の絆切り結ぶ


19年

48.夕焼けの染めし眼鏡に息を呑む(参考)
51.じりじりと縊る風鈴風も絶え
54.微笑めど眉庇の影流れ星
57.遺されてひとり寝の数菊の弁

49.顧みし不義理の数や夜店の灯
52.禄を捨て吊るせし背広案山子かな
55.肩越しは隻眼の猫月が見る
58.夜は冷め朝深情け布団かな

50.宿酔い要らぬお頭で西瓜割り
53.愚痴も無し納戸の闇や忘れ芋
56.団栗に詰まりし夢も虫喰いて
59.降誕祭愚者三人街を往く
244.稲妻や天地の絆切り結ぶ

20年

60.ふるさとに揃わぬも吉福笑い
63.学友(ルビ:とも)は発ち我胸鎮め追試験
66.もろともにせせる叱言や蜆汁
69.袖無しの眩し柔肌初夏のひと
72.星なき夜はぐれ蛍にみちびかれ
75.精勤をふと悔いてみる残暑かな
78.新米や食われるならば姉御肌
81.寒稽古坊主頭の陸蒸気

61.ぬくぬくと留守番手酌女正月6
4.待ちわびて狂うてみたき日永かな
67.信濃路や烏合囀り赤い旗
70.わが打算振り切りて勝て競馬馬
73.情け事逆さ海月や失せし灯よ
76.後れ毛や昼寝をつっつく猫じゃらし
79.秋深し冷えるその手を繋ぎかね
82.雪女照れつ注ぐは燗冷まし

62.隙間風逝きし駄猫の通り道
65.風染みる指輪の痕や春愁い
68.春昼や幽体離脱捨て置きて
71.ほの白き君と迷いし夏木立
74.炎天に影滲みつけて待ち惚け
77.*************
80.七五三慣れぬ背広の胸を張り
83.後悔を焚付けにする古暦

21年

84.月満つる胸乳に寄せし初湯かな
87.蕗の薹苦いと告げし君ほのか
90.煙草銭雀隠れに呑み込まれ
93.風も止み独り寝饐えし薄暑かな
96.噴水にまぎれて好きと言ってみる
99.淵に立つ背中に蜩降り積もる
102.野に埋けてとむらい託す赤蜻蛉
105.湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒

85.寒椿真白き黄泉の道しるべ
88.陸を往く野望を孕む蝌蚪蜷局
91.夏隣言い出せぬまま焦がれし日
94.負け犬の倒れて咽せしどくだみや
97.登山道悔いの野晒し踏み砕き
100.白桃の産毛あやうく触れかねて
103.流れ星願いをキスに盗まれて
106.湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒

86.君を呼び鮫の背鰭を見失い
89.三月やバスが来るまで側にいて
92.空を見よ策は無用と幟旗
95.宵待ちて噛まぬ願掛けさくらんぼ
98.目を閉じる夜凉はきみの洗い髪
101.竈馬殺してと君蒼ざめて
104.木枯しや切らる身未だ残りけり
107.牡蠣を剥き君の口唇盗み見る

22年

108.衿ゆるめ若菜摘む君頬紅く
111.薄氷を割らぬ逢瀬もこれかぎり
114.花疲れ空(くう)にまさぐる膝枕
117.仰 ぎ見し滝に真白く胸裂かれ
120.ぼうふらの眠りに猛る魚放つ
123.台風の逸れて降る雨舌打ちし
126.せがまれて南瓜に怪し顔穿つ
129.外套と十一月の風と舞う

109.鮟鱇や水圧の夢腑分けられ
112.子らは去り石鹸玉失せ立ちつくす
115.春の灯を消そうといえず朝がきて
118.昼顔や絡みて踏まれなおも咲く
121.いつの間に帰れぬ二人宿浴衣
124.休暇明けまずは電車を乗り違え
127.鱗雲数えて長き夜を待つ
130.仕舞い風呂湯冷めを肴(あて)に燗をつけ

110.夜も冴えて今更きみに何を問う
113.青き踏む足裏白く目にしみて
116.身の程を知りて放せし鮎苦く
119.転けまろび青野に追いし兄の影
122.蛸ぶつや鱒二のあれはなんだっけ
125.十六夜や風来坊に惚れて待つ
128.虚をつかれ親父おでん屋迷い箸
131.年はふと厠立つ間の闇流る

23年

132.双六や上がるに上がれぬ不義の道程(みち)
135.可愛い君ドアでまたねと春の風邪
138.歩をゆるめきみの香を追う春の宵
141.なさぬ子や閑古鳥の子大喰らい
144.ふと黙る音無く喘ぐ草いきれ
147.鉄騎夜行銀河押し渉るエキゾースト
150.ふりまわす尾花に紛らせ思い告ぐ
153.手袋や返せぬ片っぽ女物

133.雪抱く色のすべてを仇にして
136.初心なくせ何故袖をひく茨の芽
139.荷風忌やひとり去る日を待ちて呑む
142.ラベンダー理科室に追う少女の日
145.嫁御には内緒の荷を待つ門涼み
148.************
151.風のなか俯く秋思を抱きすくめ
154.羽ばたきて世界を砕け凍てし蝶

134.携帯の未練を消去寒明ける
137.地の滅び陽炎越しに旋律(おののき)て
140.女傘卯の花腐し振り向いて
143.溽暑なり衿むしり空け彼奴を追う
146.グラサンの似合う男がひとり去り
149.黄金のアリオリ点睛とうがらし
152.朝帰り酒場の表冬が立つ
155.わが留守は吉兆なるぞと煤逃げる

24年

156.初夢は傍らの寝息腕枕
159.毒を吐きつくし春暁に泣く女
162.裏切るも赦すも不慣れ春尽きて
165.************
168.銀輪は山岳の華パリまつり
171.送火の濡れし燃え殻朝ひとり
174.荒み果て出禁食らうも夜学なり
177.万策も尽きて手あわす留守の宮

157.日脚伸ぶ流るゝエンニオモリコーネ 
160.独活仕込む菜切りが断ちしうす未練
163.
166.微笑んでおれのパナマを尻に敷く
169.蝉の音を消し吐息だけふたりきり
172.秋天やうそ泣きなみだ吸いこまれ
175.愛尽きてなお追う義理やそぞろ寒
178.骨揚げの箸の運びや闇汁会

158.温みなき光身を刺す二月かな
161.君の肩抱く勇気や水温む
164.裏切るも赦すも不慣れ春尽きて
167.かけられぬ番号見つめて梅雨ごもり
170.不義もまた午睡の夢よ風が死す
173.背の高い女のような花カンナ
176.オライオン黒き車を導きて
179.虚空ゆく我と炬燵や世の終わり

25年

180.お前だけ出て行かぬのか嫁が君
183.白魚や抗う無垢を噛みしめる
186.目借時瞼の静脈空の蒼
189.こころ読む糸口失せて硬き繭
192.斑猫や死は極彩のたどり道
195.夕立やシャツに肌色滲ませて
198.鉦叩闇は動かず魂さわぐ
201.新巻を名画の姿にもてあまし
204.闇もまたわが行く手なり去年今年

181.大寒や耳打ちの温み抱いてゆく
184.淡雪や赦しに溶けて地に沁みて
187.夜の底捨てた眉刷く草の事
190.釣堀や囲われものに地の利かな
193.空蝉や空よあと七日蒼くあれ
196.鍵残す二度と見ぬ窓一葉落つ
199.水澄みて沈める村に気配あり
202.かじかんだ指切りあんた嘘が下手
205.暇乞う身に有難し寒卵

182.燃え尽きて尽きぬ未練や野火のあと
185.嘘ばかり海市生まれのあん畜生
188.雨蛙俺の女傘見咎める
191.夏の山スキヤキソング永遠に抱く
194.頬深く昼寝の烙印籐枕
197.嘘つきがひとり木犀の香に追われ
200.短日も口実なり縄のれん
203.餅搗きは遠き鼓動や熱の床
206.聞こゆるは我が足音のみ利休の忌

26年

207.幇間がふと消す笑みや寒戻る
210.襟元の頑なせつなき花衣
213.告白を苺で塞ぐ白い指
216.呑み明かし朝焼け背にす別れなり
219.走馬灯みんなバターになっちまえ
222.空の息止めて血飛沫く曼珠沙華
225.湯気の雲越えて冬蠅空元気

208.縁もなき土地の車窓や畦青む
211.ゆく春の手ざわり生まれもしない恋

214.宵宮の灯り逃れる二人かな
217.端居して李白の月を追うてみる
220.惜別のかすかな笑みや雨月かな
223.空の息止めて血飛沫く曼珠沙華
226.事もなく来世も海鼠で生くるべし

209.蜜蜂は二撃無き身を誇り死す
212.
落魄を秘めて緋牡丹円かなり
215.熱帯夜未練の腕(かいな)へ身を投げて
218. 友偲ぶ喪服のままの氷菓かな
221.積ん読の高き砦や獺祭忌
224.照準に気づかぬ鴨やわれもまた
227.うつし世を逃るる術なく冬眠す

27年

228.初空や子らの笑顔と空財布
231.傘持たぬ男待たせて菜種梅雨
234.春塵は性悪巻かれてひとりきり
237.
240.風知草逃げるあるじの行方知る
243.闇捨てた街稲妻が打ち据える
246.ら犬と猫従えて鯊を釣る
249.打を目深に時雨やりすごす

229.蝋梅に虚ろ透かして恋は果つ
232.春眠やここに此岸は果つるなり
235.ひとひらの落花を拾うような恋
238.まるます屋鯰はからりとうす衣
241.
撫子の色見失う正午かな
244.しばらくは泣かずに歩く無月かな
247.気がつけば菓子が肴のハロウィン
250.忙中に忘我となりて葱刻む

230.風花や地球の白い吐息かな
233.さざ波を心に残し鳥帰る
236.母の日やふと空仰ぐ理由を知る
239.あちあちと空豆むく手冷やす杯
242.撫子の色見失う正午(まひる)かな
245.ふと君は黙りぞんざいに梨を剥く
248.茶の花よみどりの夜にともる灯よ
251.灰皿の焚火恋文呑みつくし

28年

252.お互いに留守を訪ねた年賀かな
255.証書筒虚ろ覗いて卒業す
258.四月馬鹿つい口走る本気かな
261.薔薇垣にこころ預けて血が滲む
264.貸間見て見えぬ留守居の蚊がひとつ
267.底紅や郵便受けに返す鍵
270.いちどだけ号砲撃ちたし体育の日
273.木枯が止んで佇む死が見えた

253.知らぬ街海をめざせと都鳥
256.入学や古びた木の床アウェイなり
259.麗かやあきらめ開く愁眉かな
262.傘ひとつ口実にした走り梅雨
265.ところてん打ち明け話の間がもたず
268.待宵や十四歳の自分と旅に出る
271.さよならの名残り手渡す青みかん
274.脱ぎ捨てたコートのため息夜ひとり

254.如月や蓋の開かないジャム残
257.宴果て燠も名残か目刺焼
260.短夜にグラスを重ね追いすがる
263.夏大根おろせば酒毒も下りてゆく
266.だれひとり知られぬ恋を捨てて解夏
269.肌寒は人の罪なり猫を抱く
272.新海苔や酢飯孕みて艶を増し
275.浮寝鳥われも用無し懐手

29年

276.長居客やっと帰った初笑い
279.ほうれん草巻き簀で気合いを入れ直し
282.忘れれば傷跡ひとつ勿忘草
285.夏場所や放つ大技静寂(しじま)なり
288.いつもより短めにして半夏生

277.破魔矢射る弓は物差大目玉
280.人肌に抱きすくめられ春の闇
283.蜆汁叱言やさしく胃に沁みて
286.あたたかなその手ふりほどき青嵐
289.

278.節分や鬼と呼ばれし人の尊き
281.
猫さえも去った我が城春炬燵
284.菖蒲湯やブーケガルニと笑われて
287.*************
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

83.後悔を焚付けにする古暦
218.友偲ぶ喪服のままの氷菓かな
231.傘持たぬ男待たせて菜種梅雨

59.降誕祭愚者三人街を往く
75.精勤をふと悔いてみる残暑かな
106.湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒
180.お前だけ出て行かぬのか嫁が君
212.
落魄を秘めて緋牡丹円かなり
217.端居して李白の月を追うてみる
226.事もなく来世も海鼠で生くるべし
241.
撫子の色見失う正午かな
265.ところてん打ち明け話の間がもたず
266.だれひとり知られぬ恋を捨てて解夏
267.底紅や郵便受けに返す鍵
268.待宵や十四歳の自分と旅に出る
281.猫さえも去った我が城春炬燵

52.禄を捨て吊るせし背広案山子かな
53.愚痴も無し納戸の闇や忘れ芋
62.隙間風逝きし駄猫の通り道
81.寒稽古坊主頭の陸蒸気
91.夏隣言い出せぬまま焦がれし日
170.不義もまた午睡の夢よ風が死す
185.嘘ばかり海市生まれのあん畜生
199.水澄みて沈める村に気配あり
252.お互いに留守を訪ねた年賀かな
258.四月馬鹿つい口走る本気かな
274.脱ぎ捨てたコートのため息夜ひとり
288.いつもより短めにして半夏生


19年

51.風鈴に寂しさ重ねる別れかな
54.初恋の記憶を辿る檸檬かな
57.冬支度どんどん進む財布かな

52.ひとり夜のバーボンソーダ蚯蚓鳴く
55.午前様車窓の月の癒し受け
58.短日や茜に染まる摩天楼

53.時の鐘芋の集まる我が母校
56.団栗もいつしか差がつく頃になり
59.己より出前のサンタ先に来て

20年

60.福笑い天下美人も器量負け
63.母の愛入試の朝のカツサンド
66.蜆汁すすりて肝に詫びる朝
69.ふと気づく父のちひさき初夏の影
72.幾度目の夏ともにする金魚かな
75.黄門様無花果甘し宴後
78.松茸やちょっと小ぶりと君は云ひ
81.あなたにも届いてほしいもがり笛

61.独楽あそび紐を巻き巻き日暮れかな
64.くしゃみして誰か噂か山笑う
67.遠足や山若々し童声
70.昼下がり接吻阻む辣韮かな
73.陽を浴びてトマトますます甘くなり
76.登高やケーブルカーの下りかな
79.銀杏や不意の放屁を隠すなり
82.父帰る遠く聞こゆる嚔かな

62.胸痛し愛なき夜の隙間風
65.春愁や恋花の咲く気配なく
68.ベランダで温き陽浴びつ新茶かな
71.怪童の白球消ゆる夏木立
74.若人よ我はビールに育まれ
77.秋雨や辞任引退Bクラス
80.むすめより母めかし込こむ七五三
83.わが叫び世に届かざる年忘れ

21年

84.手毬つき子らと楽しむ影法師
87.のどかさやローマの休日よれよれれ
90.空高く白球消えて風光る
93.髪を結ふうなじ光りし薄暑かな
96.噴水にちひさき靴のふたつみつ
99.懸命に息あわせつつ踊りかな
102.古き友たずねて来たり赤とんぼ
105.湯豆腐や冷めた心もあたたまり

85.*************
88.我よりも蝌蚪は元気に泳ぐなり
91.*************
94.新枕壁にちひさき守宮をり
97.いつの間に父を越えたる山登り
100.禁断の恋焦がれゆく大文字
103.穴惑ひやうやう気まずくなりにけり
106.湯豆腐や冷めた心もあたたまり

86.店員の声がけを待つ懐手
89.三月や旅立つ友に花よ咲け
92.幟立て我はここぞと叫ぶ夜
95.片想ひ文をしたたむ業平忌
98.白球や豪打一閃音凉し
101.恋色に染まって散りぬもみじかな
104.ジョギングやいつもの道の息白し
107.*************

22年

108.初富士や今年も降るる山の神
111.うすらひや忘られぬかな忘るかな
114.地下鉄の車窓に映る花疲れ
117.中仙道飛沫をあげる女滝かな
120.孑孑や刺さねば憎きこともなし
123.台風の去りて一瞬もの思ひ
126.町内に南瓜の飾り馴染みけり
129.忘却の誓ひを辿る十一月

109.ちゃんちゃんこ着ぬと頑固な親父かな
112.恋心せせら嗤うか石鹸玉
115.*************
118.*************
121.はんなりと石鹸香る浴衣かな
124.ことさらに語ることなき休暇明け
127.カーテンに何を隠すか鰯雲
130.*************

110.恋路とて思ひたゆまば春遠し
113.青き踏むあらたな道を感じつつ
116.鮎釣りや腰手ぬぐひの色あせて
119.灼熱を素足で踏みつ夏野かな
122.露天風呂真っ赤な蛸の茹であがり
125.いざよいや呑みに行こかな帰ろかな
128.女子会やおでん煮詰まる恋話
131.ゆく年や昭和も遠くなりにけり

23年

132.*************
135.階段に咳こだまする春の風邪
138.振りかへり一瞥くれるさくらかな
141.郭公や源治泰源夢のあと
144.*************
147.きらきらと夢ながれゆく銀河かな
150.枯れすすき雨風つよく感じをり
153.手をつなぐ照れ手袋に隠しをり

133.*************
136.苗植うるここでかならずまたいつか
139.*************
142.ラベンダー故郷に似た香りあり
145.暗きみち背で感じる納涼か
148.放屁虫朝のあいさつケ・セラ・セラ
151.届かざるジャイアンツ愛愁思かな
154.馬敗れ我凍蝶のごとしなり

134.寒明けや合格絵馬の雪解けて
137.振りかへり一瞥くれるさくらかな
140.哲学書読むは卯の花くたしかな
143.長梅雨や明けて白肌輝かむ
146.サングラス額でひまをもてあまし
149.禍ありて赤み増したる唐辛子
152.立冬や暖かくとも襟を立て
155.はしご酒こころの檻のすすはらい

24年

156.初夢や今年も仕事に追わるるか
159.春暁や追ひかけ追ひかけヨーロッパ
162.
165.若葉してほのかに甘い深呼吸
168.とっときの葡萄酒あけるパリー祭
171.送り火や荒野の果てにいのちあり
174.パリ宛の手紙したため夜学かな
177.*************

157.ジョギングのリズムも軽く日脚伸ぶ
160.独活を煮る先に一杯飲ろうかな
163.
166.夏帽子まるひろの美女今いづこ
169.鳴く蝉や終わりし恋を唄うかな
172.*************
175.ホタル族となり近所のそぞろ寒
178.闇鍋や悲喜交々が煮立ちつつ

158.明日からとくりかえし早二月かな
161.水温む夫婦喧嘩も止みにけり
164.行く春や負けるもんかとつぶやけり
167.梅雨ごもりひねもす天パ伸ばしをリ
170.風死して白球消ゆる右中間
173.カンナ咲く素顔のままのうつくしさ
176.トライスターオリオンを背に飛び立てり
179.*************

25年

180.嫁が君待てど暮らせどあらわれず
183.鍵盤に白魚踊るリストかな
186.君もとめ舟を漕ぎ出す目借かな
189.糸をとる繭の中にはこころあり
192.斑猫や色に惑ひぬ我を噛み
195.夕立と一球に泣く球児かな
198.つぶやきも風に消ゆるか鉦叩
201.黙々と塩鮭つつく夫婦箸
204.***********

181.大寒や吐息を照らす月あかり
184.淡雪の荒野を覆う刹那かな 
187.帰りみち一人静の頬紅く
190.釣り堀やつれなきものの集うかな
193.空蝉や憂き世に残す笑顔かな
196.桐一葉ゲームセットを告げしかな
199水澄みて鳥いきいきと善福寺
202.悴みて乱筆御免宛名書き
205.***********

182.迷いごと秘めごともみな野焼きかな
185.初恋のうつくしきひと蜃気楼
188.呑めずとも楽しきかなと雨蛙
191.夏の山子ら口ずさむヨロレリヒー
194.片想ひ昼寝の中で成就せり 
197.木犀のかほりなつかし厠かな
200.霜踏みて新天地への決意かな
203.餅を搗く父の姿を探しをり
206.***********

26年

207.***********
210.***********
213.***********
216.***********
219.**********
222.スナックや夜を彩る曼珠沙華 
225.生気なき我を嗤ふか冬の蠅

208.***********
211.***********
214.***********
217.***********
220.あの人の姿も見えぬ雨月かな 
223.スナックや夜を彩る曼珠沙華 
226.やい海鼠今年こそ君を逃がさぬぞ

209.***********
212.***********
215.***********
218.***********
221.海すみて遠きを想ふ子規忌かな
224.ちらちらと鴨を惑わす街灯り
227.覚めるなら冬眠するも悪くなし

27年

228.澄みきりし初空仰ぐ故郷かな
231.菜種梅雨刈りたての髪濡らすかな
234.***********
237.
241.山道や一瞬の涼風知草
243.稲妻や恋のピリオドふたつみつ
246.鯊を釣る父と子見ゆる隅田川
249.夕時雨コートを傘に駆け抜けり

229.襟立てて唐梅くぐる朝のみち
232.春眠や涎の海を泳ぐかな
235.
***********
238.***********
241.撫子や男勝りに咲くもよし
244.ウヰスキー氷を鳴かす無月かな
247.ハロウィーン平成の世のえじゃないか
250.葱一本エコバッグより覗きをり

230.***********
233.グラウンド響く球音鳥帰る?
236.母の日や集う子ふたり母ふたり
239.そら豆やぷうんと香る父の足
242.球場にイマジン響く原爆忌
245.恋なんて水ものなのと梨かじる
248.***********
251.ほっこりと笑顔が集う焚き火かな

28年

252.お早ようと夫婦ふたりの年賀かな
255.卒業す明日はライバル同士なり
258.四月馬鹿ジョークは冗句バカは馬鹿
261.うっすらと昨日の記憶赤いバラ
264.0型の私がひとり蚊の餌食
267.湯上りの涼を彩る白木槿
270.
***********
273.木枯しやカタカタと鳴く古看板

253.ふるさとを想ひて泣くか都鳥
256.入学す老いも若きも同級生
259.デーゲームビール片手にうららかな
262.***********
265.*叱咤怒号つるっと流すところてん
268.待宵や幼子が泣き空も泣き
271.母からの書き置きのうえ青みかん
274.古外套年月ぶんの重さかな

254.如月やかさねた嘘の寒きか
257.候補者にゲスはばかりて目刺焼く
260.短夜や夢見ごごちの尿意あり
263.にょきにょきとビーチ彩る夏大根
266.白球の外野に消えて解夏となり
269.肌寒や昼夜機嫌の変わり様
272.
新海苔やほんのり香る安芸の海
275.水鳥や未だ飛ばずの四十かな

29年

276.***********
279.ザクザクとほうれん草の朝餉かな
282.廃線に勿忘草のひとつ咲
285.夏場所や贔屓の力士見つけたり
288.飲みにいく道あかるくて半夏かな

277.乱の世破魔矢に託すYes we can
280.不惑なる四十路は遥か春の闇
283.箸先で出汁をくすぐり蜆汁
286.青嵐心も傘も引きちぎり
289.

278.節分や赤子を抱きて福は内
281.コンビニのざるそば啜る春炬燵
284.菖蒲咲く鉄橋をゆく旅列車
287.草野球さあグローブの黴落とし
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

252.お早ようと夫婦ふたりの年賀かな

82.父帰る遠く聞こゆる嚔かな
244.ウヰスキー氷を鳴かす無月かな
282.廃線に勿忘草のひとつ咲

116.鮎釣りや腰手ぬぐひの色あせて
221.海すみて遠きを想ふ子規忌かな
247.ハロウィーン平成の世のえじゃないか
275.水鳥や未だ飛ばずの四十かな


21年


99.天水や鉦に色めく阿保踊
102.鉄棒の錆の匂ひや草の花
105.白鳥の雁に交じらじ北の湖

97.百日紅シフォンのスカーフ絡まって
100.一号線辻は曇天曼珠沙華
103.朝澄みし少女転びぬ栗林
106.白鳥の雁に交じらじ北の湖

98.くさまくら潮騒涼し夕日ごろ
101.とっくりに挿されたたるもの今日もみじ
104.ちょび髭の売る絹怪し冬の市
107.深夜バス降りそこねるや年の暮

22年

108.たくましき昭和の行きかう初観音
111.薄氷や百年の井の終わりかな
114.花疲れ数へし虚の二つ三つ
117.重力や話す言なく滝ながむ
120.番町や孑孑しずむ井戸のやみ
123.はばたきや台風近し森のみち
126.唐茄子をつつく鴉や畑の暮れ
129.十一月晴れてスカート日和かな

109.あんこうの顎はずしおり猫の鳴く
112.方丈に風残りたる土筆かな
115.春燈へ帰る男の背中かな
118.昼顔の襞に虫這ふ午後長し
121.おさがりの浴衣の長し女物
124.九時二分足踏まるるや休暇明け
127.国境に内外のあり鰯雲
130.あてのなき抜き襟見らる湯ざめかな

110.友ありて飲むサングリア冬終る
113.青き踏む葬列風を進みをり
116.星降るや炎に光る鮎の塩
119.東雲やいのち明るき夏野かな
122.蛸の口見つけてあはれ海の幸
125.十六夜や水牛の櫛蘇州より
128.こんな日もおでんを分つ家族かな
131.ゆく年やしぼみし父の靴磨く

23年

132.双六に賭ける明日や路地の奥
135.夜昼の境なき恋春の風邪
138.千年の桜を植うる庭師かな
141.郭公や風に萌黄を置きて去ぬ
144.空蝉や主なき茶室の戸を開く
147.喪の庭をただ横切れるあまの川
150.制服の肩で泣きをり川芒
153.いびつにも添ふ手袋や海の村

133.ひそむれば雪ふる音と息す音
136.蘖や雨ニモマケズと言ふてみる
139.蝶追ふや首あげれば八雲あり
142.パリ遠し女の鎌にラベンダー
145.橋涼み二度会うことなき流れかな
148.屁放虫グッチのタイに収まりぬ
151.斑鳩の石なめらかや秋思ふと
154.凍蝶や往来止まぬ数寄屋橋

134.寒明や泥に喜喜とす鳩の顔
137.かげろふや調子はずれのDの音
140.わかれるや卯の花腐し箱を折る
143.妹や泣きつ白玉ほおばれり
146.なみだとかないことにしてサングラス
149.闇夜にも艶放ちたる唐がらし
152.イヤホンを分つふたりや冬に入る
155.うしろ手に後光隠すや煤払ひ

24年

156.初夢の飯白きのみ覚えけり
159.春暁や老爺モップで新と書す
162.
165.雨下りて若葉ますます峡の道
168.巴里祭息子を避けし砲弾や
171.おくり火のきえる静寂や咽ぶ声
174.ばあ様が鉛筆にキティ夜学開く
177.新橋を駆ける鼠や神の留守

157.泥道に銭拾ふなり日脚伸ぶ
160.独活が香やポケット震はす人のをり
163.
166.着飾った夏帽行くや丘の墓地
169.夜伽して明ければ蝉のしぐれかな
172.別れれば広き世界や秋の空
175.西洋の仮装騒ぎやそぞろ寒
178.ぷぷぷりと皮何者や闇夜汁

158.空に枝待つものどもの二月かな
161.水温む掴んだ指のながさかな
164.行く春や列車の窓は嵌めころし
167.*************
170.風死ぬや肌を這う虫眺めをり
173.この道もカンナ咲きてゆき止まり
176.ゆくやベルト新しきオリオン座
179.敵様を炬燵でもてなすをんなかな

25年

180.*************
183.白魚や命噛み切り今日も在る
186.本部長あらわれいよいよ目借時
189.血も情も飢えも写すや繭光る
192.会ひたさや墓の裏より道をしへ
195.夕立や象の背を分け進みをリ
198.目の見えて読書たのしや鉦叩
201.塩鮭や姑の言ふも一理あり
204.着くまでは揺られ揺られて去年今年

181.大寒の土方ひる寝や日は自陣
184.古書の家出れば淡雪まつに消ゆ
187.好日やひとり静に日の届く
190.釣り堀や飽いた娘にパン食わす
193.果つるまでただ生きるかな蝉のから
196.桐一葉愛の出玉も尽きるかな
199.クリークは空も流すや水澄めり
202.や堂々めぐりは電池切れ
205.さびしさや女は寒卵を食べる

182.野火つくやあわてて渡る流れ橋
185.髪巻きし我がまぬけや蜃気楼
188.ベランダの安気満つるや雨蛙
191.連絡は取れぬと言ひて夏の山
194.あらかたの音風に消ゆ昼寝どき
197.長崎や木犀の香にもマリヤさま
200.傘あれば大丈夫まだ初時雨
203.杵取りし爺は男や餅を搗く 
206.利休忌や薄き茶杓に載る命

26年

207.老犬は難儀の顔や凍返る
210.*************
213.
悲しみも長く続かず苺喰ふ
216.
*************
219.喰ふて暮れ灯し廻るや走馬灯
222.曼珠沙華出家を誘う青いそら
225.執着は南窓にあり冬の

208.下萌えや病人おいて歩く夜 
211.*************
214.列切れてまた混沌や夏祭り
217.端居して故郷おもふや港町
220..*************
223.曼珠沙華出家を誘う青いそら
226.海鼠切る祖母はとっくに砥石出す

209.***********
212.妖怪の粧しこみをり牡丹寺 
215.*************
218.腕節に見とれ氷菓を舐め急ぐ
221.碗欠くも米の甘さよ糸瓜の忌
224.澤立つや太めの鴨のしたり顔
227.落ちそうな戦闘機よぎる冬眠の田 

27年

228.女とて初空のあり大志あり
231.菜種梅雨売り声響く外野席
234.春塵にまつ毛なくすや初デート
237.
240.風知草ひかりの重みに谷を向き
243.黒雲を割って稲妻鳥失せる
246.鯊釣りて揚げてほおばる日暮れかな 
249.橋や犬猫も走りだす時雨 

229.蝋梅やつられてほどく懐手
232.春眠の風くすぐるや足の趾
235.ホスピスの庭も等しく飛花落花
238.鮫鮫と言う子うるわし鯰釣り
241.撫子や主の死んだ荒れ庭に
244.東京は無月モスクで祈る人
247.ハロウィンや石屋の孫のミス・ゾンビ 
250.禍も過ぐやすすげばつるり葱の尻

230.蝋梅やつられてほどく懐手
233.ままごとの卓も富めるや鳥帰る
236.母の日や母らの声で市場満つ 
239蚕豆やマザコンたちの喜びぬ
242.陽気なる女将の黙や原爆忌
245.汽車の夜重き荷を解き梨をむく
248.剪定を出し抜き茶花盛りをり
251触れるまでよって焼けよか夕焚

28年

252.モヒカンの剃り慎ましや年賀の日
255.
************
258.きりんにもまたがる男や四月馬鹿
261.売れるもの売って生きるや薔薇の花
264.読経や脛に殺めし二三の蚊
267.白色の木槿ゆらゆら魚捨つ
270.爪の泥こするや体育の日の暮れる
273.凩や壊れた耳に指いれる

253.白髭はパンを投げるや都鳥
256.一張羅のシミ手で押さえ入学す
259.春うらら椅子うまりたる床屋かな
262.ドリブルでおりる階段走り梅雨
265.雲行きもひとも曖昧ところてん
268.待宵の雲光り出すやペダル踏む
271.くじを売る女差し出す青蜜柑
274..光る新宿コートはやや古し

254.きさらぎの泥へつぎつぎ生きるもの 
257.その日まで生きる目刺しの腹苦し
260.短夜や男去らぬと忍び足
263.身代わりに糠に埋める夏大根 
266.解夏近し窓にばたつく羽音かな
269.相槌も尽きて茶ばかり肌寒し
272.新海苔に口黒くして0歳児
275.水鳥のだみ声不吉夜の恋

29年

276.鳥居遠し踵返して初笑
279.嘆くまい泥も芳しほうれん草
282.断崖のわすれな草や天主堂
285.夏場所や投げにつくねの転がりぬ
288.遠い日も今日も怒れり半夏生

277.風破魔矢を放つ日も近し
280.春の闇頬で感じる土の熱
283.真似事の家や黙って蜆汁
286.
見送りて日々に戻りぬ青嵐
289.

278.節分や宙に舞いたる紙の鬼
281.言い訳の抽斗開ける春火燵
284.冒険や菖蒲の青で血を拭う
287.の香や恋も昔もごみ箱に
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

102.鉄棒の錆の匂ひや草の花
125.十六夜や水牛の櫛蘇州より
146.なみだとかないことにしてサングラス
206.利休忌や薄き茶杓に載る命
20.
蝋梅やつられてほどく懐手
254.きさらぎの泥へつぎつぎ生きるもの 

112.方丈に風残りたる土筆かな
127.国境に内外のあり鰯雲
137.かげろふや調子はずれのDの音
158.空に枝待つものどもの二月かな
172.別れれば広き世界や秋の空
213.
悲しみも長く続かず苺喰ふ
229.蝋梅やつられてほどく懐手
240.風知草ひかりの重みに谷を向き
245.汽車の夜重き荷を解き梨をむく
264.読経や脛に殺めし二三の蚊
276.鳥居遠し踵返して初笑

104.ちょび髭の売る絹怪し冬の市
136.蘖や雨ニモマケズと言ふてみる
156.初夢の飯白きのみ覚えけり
192.会ひたさや墓の裏より道をしへ
236.母の日や母らの声で市場満つ 
259.春うらら椅子うまりたる床屋かな
270.爪の泥こするや体育の日の暮れる
282.断崖のわすれな草や天主堂
286.見送りて日々に戻りぬ青嵐


23年

135.
138.夜桜の白き肌えに死の匂い
141.郭公の背伸び聞いてる杉木立
144.青時雨緑より受くバプテスマ
147.天の川我を遣わせ彼岸まで
150.屹立もなびくときくる薄かな
153.手袋に包まれいだく想いかな

136.遠寺の石踏みしめる彼岸かな
139.春雨や待ち人来る庵かな
142.ラベンダーベッドより見ゆむらさきの
145.納涼の縁に座りて宵を待つ
148.異端者は俺のことだとへこき虫
151.雨となる我交感の愁思か
154.凍蝶は吾とみえたるしじまかな

137.夜桜の白き肌えに死の匂い
140.ひとりやは卯の花腐ししじまかな
143.どくだみの煎じ飲みてはうなずける
146.サングラス日陰暮らしのよりどころ
149.恋心ピリリ噛締む唐辛子
152.立冬や決意のときはもうそこに
155.煤掃きや神や仏もすましけり

24年

156.初夢に希う齢は過ぎにけり 
159.春暁のこの一刻を惜しむべし
162.
165.若葉風無為の声に浸るなり
168.巴里祭忌飢えたる血ある自由かな
171.連れ犬の目に送り火の流れたり
174.落つ影を伴に通いし夜学かな
177.洗礼を拒みし室(むろ)や神の留守

157.日脚伸ぶ転た寝のねこ脚のびゆ
160.独活食んで孤独は山になしと言ひ
163.
166.砂浜の天使となれり夏帽子
169.薄明を降りてくるなり蝉時雨 
172.朝雲をきれいに透きて秋の空
175.入日影野も色づきてそぞろ寒
178.闇鍋の入れ喰い競ふ上戸かな

158.二月逝く草に兵士の無念あり
161.水温む水面に鳥の寄り添へり
164.行く春は酒清談に浸るべし
167.
170.*************
173.いざ行かん後姿にカンナ燃ゆ
176.オリオンを浴ゆみて小さき独りかな
179.犬猿も炬燵の暖の和解かな

25年

180.陣羽織一度着せたや嫁が君
183.目にて言う白魚仰ぐ浮世かな
186.光さす川面まぶしき目借時 
189.新繭に歓喜し時代(とき)や遥かなり
192.斑猫が善意で示す地獄道
195.夕立や暑き浮世にバプテスマ
198.枕元網戸を開く鉦叩
198.しばらくはレクイエム聴く鉦叩
201.新巻の射ぬるがごとき目つきかな
204.年こそ今年こそぞと去年今年

181.大寒や寝床で詠むる俳句かな
184.淡雪や地の胎動に化粧して
187.山路来て一人静の舞と逢ふ
190.釣り堀に幾千の雨突き刺しぬ
193.空蝉や一処無住の旅の空
196.桐一葉穹天深く仰ぎ見ゆ
199.水澄みて天狗も渓を覗きたり
199.水澄みて天狗も渓を覗きたり
202.山頭火鉄鉢持つ手悴みて
205.寒卵温き命を袂入れ

182.地の神の目覚めのごとき野焼かな
185.蜃気楼皇帝夢む不死の島
188.投句:変身の鮮やかなりし雨蛙
191.夏山や六根浄を唱えけり
194.誰も来ぬ居間で昼寝の夢も見ず
197.木犀の香を染み入りて小雨かな
200.行く秋をジャズと送りし夕べかな
203.餅搗を吾にさせよと云う児かな
206.利休忌に猿もしばらく反省し

26年

207.凍て返り陸の孤島や甲斐の国
210.ひとひらがそっと華を添へ花衣
213苺喰む乙女の似合ふ砌(みぎり)かな.
216.朝焼けに下りし坂の世を憂ふ
219.夕寝して夢見を眺む走馬灯
222.逝き者の紅き叫びや曼珠沙華
225.冬の蠅後退りして吾を眺て

208.恋は猫抜きつさしつつ下萌ゆる
211.しばらくはこの杯で春惜しみ
214.子に曳かれ祭の夜に溶け入れリ
217.端居してほどよいころの宵を待つ
220.月の雨月の心の溢るとき
223.敗荷に無念の風の吹きぬけり
226.
上善は水の如しと海鼠居り

209.屋にては嫌われ者の蜂なりき
212.夕牡丹しじま眺むる遊女かな
215.煉獄の現よりよし熱帯夜
218.見つめ合う人匙ごとの氷菓かな
221.糸瓜忌に穹天高く仰ぎ見ゆ
224.鴨の鍋想い浮かべて餌を投げ
227.冬眠す悪しき憂き世に委任状

27年

228.初空になお残月の余韻あり
231.菜種梅雨目覚めてかくも独りなり
234.春塵を払いて歩む門出かな
237.
240.吾が城に涼をくれたり風知草
243.稲妻よ切り裂く空に革命歌
246.鯊釣れぬ諫早の干茫茫と
249.刈り取りて家路を急ぐ夕時雨

229.唐梅や貴妃の招きし香気かな
232.春眠や言い訳せずに邯鄲夢
235.花散りて虚虚実実の今を識り
238.深き淵隠者のごとき鯰かな
241.撫子の可憐におりて艶なりき
244.宵こそ今宵こそはと無月かな
247.ゴミ捨てや天を見つめるハロウィーン
250.重工業葱で切り込む太郎かな

230.風花の精の降りたる朝かな
233.鳥帰り赤い夕陽も啼いている
236.母の日に罪を贖うオイディプス
239.言詰まり蚕豆剥くる二人かな
242.煉獄の黙す声聞く原爆忌
245.洋梨が私のやうに置いてある
248.茶の花の柔らを指にのせにけり
251.磔刑の丘に燻らむ焚火跡

28年

252.年賀云ひ冥土の神に一礼す
255.いつまでも卒業できぬジャズの虫
258.嫌な奴天下りして四月馬鹿
261.薔薇刑の呪縛の海に沈む夜
264.眠られぬ枕のあたり蚊の気配
267.花木槿おさげにさして小姫かな
270.体育の日寝転んでいるお父さん
273.凩やこのやうにしか生きられぬ

253.都鳥ながめせしまに埠頭たち
256.入学の母の白き手温かく
259.麗かや寝返り猫の欠伸かな
262.走り梅雨恋の終わりの始まりか
265.心太独りすすりて天下茶屋
268.待宵に月もかけつつ出でるかな
271.列車旅まずは座って青蜜柑
274.外套の胸に仕舞いし決意あり

254.如月の湖畔に光走るかな
257.こんがりと目刺しの叫び聞こえたり
260.短夜に語りつくせぬ知己ありき
263.夏大根ピリの辛さに涼をとる
266.下山にはまだ暑きかな解夏の寺
269.肌寒や徒党自民の立ち拍手
272.新海苔と書いて賑わう河岸の市
275.瞑想す仏陀の如き浮寝鳥

28年

276.初笑い憂き世に醒めて苦笑い
279.鍋の中法蓮草の茎赤し
282.青春は勿忘草と覚えたり
285.夏場所や人に非ずが草相撲
288.野良仕舞い雨読支度の半夏雨

277.邪に向けて破魔矢射りたる自己欺瞞
280.万物を包んで貴し春の闇
283.二日酔啜りて懺悔蜆汁
286.青嵐ショートカットがよく似合ふ
289.

278.節分の鬼となりたる人の好さ
281.時刻表眺めて思案春炬燵
284.ここよりは誰もが主菖蒲園
287.勿体の無しを微笑む黴将軍
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

174.落つ影を伴に通いし夜学かな
199.水澄みて天狗も渓を覗きたり

193.空蝉や一処無住の旅の空
220.月の雨月の心の溢るとき

155.煤掃きや神や仏もすましけり
160.独活食んで孤独は山になしと言ひ
212.夕牡丹しじま眺むる遊女かな
226.
上善は水の如しと海鼠居り
234.春塵を払いて歩む門出かな
245.洋梨が私のやうに置いてある
255.いつまでも卒業できぬジャズの虫
272.新海苔と書いて賑わう河岸の市


25年


186.蛙鳴く乳母に抱かれて目借り時 
189.繭破り生まれ変わって翔ぶ夢や

192.斑猫の背中に光る髑髏見る
195.夕立や別れの言葉消えにけり
198.亡き人の訪い来るや鉦叩
201.荒巻の塩の薄さに涙せり
204.地平線越えてマニラへ去年今年

187.風消ゆる目を閉じ一人静かな
190.釣り堀の擦れた魚と遊ぶ君
193.姿なき声は聞こえる空蝉よ
196.桐一葉夕陽と共に影を知る
199.水澄みて影は見えるが喰わぬ餌
202.悴みし両手に包む捨て猫や
205.寒卵命を紡ぐ朝餉かな

185.光り射す都会の闇に蜃気楼 
188.雨蛙闇に飛び込むダイハード
190.夏山の木々合間に日の剣
194.里帰り仏間で祖父と昼寝する
197.木犀の匂い捜して迷う森
200.あなたより冷たきまちの空風や
203.餅搗や粘りにかける力士かな
206.移ろいし時代を問うや利休の忌

26年

207.凍て返る消費増税値上げかな
210.お揃いの手編みセーター花衣
213.ホイップに苺が着地アポロかな
216.朝焼けに願いをはせて船を漕ぎ
219.明と暗まだ闇深し走馬燈
222.インドラの化身を待つや曼珠沙華
225.冬の蝿鳥啄みし彼方消え

208.下萌ゆる家中照らす陽を仰ぎ
211.惜春の押し出し死球土拾う
214.森抜けて遠く聞こえる祭笛
217.端居して子猫と星を数えおり
220.密航の船影照らす雨月かな
223.インドラの化身を待つや曼珠沙華
226.舞鶴の秘宝と眠る海鼠哉

209.花が舞い甘い香りや蜂踊る
212.歌舞伎町獅子と牡丹は朝消えり
215.熱帯夜風なき丘で朝を待ち
18.溶けおりし熱き思いに氷菓舐む
221.ポールまく迷いし飛球子規忌かな
224.鴨鳴きて米研ぐ母や子沢山
227.君は土我月還り冬眠し

27年

228.初空に指で平和と書きにけり
231.黒き地の紅き血を流す菜種梅雨
234.塵のむこうに映る大魔人
237.
240.夜は泣き昼笑いおり風知草
243.稲妻や琴の音消して太鼓鳴る
246.日が昇り爆破するまで鯊を釣り
249.時雨るるや地蔵峠の一休み

229.蝋梅や足元照らし日を仰ぎ
232.春眠す父が奏でるグースカピ
235.ガンジスの亡骸追おう落花かな
238.雷鳴や鯰暴れて水濁り
241.撫子や鉄条網のさき揺れる
244.闇深く下駄の音響く無月かな
247.かぼちゃ乗り未来へ帰りハロウィン
250.脚洗ひ青き髪切り葱美人

230.風花の精の降りたる朝かな
233.汚染され人なき土地に鳥帰る
236.母の日や背なの般若も涙する
239.君の眼と蚕豆の色比べおり
242.平和問う平成生まれ原爆忌
245.梨を剥く異国の人のやさしさや
248.茶の花や赤城に映える白き夢
251.ウソツキとシャツ乾かすや焚火のひ

28年

252.隠し事海に沈めし年賀かな
255.泪橋歪んだせなか卒業す
258.皿二枚三兄弟や四月馬鹿
261.虎柄と麝香のバラや宝塚
264.禅を組む僧と和尚に蚊がとまり
267.木槿垣白黒猫のかくれんぼ
270.体育の日裸足ランナー駆け抜けり
273.人は居ぬ木枯舞いて精降り

253.船追いしあの島目指す都鳥
256.心桜とか詠めぬ名前や入学す
259.うららかや寝る子に降りる天使の輪
262.二丁目の路面は渇き走り梅雨
265.清流に流れし下駄と心太
268.待宵やセーラー服を着せる夜
271.里離る黄泉の入口青蜜柑
274.外套の襟立て闇に消えにけり

254.如月の纏いし雲や道示し
257.目刺し五尾四人家族の朝餉かな
260.短夜や浅き夢見し終電車
263.朝靄に涙一粒夏大根
266.煩悩の陰踏み迷い解夏となり
269.肌寒や違う傷みも始まり
272.新海苔や立派な眉の人掬う
275.水鳥や風の声聞き日暮れ知る

29年

276.************
279.涙する死の灰被る法蓮草
282.勿忘草鼻腔に残る君の香
285. 夏場所や目瞑り当りはたきこみ
288.北西へ手合わせ祈り半夏生

277.************
280.虚空より誰の鳴く声春の闇
283.今日もゆく心に決めて蜆汁
286.土喰らい神ふりむくや青嵐
289.

278.節分の護摩行をせり人も鬼
281.猫が鳴く浅き夢みし春炬燵
284. 雨やさし風誘うや白菖蒲
287.黴の香や下駄箱のなか主待つ
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

198.亡き人の訪い来るや鉦叩


25年

186.目借時湯呑み茶碗と畳の目
189.錆びた鍋踊る湯の中ひかる繭
192.斑猫の甲に迫り夢醒める
195.ひかり立つ夕立跡の植木鉢
198.枕元網戸を開く鉦叩
201.眼を凝らし踊る塩鮭利休箸


187.いま一度一人静に魅せられ
190.ひんやりと釣り堀過ぎる夜風かなて
193.役終えてなほ凛とする空蝉よ
196.寝ころんでひらりと返る桐一葉
199.水澄みてより一層のけじめかな
202.悴める拳ひらきて猪口つまむ
205.手をひろげお椀を駆ける寒卵(参考)

188.濡れ縁の揺るる樹影に雨蛙
191.山に遠く静かな海の音
194.昼寝族我が物顔の乳母車
197.木犀や遠く近くのあなたかな
200.眼を閉じて夢見心地の枯葉聴く
203.餅搗きてあちちとちぎり酒交わ
206.利休忌や時散漫な記憶かな

26年

207.凍返る握りこぶしの寿司湯呑
210.花衣年を重ねる桐箪笥
213.列を成す赤いほっぺの苺狩り
216.朝焼けを追って匠の木槌の音
219.走馬燈気づけば過ぎるひと夜かな
222.曼珠沙華先端妖美天を刺す
225.冬の蝿目と目合わせてはたき込み

208.目が覚めて湯舟飛び出す下萌や
211.惜春の川にひたりて竿をふる
214.もじもじと踊り踊れず見る祭り
217.記憶する庭の景色や端居跡
220.傘を抱き雨月忘れて友思う
223.曼珠沙華先端妖美天を刺す
226.*************

209.目を閉じて手を振る君は蜂の夢
212.読み返す変わらぬ文の牡丹咲く
215.大の字で手ぬぐい濡らす熱帯夜
218.目移りの氷菓ひとなめもう一つ
221.子規忌越え往き来みちのく色映える
224.澄まし顔電車横目に鴨走る
227.*************

27年

228.庭先の松の木ひかる初空や
231.菜種梅雨おひたし並ぶ無垢枯木
234.
*************
237.
240.颯爽と我が先を行く風知草
243.切妻の人目はばかる稲妻紋
246.鯊釣の入れ食いもまた味気なく
249.脚をとめ追って彼方に時雨ゆく

229.その蝋梅香りなおざり色きりり
232.春眠の子に安堵する舞台裏
235.
*************
238.駐車場唸りをあげる鯰顔
241.撫でし子の魅せる華麗な男前
244.背もたれる障子むこうに無月かな
247.ハロウィーンに見え隠れするお立ち台
250.籠の葱入るものかと自己主張

230.風花や天王山のむこう側
233.
*************
236.*************
239.実をひらき寝返り中のそら豆や
242.知らずともまたひとまわり原爆忌
245.梨箱に詰まる田舎の便りかな
248.眼を細め一面に見る茶の花よ
251.ひとたちを灯す焚火のいのちかな

28年

252.年賀よりそぞろ心な鐘を聴く
255.地獄坂卒業迎え下り坂
258.四月馬鹿頓智敵わぬ石頭
261.薔薇園の朝一隅を刺すひかり
264.研ぎ澄ます意識向こうの蚊と雫
267.槿見る鍋棚先の古硝子
270.体育の日通りすがりの杖踊る
273.墓磨き別れを告げる木枯しや

253.都鳥ああ風にのる緩さかな(休場)
256.カラフルに音が色づくご入学
259.麗かな緑さやけし学び舎よ
262.二丁目の路面は渇き走り梅雨
265.心太透かし透かされ切子柄
268.待宵の首都高つなぐリアランプ
271.鼻奥で待ち受ける酸青みかん
274.
コート着る列車灯りのコマ送り

254.如月にすず鳴り渡る宮参り
257.はふはふと畳三畳目刺し喰う
260.*************
263.朝靄に涙一粒夏大根
266.解夏色のそらを仰いで舟を漕ぐ
269.肌寒や違う傷みも始まりて
272.新海苔の切売り初め待ちわびて
275.我が家の浴槽で唄う水鳥や

29年

276.鉄アレイ持つ左手に初笑い
279.湯上がりの火照るほっぺやほうれん草
282.どらやきを勿忘草に茶を注ぐ
285.山盛りのサラダ飯喰う夏場所や
288.指フック背広ブラブラ半夏かな

277.用成して奉納箱へ破魔矢飛ぶ
280.春の闇着陸前のひと眠り
283.白濁に煙巻く八雲蜆汁
286.
針落とす開店前の青嵐
289.

278.節分のあなたのうつわ撒き半
281.執念の赤札刻む春炬燵
284.覗き込む湯気立つ菖蒲玉手箱
237.皮を剥ぎ厚く艶めく黴を刺す
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

211.惜春の川にひたりて竿をふる
274.
コート着る列車灯りのコマ送り

244.背もたれる障子むこうに無月かな
286.針落とす開店前の青嵐

189.錆びた鍋踊る湯の中ひかる繭
210.花衣年を重ねる桐箪笥


25年





198.鉦叩追われる人生警鐘を
201.塩鮭の固く握った母の味
204.竹の様節目付けたか去年今年





199.渓流の水澄む水面飛ぶ岩魚
202.悴む手負けじと登った白い山
205.雪の中両手で守った寒卵




197.金木犀昔の記憶カレーの匂い
200.クリスマスサーフィンかかえるサンタさん
203.両隣餅搗聞こえ寂しけり
206.利休忌に感じる茶心ここにあり

26年

207.凍返る俺の風もぶり返る
210.花衣微笑み返す妖艶さ
213.デザートに園児は苺俺たくあん
216.朝焼けや今日の告白予感雨
219.走馬燈ヒマラヤ氷下星の数
222.焼け野原ぽつり一輪曼珠沙華
225.アンノイン冬の蠅でも蠅は蠅

208.下萌えの苦き緑のかくれんぼ
211.高遠の城址惜春寂しけり
214.お祭りで浴衣美人と美味い酒
217.
*************
220.ぽつぽつと眺む窓辺に雨月かな
223.焼け野原ぽつり一輪曼珠沙華
226.きゅうり似の海の掃除屋海鼠さん

209.小一の蜂色帽子登下校
212.ここ一番猪鹿揃い来い牡丹
215.熱帯夜財布も炎上電気代
218.氷菓赤青緑舌染まる
221.あおき実の熟すはいつや願う子規忌
224.縁側で鴨の鍬焼き正一合
227.冬眠中見る夢いつも熱帯夜

27年

228.初空へ皆の幸福願うかな
231.菜種梅雨顔出す雲間竹田城
234.春塵め隣国汚染引き取らにゃ
237.
240.人混みの雨にもマケズ風知草
243.阿」と「吽」の間に走る稲光
246.鯊釣や母に届ける子の背中
249.恋敗れ時雨と共に帰り道

229.蝋梅の匂いにつられ散歩する
232.授業にてなんとかなるさと春眠中
235.人知れず花散る夜の寂しさや
238.十五年ナマズの集会場は日本
241.撫で地蔵撫子隣咲き乱れ
244.無月の夜ウユニに映る小宇宙
247.ハローウィン貰うお菓子この笑顔
250.ねぎま鍋熱さが喉へ一直

230.風花や推薦入学合格日
233.鳥帰る空を見上げて母想う
236.母の日に大好き母に花一輪
239.縁側で蚕豆つまみ生ビール
242.考えろ出戻り首相原爆忌
245.梨の花意外と知らず花の色
248.”歩”なり”金”茶花がなれば金がなる
251.揺れる火の考えふける浜焚火

28年

252.風情無し年賀も済ますメールかな
255.卒業後泣いて集まる生徒の輪
258.伝わらず凝った嘘つく四月馬鹿
261.咲き誇れ祖母が愛した薔薇の花
264.縁側に西瓜と団扇蚊取り豚
267.木槿かな祖母の死目逃しけり
270.体育の日父と優勝親子リレー
273.木枯らしやTシャツ短パン赤ほっぺ

253.妙心寺水琴窟と都鳥
256.入学日希望に満ちてくぐる門
259.麗らかな猫が背伸びしあくびする
262.走り梅雨鎌倉行っても花咲かず
265.心太東は小鉢西おやつ
268.宵やビザが降りろと焦りけり
271.青みかん独自の文化日本食
274.事件だとコートを羽織り急ぐ父

254.如月や日本酒仕込み最盛期
257.朝御飯目刺しと白飯お味噌汁
260.短夜の君をおもいて長き夜
263.縁側でお蕎麦とお酒夏大根
266.解夏の朝最後の修行下山かな
269.肌寒やラストスパートリクルート
272.炬燵にて新海苔つまみ手酌酒
275.白と青水鳥浮かべ色映えり

29年

276.祖父の家家族集まり初笑
279.スピナッチベビー法蓮草しか買えず
282.勿忘草初恋の君想ひ出す
285.夏場所で成績差つく受験生
288.************

277.破魔矢撃ち浄化の筋道金の道
280.生の一寸先は春の闇
283.蜆汁小さな幸せ社食にて
286.この風は何処から来たのか青嵐
289.
************

278.節分の若きに少な老多き
281.春炬燵ぽかぽか昼寝日曜日
284.
************
287.
************
290.************

優勝
殊勲賞
敢闘賞

208.下萌えの苦き緑のかくれんぼ


27年


231.菜種梅雨さらさら堕ち来る子守唄
234.春塵やチラシだらけの郵便受け
237.
240.風知草崖にたたずむスナフキン
243.本を手に稲妻ひきいて夜駆ける
246.釣りバカキャンプ天婦羅鍋にハゼ二匹
249.夕時雨渋滞情報カーラジオ267.虫網の届かぬ砦よむくげの木

232.春眠や本の枕に鳥の声
235.花散るを惜しむや老犬空見上げ
238.大鯰泥より出でたり天地眼
241.撫子よ荒野の花よ胸を張れ
244.返信の言葉悩みて無月かな
247.
*************
250.葱だけの鍋で嬉しや二人きり

230.風花やまつ毛に憩へ好きなだけ
233.帰る手袋かたっぽ失くしもの
236.母の日や父の写真と酌み交わし
239.蚕豆のゆりかご暴いてほくそえむ
242.うみそらも木々も謳わじ原爆忌
245.仏壇の山からひとつ梨泥棒
248.茶の花の咲きて喪の明けたるを知
251.焚き火の輪いつのまにやら森の子ら

28年

252.手酌酒猫を起こして年賀かな
255.卒業の記念アルバム開きぐせ
258.靴下を脱ぐのか履くのか四月馬鹿
261.姉さんの薔薇の縫い取り二輪咲き
264.母求め蚊帳にもぐりて結界へ
267.
*************
270.体育の日雀の子らの騒がし
273.凩や口笛立ち漕ぎ半ズボン

253.都鳥もやにたゆたう赤い花
256.下駄箱によろしくねって入学式
259.風騒ぐふもとのあの娘の口笛よ
262.走り梅雨スカートのしわ気にしいしい
265.*************
268.待宵やしおり挟まず本を閉じ+
271.青みかんにぎりつぶしてしまおうか
274.父恋しツイードコートの重さかな

254.如月や薄いくちびる紅を引き
257.さてさてと炭をおこして目刺し焼く
260.短夜や汲み置き水を鉢に
263.夏大根ロケット台に白い花
266.解夏の空声なき声に目を閉じる
269.肌寒しベランダ煙草ひとりごと
272.海苔のありがたきを知る余生かな
275.水鳥よ集えや西日我ひとり

29年

276.喪の明けて捧ぐさかずき初笑い
279.ホウレン草茹でる彼女の束ね髪
282.教室にわするな草を置いていく
285.五月場所着なれぬスーツで揃い踏み
288.同胞(はらから)の別れの知らせ半夏生

277.部屋隅の塵に刺さりし破魔矢かな
280.春の闇裸足で郵便受けのぞく
283.蜆汁椀の底には後ろ髪
286.青嵐友のかんばせ大人びて
289.

278.節分や花屋に春を見つけたり
281.つま先に猫のへそくり春炬燵
284.
花菖蒲母が祈りし背に見えて
287.老い猫(おいねこ)の黒い尾っぽに白黴ふわり
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

269.待宵やしおり挟まず本を閉じ

252.手酌酒猫を起こして年賀かな
272.海苔のありがたきを知る余生かな
279.ホウレン草茹でる彼女の束ね髪

260.短夜や汲み置き水を鉢に


28年


270.体育の日だけ気になるメタボ腹
273.木枯らしの気配際立つシャッター街


271.ヘマばかりついたあだ名は青みかん
274.コート脱ぎ今宵も宴に酔いしれる

269.肌寒し布団をかぶり二度寝する
272.新海苔やイクラ引き立つ名黒子
275.王子待つ水鳥1つふわり舞う

29年

276.大凶で顔を見合わせ初笑
279.精進の碗を彩る法蓮草
282.断崖のわすれな草や天主堂
285.夏場所のテレビに集う湯屋客
288.宇治金時練乳したる半夏生

277.部屋隅の塵に刺さりし破魔矢かな
280..おやすみと無い返事を待つ春の闇
283
.*************
286.竹林のアーチ吹き抜けて青嵐
289.

278.節分や数の格差に駄々こねる
281.
*************
284.荒城の掘を固める花菖蒲
287.食パンにシマウマ柄の黴模様
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

252.手酌酒猫を起こして年賀かな
284.
荒城の掘を固める花菖蒲

260.短夜や汲み置き水を鉢に
276.大凶で顔を見合わせ初笑
284.
花菖蒲母が祈りし背に見えて


28年

270.体育の日 我がぜい肉を みつめをり
273.木枯しの音聞こゆ我が内外(うちそと)に

271.さわやかに季節をまたぐ青蜜柑
274.仕立て良きコートさっそうと過ぎ行けり

272.新海苔をもらった帰り二歩スキップ
275.水鳥をぼーっと見ている空は青

29年

276.初笑い笑い袋に先こされ
279.歯ざわりのやわでしっかりほうれん草
282.勿忘草うたを奏でているごとく
285.夏場所や立ち会い巨体波打って
288.半夏生くりかえす日々おもくなり

277.ごりやくのありやなしやと破魔矢うく
280.酒に酔い人に酔うなり春の闇
283.貧乏性貝身のこさず蜆汁
286.億年の風ふきゆけり青嵐
289.

278.節分の夜気はほどけてゆるゆると
281.戦争の予感ありつつ春炬燵
284.ふすま絵に優雅に映える花菖蒲
287.黴くさき名画座で見し映画たち
290.

優勝
殊勲賞
敢闘賞



home  top